3年前に創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。バックナンバーを抜粋し、紹介する連載を進行中。いろいろあってしばらく休載しましたが、今後は時々掲載します。 アトムズにお別れ
今回は『1973年5月28日号』。定価は100円。
ヤクルトがサンケイ時代の1966年から親しまれていたアトムズからジャガーズにニックネームを変更することを明らかにした。
特許庁に類似のものがないか確認中。ハワイ出張中の松園オーナーの帰国を待って決定し、株主総会を経てオールスター明けから使用の予定という。
アトムズは、もちろん手塚治虫の人気漫画『鉄腕アトム』から来たものだが、実は袖口など、ごく限られた場所の使用だけを許可してもらっていた。
それがいつの間にかタオルやバット、文房具とありとあらゆるものに使用し始め、手塚側からクレームがついていたという。
前年、日中国交正常化により、中国から上野動物園にパンダ2頭(カンカン、ランラン)が贈られ、空前のパンダブームとなっていたこともあり、球団では当初『パンダーズ』が有力だったというが、かわいいけど、動作が鈍くスピード感に欠けるということでジャガーズが採用された。
「せっかくファンの方々にアトムズというニックネームを親しんでもらっているのに変更は残念です。まだ正式に決まったわけではありませんが、ジャガーズになった場合はアトムズに増してよろく」
と佐藤球団社長は話していた。ジャガーズよりパンダーズのほうがいい気がするが、いかがか。
では、また。
<次回に続く>
写真=BBM