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阪神・ロハスが覚醒の雰囲気 「このまま一軍に残してほしい」の声が

 

「降格候補」と見られていたが……


調子を上げてきた阪神・ロハス


 阪神に悩みのタネが生まれている。だが、これは矢野監督にとって「うれしい悩み」だろう。外国人枠を巡る問題だ。

 現在はロベルト・スアレスアルカンタラサンズロハス・ジュニアが一軍に登録されている。さらに、8月26日のDeNA戦(京セラドーム)で現在登録抹消中のガンケルが先発予定で、今季の一軍外国人登録枠の「5」が埋まる。ただ、ファームにジェフリー・マルテが控えている。前半戦に打率.284、16本塁打、46打点と主に三番で活躍。リフレッシュ休暇でドミニカ共和国に一時帰国して再入国後二軍で調整しているが、心身のコンディションは整っている。ただ、そこで外国人枠の問題で1人落とさなければいけない。

 当初はロハスが「降格候補」と見られていた。昨季韓国リーグで打率.349、192安打、47本塁打、135打点で本塁打王、打点王の打撃2冠、シーズンMVPを獲得。シーズン前は打線の核として期待されたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う入国制限で開幕後に来日して苦しんだ。デビューから20打席連続無安打の球団外国人野手のワースト記録を更新。5月18日のヤクルト戦(甲子園)でデビュー22打席目に来日初安打初アーチを放つなど2安打をマークしたが、その輝きが持続しない。直球に強いローボールヒッターとして定評があるが、緩い変化球にタイミングを崩されてバットが空を切る場面が目立った。2度のファーム降格を味わい、前半戦終了時点で打率.098、1本塁打、3打点。マルテ、サンズが好調な中、物憂げな表情でベンチに座るロハスの姿が見られた。

 だが、東京オリンピック開催による1カ月のペナントレース中断を経て見違える姿に変身した。日本の投手の配球に対応し、両打席から力強い打球が見られるように。8月21日の中日戦(バンテリン)で来日初の猛打賞。2回一死一塁で左翼フェンス直撃の二塁打を放つと、4回もロドリゲスの154キロの速球を左中間へはじき返す二塁打と打席の内容がいい。6回も左腕・福敬登から左前打を放った。翌22日の同戦では、右打席で左腕・小笠原慎之介の直球を逆方向の右中間スタンドに運ぶ先制3号ソロ。カメラに向かってマッスルポーズを披露した表情に自信がみなぎっていた。後半戦は9試合で打率.313、2本塁打、5打点。大山悠輔、サンズが打撃不振にあえぐ中、佐藤輝明とともに打線の核になっている。

ボールの見極めができるように


8月22日の中日戦で右中間席へ3号ソロをたたき込んだ


 阪神ファンからは「マルテを一軍に上げてもロハスは残してほしい。今の阪神打線で期待できる数少ない選手だから」、「ロハスは左右両打席でバットが振れている。今の状態なら一軍に残して、サンズをリフレッシュさせるために1度二軍に落とした方がいいと思う」などのコメントがネット上で見られる。

 他球団のスコアラーは「来日当初は何でも振りにいっていたのが、今はボール球をきっちり見逃せるようになった。逆方向にも長打を打てるので外角一辺倒というわけにもいかない。日本野球に慣れてどんどん調子を上げてくる可能性がある。阪神打線のキーマンになると思います」と警戒を強める。

 マルテ、サンズ、ロハス、スアレス、アルカンタラ、ガンケルと6人の外国人をどう起用するか。矢野監督の手腕が注目される。

写真=BBM
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