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落合博満、清原和博、松井秀喜、ラミレス…最も印象に残る「平成の巨人の四番」は?

 

 1965〜73年まで前人未到のV9を達成するなど球界の盟主として圧倒的な強さを誇っていた巨人。三番・王貞治(現ソフトバンク球団会長)、四番・長嶋茂雄(現巨人終身名誉監督)の「ONコンビ」はプロ野球界という枠を超え、子どもたちのあこがれの存在だった。「常勝」を掲げる巨人は平成に入ると他球団の強打者を獲得し、四番に据えるようになった。落合博満清原和博松井秀喜アレックス・ラミレス……あなたが思い浮かぶ「巨人史上最強の四番打者」は誰だろうか。

3年間で2度の優勝に貢献


巨人・落合博満


●落合博満(ロッテ中日、巨人、日本ハム)
NPB通算成績 2236試合出場、打率.311、510本塁打、1564打点
※巨人通算成績(94〜96年) 352試合出場、打率.296、53本塁打、219打点

 三冠王を3度獲得した史上唯一の大打者。プロ20年間で首位打者、本塁打王、打点王をいずれも5度獲得し、MVPを2度受賞した。体の中央付近でゆったりとバットを立てる独特の構えからバットを引いて力をためてから、球を手元まで引き付けて広角に長打を量産した。「神主打法」と呼ばれた打撃は芸術的だった。

 中日から巨人にFA移籍したのは93年オフ。在籍期間は94年から3年間と決して長くなかったが、長嶋監督の下で四番を務めて2度のリーグ優勝に貢献。94年に中日と同率で並んだ優勝決定戦「10.8決戦」では今中慎二から先制アーチを放って優勝に貢献した。96年は打率.301、21本塁打、86打点と勝負強い打撃を見せたが、西武の清原和博が巨人にFA移籍することで退団を決意。長嶋監督も同席した異例の会見で、「長嶋監督が、私と清原君の問題でこれ以上悩む顔を見たくない」と退団の理由を明かした上で、「ただし、清原君と今勝負しても私は負ける気はありません」と発言して大きな反響を呼んだ。43歳で四番を務めたのは球団最年長で、現在も破られていない。

西武黄金時代の四番から巨人へ


巨人・清原和博


●清原和博(西武、巨人、オリックス)
NPB通算成績 2338試合出場、打率.272、525本塁打、1530打点
※巨人通算成績(97〜05年) 846試合出場、打率.266、185本塁打、576打点

 巨人とは複雑な縁で結ばれた野球人生だった。名門・PL学園で1年から四番を務め、史上最多の甲子園春夏通算13本塁打をマーク。同級生・桑田真澄との「KKコンビ」は社会現象になり、ドラフトで動向が注目された。清原は巨人入りを熱望していたが、巨人が指名したのは早大進学を表明していた桑田だった。清原の指名は6球団が競合して西武が交渉権を獲得したが、巨人が指名しなかったことにショックを受けて入団会見で涙を流した。

 西武入団後は高卒ルーキーで打率.304、31本塁打をマークするなど黄金時代の四番として活躍し、1996年オフに巨人へFA移籍。あこがれていた球団のユニフォームにソデを通したが、度重なる故障の影響や打撃不振で規定打席に到達したのは3シーズンのみだった。2005年オフに戦力外通告を受け、オリックスに移籍した。打撃タイトルに縁はなかったが、2000本安打、500本塁打、1500打点を達成した打者は6人のみ。広角に本塁打を飛ばすスケールの大きい打撃で記録にも記憶にも残る強打者だった。

規格外の打撃を見せた「ゴジラ」


巨人・松井秀喜


●松井秀喜(巨人、ヤンキース、エンゼルス、アスレチックス、レイズ)
NPB通算成績1268試合出場、打率.304、332本塁打、889打点
MLB通算成績1236試合出場、打率.282、175本塁打、760打点
※巨人通算成績(93〜02年) 1268試合出場、打率.304、332本塁打、889打点

 2009年にヤンキースでワールド・シリーズ優勝を経験。アジア人初のワールド・シリーズMVPを受賞するなど日米で活躍したが、スラッガーとして強烈な輝きを放ったのは巨人時代の印象が強い。並外れたスイングスピードからはじき返された打球速度は守っている野手が恐怖感を抱くほどの速さで、ライナー性の打球が突き刺さるようにスタンドに飛び込む。日本人離れした規格外の打撃で「ゴジラ」と形容された。

 首位打者1回、本塁打王、打点王を3回ずつ獲得。在籍10年間で332本塁打を放ったが、高卒で10シーズンでの本塁打数は王貞治の356本に次ぐ歴代2位の記録だ。巨人最終年の02年は圧巻の打撃を見せる。球宴前までは76試合で18本塁打だったが、後半戦は64試合で32本塁打と驚異的なペースで打ち続け、自己最多の50本塁打をマーク。首位打者は福留孝介(現中日)に譲ったが、打率334、50本塁打、107打点で本塁打王、打点王の2冠に輝いた。生え抜きの四番として計り知れない重圧を背負っていたが、飄々とした雰囲気で余裕を感じさせる姿も大きな魅力だった。

高度な技術に勝負強い打撃


巨人・ラミレス


●アレックス・ラミレス(インディアンス、パイレーツ、ヤクルト、巨人、DeNA、群馬)
NPB通算成績1744試合出場、打率.301、380本塁打、1272打点
MLB通算成績135試合出場、打率.259、12本塁打、48打点
※巨人通算成績(08〜11年) 569試合出場、打率.307、148本塁打、430打点

 外国人選手枠で入団した選手で史上初のNPB通算2000本安打を達成した球史に残る強打者だ。高度な打撃技術に加え、バッテリーの配球を読む打撃でコンスタントに打ち続けた。 00年にヤクルトに入団すると、03年に打率.333、40本塁打、124打点で本塁打王、打点王の2冠に。07年は右打者で史上初のシーズン200安打を達成した。

 08年に巨人に移籍すると、打率.319、45本塁打、125打点(打点王)でリーグ2連覇に貢献。翌09年も144試合全試合に四番で出場し、打率.322、31本塁打、103打点で首位打者、最多安打(186安打)のタイトルを獲得。2年連続リーグMVPに輝き、チームを3連覇と日本一に導いた。10年も3年連続全試合出場で打率.304、49本塁打、129打点で本塁打王、打点王を獲得。勝負強く、本塁打を打てるだけでなくミートに徹した走者をかえす打撃もできる。本塁打を打った際のパフォーマンスも人気で、ファンから絶大な人気を誇った。

写真=BBM
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