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2021夏の甲子園

“157キロ右腕”明桜・風間球打が甲子園2試合で得た「課題」と「収穫」とは?【2021夏の甲子園】

 

「真っすぐだけでは勝てない」


明桜・風間球打(3年)は明徳義塾との2回戦(8月22日)で先発も、6回2失点で降板し、チームは2対8で敗退した。整列後(写真)は相手エース左腕・代木大和に「ありがとう! 頑張って!」と声をかけている


■8月22日 2回戦
明徳義塾8−2明桜

 157キロ右腕の夏が終わった。明桜は明徳義塾との2回戦で敗退(2対8)。先発した風間は6回2失点で降板した。

 3年間を指導してきた明桜・輿石重弘監督の総括コメントが、風間の現状を示していた。

「非常に球速も伸びてきて、良い投手になった。今日もナイスピッチングができた。でも、まだ伸びる子。将来のある子。もっと、もっと成長してくれると思います」

 帯広農(北北海道)との1回戦(8月15日)では最速150キロで2失点完投(4対2)。天候不良により、試合開始が3時間遅れ、難しい条件下でのマウンドだった。

3回表、明徳義塾の四番・加藤愛己の打席でこの日、最速の152キロを計測した


 中6日で迎えた2回戦。初戦よりもストレートの球質は良く、最速152キロを計測。球威で圧倒する場面も見られたが、決め球の変化球を見極められた。相手打線のしたたかな攻撃で球数を要し、6回2失点(139球)で降板。その後、救援投手が粘り切ることができず、失点を重ね、3回戦進出を逃した。

 打撃センス抜群の風間は一塁の守備に残ったが、4打数無安打。6点を追う9回裏の打席では一ゴロに倒れるも、アウトとコールされても、一塁ベースまで全力疾走。当たり前のプレーではあるが、最後まで決して力を抜かない、風間のスタイルが見えてきた。

 2試合で得た「課題」と「収穫」は何か。

「真っすぐだけでは、勝てないことを学びました。変化球の精度を上げられるように、頑張っていきたい」

 甲子園で自己最速を更新し、01年夏に日南学園・寺原隼人(元ソフトバンクほか)が計測した甲子園最速の158キロ(MLBスカウトのスピードガン)を目指していた。今大会の最速は152キロ。指にかかった際の直球はスピンが効いていたが、自己評価は低かった。

「キレとかが足りない。悔いが残っている。最速も考えてきましたが、まだ、実力がない。そこは磨いていきたいと思います」

レベルアップした「エースの自覚」


6回2失点で降板。139球を投じて、明徳義塾の「徹底力」に我慢し切れなかった


 一方、手応えをつかんだのは、甲子園というマウンドを経験したことに尽きるという。

「大舞台でプレーできたのはうれしいですし、自分のピッチングも少しは見せられた。そこは良かったです。逆転を許したイニング(1対1の5回表)も、最少失点で抑えられたのは良かったです。失点はしましたが、思い切ってプレーできました」

 高校3年間でレベルアップした部分については「エースの自覚」だという。

「(秋田大会の)決勝(対秋田南)をゼロ(6対0)で抑えられたのは、成長したと感じました」

 貴重な場を踏んだ充実の夏を終え、高校卒業後の進路については「できれば、上の舞台で戦いたい」と、プロ志望を表明した。

 風間は「ライバル」に市和歌山の152キロ右腕・小園健太、そして「投げ合いたい」相手として、高知の154キロ右腕・森木大智の名前を挙げている。風間は「世代最速右腕」だが、謙虚に語る。この日、敗退した明徳義塾は高知大会決勝で、森木を攻略してきた。

「(真っすぐは)良いときもありましたが、バットの芯でとらえられた。森木投手よりも下です。(今後)戦えるときがきたら、それより上に行きたいと思っています」

 試合後、涙はなかった。淡々としているように見えたが、胸の内はやや違った。

「もともとそうなる人(号泣する)ではない。悔しいですが、ここで悔しがっているだけでは……。上の舞台でやりたいと思っているので、ここで課題を見つめ直してやっていきたいと思っています」

 目的意識が明確だから、感情に左右されない。それこそ「プロ向き」の性格。秋田に戻ってからトレーニングを再開し、次のステージへの準備を始める。向上心旺盛の風間は、今すぐにでも、体を動かしたい様子だった。

文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎

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