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2021夏の甲子園

甲子園大会が31日以降に順延になった場合は阪神戦との同日開催の可能性が【2021夏の甲子園】

 

大会本部が「高校野球とプロ野球の開催」について発表


高校球児のあこがれの地・甲子園。仮に阪神タイガースの試合日になっても、甲子園大会は継続(日中開催)されることが決まった。写真は20日の第1試合[近江−日大東北]前


 天候不良による異例づくしの夏である。

 8月19日、大会本部は「天候を巡る対応」としたオンライン会見を開いた。第1試合(近江−日大東北)が5回裏途中ノーゲーム(2時間22分の中断)で翌日に順延。そして、すでに球場入りしていた第2試合(西日本短大付−二松学舎大付)も翌20日に順延。そして、第3試合以降は15時以降の実施を目指す(結果的に2試合を消化)。そして、決勝は1日順延の29日に開催するにあたり、一連の経緯を説明する場であった。

 最も強調していたのは「29日までに大会を終わらせ、球児の皆さんを、教育の現場に戻したい。29日に伸びた日程を終えることに全力を傾けたい」ということだった。一方で、準々決勝翌日の休養日Bは死守(3回戦2日目の休養日Aと、準決勝翌日の休養日Cは消滅)すると明言していた。選手の健康管理のため、3連戦を回避するための措置である。

 しかし、甲子園には後の日程が控えていた。

 8月31日から阪神戦(対中日)がナイトゲーム(18時開始)で開催される。今大会、順延のたびに「いつまで高校野球が甲子園を使用できるのか」が最大のポイントだった。

 19日のオンライン会見で大会本部は「29日まで」を繰り返したため、グラウンド整備などの都合上、中1日以上の引き継ぎ期間が必要であると、理解していた。この日の段階で30日以降になった際の対応については「とにかく、いまは予定より大幅に遅れている。終えられるように全力を尽くしているというところでご理解いただきたい」と明言せず。

 会見翌日の20日の15時、大会本部は「高校野球とプロ野球の開催」について発表した。

「仮に高校野球が31日以降に順延になったとしても、高校野球は甲子園球場で開催を継続します。この場合、基本的に高校野球が日中、阪神タイガースが夜の同日開催となります。阪神タイガース、阪神甲子園球場と協議をしました。詳細は現在、調整中です。実際に31日以降に高校野球で実施することになった際に、改めてお知らせします」(原文のまま)

 東京の神宮球場では学生野球(大学、高校ほか)とヤクルトの主催試合の「プロ併用日」は、日常茶飯事だ。今回は甲子園球場で「プロ併用日」の可能性がある、ということだ。

 大会主催者は行政機関の指導には従うという大前提で、「何とか、最後まで大会を続けたい」という思いが、阪神タイガース、阪神甲子園球場に伝わったことが推察される。

 2021年夏。高校球児にとって、人生一度の夢舞台。厳しい社会情勢での大会運営となっているが、ひとまず、球場使用の点で懸念されていた「大会打ち切り」は回避された。

文=岡本朋祐 写真=高原由佳
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