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2021夏の甲子園

センバツ準V明豊が完封負け。最上級生が残した財産を礎に新スタート【2021夏の甲子園】

 

監督が語った2つの敗因


明豊(大分)は専大松戸(千葉)との1回戦で敗退。今春のセンバツ準優勝校は夏の全国制覇を目指すも、頂点には届かなかった


■8月16日 1回戦
専大松戸6−0明豊

 センバツ準優校・明豊(大分)が初戦敗退を喫した。専大松戸(千葉)の右腕・深沢鳳介(3年)を攻略することができず、6安打完封されている(0対6)。

 明豊・川崎絢平監督は2つの敗因を語った。

「深沢君に『大人のピッチング』をされた。外中心の配球で、外をいかに打てるかでしたが……。逆方向狙いで、シングルヒットでつなぐこともできなかった。相手に先に点が入り、今度は踏み込んでいこうとしたら、インコースを攻められた。あとは、バントする場面でできなかった。相手打線は振り幅の小さいヘッドの利いた打撃でした。徹底する力、基本が大事である、と。(それが実践できないと)点差以上の大きな差を感じるんだな、と。この悔しさを(2年生以下の)次のチームに生かしていきたいと思います」

 試合を総括するのは、ここまで。この1年間を振り返り、川崎監督は主将・幸修也(3年)、エース右腕・京本眞(3年)を中心とした3年生に、感謝の言葉を残している。

「優勝できるような強いチームに仕上げられなかったのは、監督の責任です。3年生は明豊にとって転機、今後の指標となる良いチームを作ってくれました」

 具体的に「指標」とは何か。

「飛び抜けた存在がいなくても、全員の力で粘り強く、高校生らしいプレーを体現してくれた。力のない選手でも、やるべきことをやれば、伸びてくる。くすぶっている後輩に対しても、希望となる先輩だったと思います」

 大分大会では各校が「打倒・明豊」を掲げてきた。「勝って当たり前」というプレッシャーを乗り越え、持ち味の結束力で夏の甲子園へ戻ってきたのは、大きな価値がある。

 課題はすべて、専大松戸から教わった。「やるべきこと」の精度を上げる。最上級生が残した財産を礎に、新チームをスタートさせる。

文=岡本朋祐 写真=宮原和也
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