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高橋優貴、青柳晃洋、森下暢仁…セ・リーグ6球団「タイトル」を狙う男の現在地は?

 

8月13日から後半戦がスタートしたペナントレース。終盤戦に向けてタイトル争いも熾烈になっていく。果たして各部門でリーグトップを狙う男たちの現在地は? セ・リーグ6球団でタイトル獲得が期待される選手を取り上げる。
記録は8月16日現在

読売ジャイアンツ



 前半戦を終えた時点で9勝は、セ・リーグのハーラーダービートップの好成績。2年目の昨季は故障の影響もあり4試合の先発で1勝にとどまった高橋優貴が、最多勝をうかがう好位置につけている。大卒プロ3年目。1年目の5勝がこれまで最高成績で、新人年の「12」から「26」「47」と3シーズンで2度の背番号変更を経験。今季も開幕ギリギリまで先発ローテーションの座をチーム内のライバルと争う5、6番手の立ち位置だった。しかし、4月だけで5戦5勝と月間MVPを受賞。一時、勝ち星から遠ざかるが、中断までの残り4試合で3勝1敗と盛り返した。エース・菅野智之が不調で後半戦は二軍スタートの中、先発の柱の1人として期待される左腕は、佳境を迎える優勝争いの中で戦力となることを誓う。

阪神タイガース



 前半戦の活躍はすさまじかった。マウンドに上がれば、その試合は必ず勝つというイメージがついた青柳晃洋。しかも長いイニングを最少失点に抑える堂々たる投げっぷり。左打者に対して外角低めへの制球力が上がったことで安定した投球ができるようになった。その対左打者の被打率は.209と右打者の.228よりもいい数字が出ている。またDeNAには2試合で防御率0.64、中日には3試合で0.89とほぼ完ぺきに抑え込み、先発では唯一の防御率1点台、1.79でリーグトップだ。東京五輪では思うような投球ができなかったが、後半戦は気持ちを切り替え、16年ぶりの優勝へ向け安定感抜群の投球を見せてくれるはずだ。

東京ヤクルトスワローズ



 現在、リーグトップの18盗塁を記録している塩見泰隆に、盗塁王初受賞の期待が懸かる。今季は一番打者として定着。打率.300と安定感が光り、8本塁打など長打もある。そして18盗塁と、まさに“打てる”“飛ばせる”“走れる”の3拍子がそろったリードオフマンだ。村上宗隆山田哲人らが本塁打や打点でリーグトップを争っているため目立たないかもしれないが、塩見が「出塁→盗塁」で一気にチャンスメークし、山田らにつなげられるのは大きい。持ち味の俊足で、初のタイトル、そしてリーグ優勝を引き寄せたい。

中日ドラゴンズ


中日・柳裕也


 ここまでタイトルを獲得したことも、タイトル争いをしたこともない。しかし5年目の今季は違う。キレのあるストレートと多彩な変化球を武器に開幕から三振の山を築き、ここまで奪三振116はリーグトップの数字。しかも2位の戸郷翔征(巨人)の78を大きく引き離して独走態勢だ。116奪三振は投球回数113回2/3を上回り、1回に1三振と奪三振率も高い。このまま順当に登板を重ねていけば、タイトルを手にできるはずだ。奪三振のタイトルは、昨年は沢村賞のチームメート、大野雄大が獲得しているから、柳が獲れば2年連続で中日からとなる。防御率2.38もリーグ3位で射程圏内。2冠の可能性も十分にある。

広島東洋カープ



 広島では、ここまで森下暢仁が防御率2.29で2位につけている。前半戦は勝ち星こそ6勝にとどまったが、13試合に先発して、クオリティースタート(6回以上投げて自責点3以下)できなかったのはわずかに1度だけという安定感。トップの青柳晃洋(阪神)は1.79と少し差があるが、防御率は上下の動きがある部門だけに、今後、青柳が崩れてこないとも限らない。安定した投球を継続していけばチャンスは十分あるはずだ。昨年も防御率はリーグ2位で、0.09差で大野雄大にタイトルを譲っている森下。昨年は記者投票でのタイトルである新人王を獲得したが、今年は数字で勝負するタイトルを初めて手にすることができるか。

横浜DeNAベイスターズ



 オースティンが日本での初タイトルを視界にとらえている。打率は.313で4位につけるが、トップのチームメート・佐野恵太(打率.324)との差はそう簡単には埋まらないだろう。現時点でタイトルに最も近い位置にいるのが出塁率だ。広島・鈴木誠也、阪神・マルテらを抑えて出塁率.411でリーグトップにつける。甘いボールは高い確率でヒットにする打撃以外にも、低めの変化球への見極めが優れているのも要因の一つだ。1997年のローズ(出塁率.444)、2008年の内川聖一(同.416)に続く球団では3人目となる最高出塁率のタイトルを目指す。

写真=BBM
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