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「最年長四番」「打率3割」「OPS.900超え」落合博満が巨人時代に記録した40代での大記録

 

 巨人は2021年8月20日、巨人が日本ハム中田翔を無償トレードで獲得したと発表。巨人は過去にも球界を代表する打者を数多く獲得してきたが、その筆頭といえるのが1993年にFAで加入した落合博満だ。ロッテでは三度の三冠王、中日でも数々の打撃タイトルを獲得した名選手だが、巨人加入時はすでに40歳。しかし、40歳を超えてなお、落合は偉大な記録を残した。今回は、落合が巨人時代に記録した「40代での大記録」を紹介する。

三度の三冠王は40歳を超えても怪物だった


巨人・落合博満


●巨人史上最年長での四番打者

 落合は加入1年目の1994年から、退団する1996年までの3年間、計331試合で四番打者(第60代四番打者)を務めた。このうち、1996年は43歳になる年(落合は12月生まれ)だったが、変わらず四番打者(松井秀喜シェーン・マックが四番に座ることもあったが)として活躍。43歳になる年での四番は巨人史上最年長だ。それだけ落合は特別な存在だった。ちなみに、最年少記録保持者は川上哲治で、1939年に19歳で巨人の四番を任されている。

●史上最年長での3割達成

 1996年の落合は、打率.301、21本塁打、86打点と年齢を感じさせない成績を残した。実は43歳になる年で3割に到達した選手は落合のみ。1991年には門田博光が、同じく43歳で18本塁打と活躍したが、打率は.264で3割には到達していない。2000年以降では、宮本慎也金本知憲が40代で3割を記録しているが、43歳になる年での達成は後にも先にも落合ただひとりだ。

●43歳で規定打席到達

 落合は巨人3年目の1996年に106試合に出場し、448打席で規定打席に到達。43歳になる年での規定打席到達は、1991年の門田博光に続き史上2人目。セ・リーグでは初となる快挙だった。40歳、41歳での規定打席到達選手はそこまで珍しくないが、43歳では途端にハードルが上がり、落合以降は誰も達成できていない。ちなみに、落合は日本ハムに移籍した1997年にも規定打席に到達しており、44歳になる年での到達は史上最年長。巨人時代にも偉業を達成したが、日本ハムではそれを上回る快挙を成し遂げている。

OPSも43歳とは思えない数字


●43歳でOPS.900超え

 1996年、43歳になる年で落合が記録したOPS(出塁率と長打率を足し合わせた値)はなんと.924。規定打席に到達した打者では、松井秀喜に次いでチーム2番目に高い数字で、43歳になる年でのOPS9割超えは史上最年長となる。今季、巨人の四番として本塁打と打点でリーグトップを走る岡本和真はOPS.935。1996年の落合とそこまで変わらない数字だ。そう考えると、43歳でOPS.924を残したのがどれほどすごいのかがか分かるだろう。


 落合が巨人時代に記録した40代での偉業をピックアップして紹介した。トレーニングの発達により、プロ野球の世界も選手寿命が伸びてきたが、それでも40歳を超えると活躍するのは簡単ではない。特に打者は40歳以上になると好結果を残すのが難しくなる。そんな中、落合は40歳を超えてなお偉大な記録を残し続けた。落合のような数字を残すのは簡単ではないが、最年長の福留孝介などベテラン勢には、ぜひとも若手に負けない活躍をしてもらいたいものだ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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