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増井浩俊、酒居知史、N.マルティネス…パ・リーグ6球団 “戦力となっている”移籍選手は?

 

8月20日、日本ハムから巨人へ電撃無償トレードが発表された中田翔が話題となったが、ユニフォームを変えた選手がチームの大きな力となることはよくあることだ。果たして、現在“戦力となっている”移籍選手は誰なのか。パ・リーグ各球団で探ってみた。
記録は8月27日現在

オリックス・バファローズ



 2017年オフに日本ハムからFA加入した増井浩俊。抑えに強いこだわりを持つ右腕と、同年に守護神・平野佳寿がメジャー移籍したチーム事情が合致して入団に至り、移籍初年度の18年に35セーブと役割を全う。翌19年も6月まで13セーブを挙げる働きも、徐々に痛打を浴びる試合が増えて、中継ぎに配置転換。昨季途中からは先発に転向と、役割は変わったが、与えられた働き場で腕を振っている。今季も先発ローテーションに入り3勝を挙げ、後半戦からは「第2先発」としてロング救援に。若手の台頭が著しいチームだが、新たな芽が伸びるのは、37歳のベテランが奮闘して戦力の土台を築いているからこそだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 2019年オフに鈴木大地とともにロッテから加入した酒居知史。ただ、FA移籍の鈴木大とは違い、自身は楽天からロッテへFA移籍した美馬学の人的補償と、当時は陰に隠れた存在だった。それでも移籍2年目の今季、チームを支える強力ブルペン陣の一角として存分に力を発揮している。今季はここまでクローザーの松井裕樹宋家豪に次ぐチーム3位タイの38試合に登板し、22ホールドはチームトップでリーグでも上位争いを演じている。松井が右太ももを痛めて登録を抹消されたため、代役クローザーは宋が務めることに。7、8回を任される酒居の働きぶりが、これまで以上に大事になりそうだ。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・国吉佑樹


 今年6月にDeNAからトレードで最速161キロを誇る国吉佑樹を獲得。ブルペンの強化に乗り出し、昨季もシーズン途中に巨人からトレードで獲得した澤村拓一(現レッドソックス)と同様に、セットアッパーの期待を寄せた。ただ、移籍直前に左ワキ腹に違和感を覚えており、移籍後初登板は後半戦に入ってから。8月14日のオリックス戦(ZOZOマリン)で、ロッテのユニフォームを着て登板を果たすと、ここまで6試合に登板。最速156キロとスピードは健在で、制球力に不安を残すも勝ち継投入り。21日のソフトバンク戦(PayPayドーム)では益田の連投回避で自身6年ぶりのセーブを記録。27日の楽天戦(楽天生命パーク)では同点の7回を無失点に抑え直後に味方が勝ち越し勝利を手にするなど、存在感を示しつつあり、逆転優勝へ大事な戦力となっている。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・N.マルティネス


 千賀滉大東浜巨が開幕に出遅れ、千賀はその後、左足首のじん帯損傷で長期離脱。開幕先発ローテーション入りした高橋礼らも調子が上がらないという厳しい状況を救ってくれたのが、昨季まで日本ハムに所属していたN.マルティネスだった。新型コロナの影響で来日に時間を要し、一軍に合流したのは5月。しかし、そこから後れを取り戻すように勝利を重ねた。前半戦11試合登板、7勝2敗、防御率2.03はチームトップの成績。東京オリンピックではアメリカ代表として銀メダルに貢献し、決勝では日本を苦しめるナイスピッチングを見せた。ソフトバンクでバッテリーを組む甲斐拓也は「状態に合わせて変化をつけて、それに対応できるのがマルちゃんの素晴らしいところ」と、オリンピックを通じてあらためて助っ人右腕のすごさを痛感。後半戦のパフォーマンスにも太鼓判を押す。登板試合で味方打線が得点を奪うと、ベンチで人一倍喜びを爆発させるマルティネスにいる。チーム愛を全身全霊で表現してくれるマルちゃんと、逆転V、日本一を一緒に喜びたい。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・池田隆英


 新型コロナ禍で外国人選手の来日が遅れ、開幕直前まで定まらなかった先発ローテーションの一角を埋めたのが、2月27日に横尾俊建との交換トレードで楽天から移籍した池田隆英だ。開幕先発ローテーション入りをつかむと、3月28日の楽天戦(楽天生命パーク)では古巣相手に3年ぶりの一軍登板を果たした。4月13日の西武戦(メットライフ)では6回を3安打1失点の好投で2018年以来の勝利。6月12日のDeNA戦(札幌ドーム)では念願の本拠地初勝利で3勝目を挙げたもののそれ以降は勝ち星がなく3勝9敗。後半戦初登板は第2先発を務めたが、続く27日の西武戦(メットライフ)では先発。体がつりそうになり、5回先頭打者に安打を浴びたところで降板したが3安打1失点の好投を見せた。楽天時代には戦力外通告も味わった右腕が、新天地で欠かせない戦力となっている。

埼玉西武ライオンズ


西武・公文克彦(球団提供)


 2018年、開幕直前に阪神からトレード移籍で西武の一員となった榎田大樹は同年、11勝を挙げて10年ぶりの優勝に貢献したが、その後は成績が右肩下がりに。19年は4勝、20年は1勝に終わり、今季は5月18日の二軍戦でライナーを左指に受け、同28日に手術を受けて実戦復帰まで3カ月の見込みと発表された。そのほか18年シーズン途中に中日から金銭トレードされた小川龍也は19年に55試合登板で連覇に貢献。しかし、今季はここまで5試合の登板のみ。今年8月上旬には木村文紀佐藤龍世との交換トレードで公文克彦、平沼翔太が日本ハムから加入。平沼は現在一軍でヒットも放った。公文は8月26日のイースタン・日本ハム戦(CAR3219)で初登板。7回の1イニングを無失点に抑え、「初登板でしたが、緊張感なく投げることができたと思います」と笑顔。貴重なリリーフ左腕だけに、今度に期待したい。

写真=BBM
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