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杉本裕太郎、岡島豪郎、柳田悠岐…パ・リーグ6球団「タイトル」を狙う男の現在地は?

 

8月13日から後半戦がスタートしたペナントレース。終盤戦に向けてタイトル争いも熾烈になっていく。果たして各部門でリーグトップを狙う男たちの現在地は? パ・リーグ6球団でタイトル獲得が期待される選手を取り上げる。
記録は8月16日現在

オリックス・バファローズ



 プロ6年目、30歳の杉本裕太郎が覚醒のシーズンとなっている。自身初の開幕スタメンを果たした今季。持ち前の長打力に加えて確実性も増すと四番に定着し、打率3割とコンスタントに安打を放ちつつも、豪快さも消えてはいない。後半戦初戦となった8月13日のロッテ戦(ZOZOマリン)では第1打席にセンターバックスクリーンへ19号2ランを放ち、リーグトップのソフトバンク柳田悠岐に4本差に迫る。昨季まで通算9本塁打の男が才能を開花させ、タイトルも射程圏内。58打点もリーグ2位につけ、二冠も視界にとらえている。四番がタイトルを争いに加わり続ければ、25年ぶりとなる悲願のリーグ優勝に大きく近づくのは間違いない

東北楽天ゴールデンイーグルス



 開幕一軍には漏れたが、4月10日に一軍昇格を果たすと、ここまでは主に五番打者として打線の核を担っているのが岡島豪郎だ。打率.332とオリックス・吉田正尚に次ぐリーグ2位の好位置につけている。昨季首位打者のカベは高いが、逆転での初タイトルは十分可能と言えそうだ。プロ入り後に捕手から外野手へコンバートされてブレークのきっかけをつかんだ。だが近年は故障に悩まされて成績が低迷。一時は捕手登録に戻るも、2020年からは再び外野手登録に。苦労を重ねてはい上がってきたプロ10年目。節目の年にチームの優勝とともに打撃タイトルも奪いにいく。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・マーティン


 圧倒的なパワーを見せるマーティン。ZOZOマリンの左翼席上部の照明に直撃する“超特大弾”を放つなど、豪打を見せる助っ人だが「ホームランは狙っていないんだ。1打席1打席集中してボールを良く見る。それで自分のスイングをしている結果なんだ。打席ではボールを良く見ることさ」と打席での意識を口にする。とはいえ、21本塁打はリーグ2位と来日3年目での初タイトルも視界にとらえる。五輪期間中に一時帰国し、再来日したのは8月10日で、隔離期間を要するため、一軍出場は8月末となる見込み。遅れてスタートする後半戦だが、当たり出したら止まらない。助っ人の砲が快音を連発すれば、チームも一気に上昇気流に乗る。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・柳田悠岐


 2度の首位打者に最多安打など数々のタイトルを獲得してきた柳田悠岐だが、今季は自身にとっても特別なタイトルに手が届くかもしれない。前半戦終了時点で22本塁打はリーグトップ。後半戦も8月13日の日本ハム戦(PayPayドーム)で自打球→ベンチにいったん下がる→戻ってきての初球を左翼テラス席へという、普通だったら考えられない状況での一発で幸先のいいスタートを切った。柳田にとってホームランは特別なものだ。「(ホームランって)“楽しい”。インパクトの瞬間とそのときの感触。そして、打って(ボールが)飛んでいくときが一番楽しいです」。だからと言って、本塁打王に強いこだわりがあるわけではないが、惜しくもリーグ3位だった2020年は少しだけ残念な思いも吐露していた。初の栄冠まで、自身にとっても、見る者にとっても“楽しい”一発を量産する。

埼玉西武ライオンズ



 10勝の宮城大弥、9勝の山本由伸(ともにオリックス)に続く8勝をマークしているのが高橋光成だ。今季は初の開幕投手を務め、勝利をつかんだ。その後も負けなしの投球が続き、ゲンを担いで髪を切らずにマウンド上で長髪をなびかせて投げる姿も話題となった。150キロ超の直球とフォークのコンビネーションが持ち味だが、投球の幅が広がった。自らの状態のよっては制球重視のスタイルにチェンジ。「力の入れ具合であったり、だいぶ大人のピッチングをするようになった」と辻発彦監督も称賛する。宮城、山本は首位を走るチームに属し、追いつくのは簡単ではないが、虎視眈々と逆転を狙っていく。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・堀瑞輝


 プロ5年目の堀瑞輝が念願の初タイトルを狙う。ここまでチーム最多の38試合に登板して2勝1敗22ホールド。24ホールドポイントはリーグトップを誇る。最多ホールドポイントの選手が獲得できる最優秀中継ぎ投手のタイトルも視界に入ってきた。今季は中継ぎエースとして勝利の方程式を担い、7、8回の重要な局面を任されている。課題であったメンタル面も、目標とする鉄腕・宮西尚生のアドバイスで、自分を追い込まず開き直って投げられるようになったという。「このポジションで最後まで完走することが目標」と語るように、シーズン最後まで勝ちパターンのセットアッパーとして投げ続けることができれば、おのずとタイトルはついてくる。

写真=BBM
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