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正捕手定着の広島・坂倉将吾に「阿部慎之助2世。首位打者狙える」の声が

 

新人時代から定評のあった打撃



 次世代の「天才打者」として卓越した打撃センスを見せているのが広島の高卒5年目・坂倉将吾だ。9月7日の中日戦(マツダ広島)で2点差に迫った9回二死一、二塁の好機で、R.マルティネスの直球を右翼席へ運ぶ10号逆転サヨナラ3ラン。お立ち台で「(鈴木)誠也さんが調子良いので絶対に回ってくると思っていたので、何とかしてやろうと思っていました」と充実した表情を浮かべた。この試合で規定打席に到達し、リーグトップの打率.332、10本塁打、47打点。四番・鈴木誠也の後を打つ「不動の五番」に君臨している。

 坂倉の高度な打撃技術は日大三高の時から各球団のスカウトに高く評価されていた。在学中に甲子園出場はならなかったが、1年秋に外野のレギュラーで四番に抜擢されると、2年秋から正捕手に。強肩強打の左打者として注目され、広島にドラフト4位で入団した。

 高卒1年目の2017年から大器の片鱗を見せている。ウエスタン・リーグで99試合出場し、リーグ2位の打率.298、1本塁打をマーク。一軍昇格も果たし、9月30日のDeNA戦(マツダ広島)で田中健二朗からプロ初安打となる2点中前適時打を放った。球団の高卒新人捕手がプロ初安打をマークしたのは、1965年の衣笠祥雄以来2人目の快挙だった。

 球団OBで坂倉と現役時代にプレーした経験がある野球評論家の新井貴浩氏は、週刊ベースボールのコラムでこう振り返っている。

「坂倉は『バッティングがいい』という前評判で、初めて見たときから本当にバッティングのセンスが光っていました。どちらかと言うと真っすぐよりも変化球を打つのがうまいという印象。最初からどんどんと振りにいけていましたし、また、坂倉は(中村)奨成と比べると入ったときからある程度体もできていたので、スイングにも力があった。2、3年したら出てくるんじゃないかなと思って見ていました。実際、年数を重ね、一軍経験を積んでいくうちにプロの投手のボールにも対応できるようになって、真っすぐもしっかりはじき返せるようになりましたよね。昨季あたりから、その印象がすごく残っています。一軍投手の力強い真っすぐにも負けないバッティング。坂倉の良さが磨かれています」

 その後も年々試合数を積み重ね、昨季は81試合出場で打率.287、3本塁打、26打点をマーク。曾澤翼に次ぐ「第2捕手」として47試合で先発マスクをかぶった。今季は開幕スタメンを逃したが、曾澤が故障で戦線離脱すると先発マスクの出場機会が増えていく。打撃力を生かして一塁でもスタメン出場している。

逆方向にも飛ばす強い当たり


9月7日の中日戦で逆転サヨナラ3ランを放ち、歓喜の表情でホームイン


 坂倉の強みは対応力の高さだ。昨季は左投手に対して打率.216と苦手にしていたが、右足を若干開いた構えに変えたことで、踏み込みが鋭くなり広角に安打を飛ばせるようになった。今季は対左投手の打率.357と得意にしている。

 他球団のスコアラーも坂倉を警戒する。

 「もともと打撃センスは非凡なものがあった。バットにボールを当てるコンタクト能力が高く、下半身がどっしりしているから緩急にも崩されず、逆方向にも強い打球を飛ばせる。同じ捕手の阿部慎之助さん(現巨人二軍監督)の現役時代に近いですね。大崩れしない打撃なので首位打者争いの常連になると思います」

 23歳で首位打者を獲得すれば球団最年少で、捕手では球団初の快挙となる。ただ、チームが下位に低迷している現状で、野球にストイックな姿勢で知られる坂倉はチームの勝利に貢献することしか眼中にないだろう。飽くなき向上心で、球界を代表する「強肩強打の捕手」を目指す。

写真=BBM

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