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リチャード、来田涼斗、渡部健人…パ・リーグ6球団「次世代主砲候補」の現在地は?

 

シーズン終盤に入ったペナントレース。優勝、クライマックスシリーズ進出に向けて厳しい戦いの日々が続くが、一方でチームの未来図を描くことも重要なことだ。例えば将来、クリーンアップに座ることを期待される若きスラッガーたち。彼らは今、どのような状況に置かれているのか。パ・リーグ6球団の「次世代主砲候補」の現在地を探る。
記録は9月10日現在

福岡ソフトバンクホークス



 期待の大砲が、一軍で大暴れしている。パワーあふれる打撃で入団当初から注目されていたリチャード。王貞治球団会長も一目置き、「飛距離は柳田悠岐以上」とさえ言われていた。育成契約3年目の2020年3月に支配下登録。ただ、力強いスイングを見せる一方、確実性に乏しく、支配下1年目は一軍昇格を果たすことはできなかった。課題克服に春季キャンプではたくさんの振り込みを行い、ファームの実戦で腕を磨いた。そして今季、ようやくチャンスは巡ってくる。なかなか調子の上がらない一軍攻撃陣に新風を吹かせるべく、9月2日に出場登録されると、待望のプロ1号はリチャードらしさ全開の豪快な満塁ホームラン! このパワーで将来、ソフトバンクの強力打線を背負ってくれるはずだ。

千葉ロッテマリーンズ



 安田尚憲藤原恭大山口航輝ら、一軍で結果を残す若手も数多い中で、将来が楽しみなのが、今季のドラフト5位ルーキーの西川僚祐だ。8月31日のイースタン・DeNA戦(横須賀)からはファームで四番に座るなど、チームの期待を感じさせる19歳。8月26日のイースタン・日本ハム戦(ロッテ浦和)で2号アーチをかけ、東海大相模高で高校通算55本塁打を放った持ち前の長打力を発揮しつつある。武器を生かす果敢な姿勢も光るのは何も好結果だけではなく、前述の四番デビュー戦では3三振を喫するも、すべて“空振り”だ。「見逃しはダメですけど、空振りは次に生かせることもある」と経験を飛躍の肥しとし、一軍デビューへ向けて牙を研いでいる。

オリックス・バファローズ



 高卒1年目ながら早くも芽を出しつつあるのが来田涼斗だ。前半戦終盤の7月13日に一軍初昇格を果たすと、同日の日本ハム戦(釧路)で高卒新人史上初となるプロ初打席初球本塁打のド派手なデビュー。その衝撃弾が象徴するように思い切りの良さが何よりの魅力で本人も「フルスイングは貫いていきたい」と口に。身長180センチ、体重85キロの体格も高卒新人とは思えず、果敢な姿勢も期待感をふくらませる。9月8日のロッテ戦(ほっと神戸)の守備では勝ち越し点につながる手痛い失策も「はね返すしかない」とバットに期待するのは吉田正尚の離脱に伴い、スタメン抜てきの起用にも表れる。“ポスト吉田正”を託される18歳が未来をも明るくする。

埼玉西武ライオンズ



 身長176センチ、体重118キロの巨漢大砲がイースタンの二冠王を突っ走っている。今季、桐蔭横浜大からドラフト1位で入団した渡部健人。一軍昇格即スタメンとなった4月4日のソフトバンク戦(PayPayドーム)では6回に和田毅のカーブを左翼席に運ぶプロ初安打初本塁打をマーク。しかし、一軍投手のストレートのキレについていけず、その後は安打が出ずに4月19日に一軍登録抹消。二軍では打撃フォーム固めに腐心した。ここまでイースタンでリーグトップの18本塁打、61打点。四番も任されるようになり、得点圏では3割4分超と勝負強さも兼ね備える。イースタンでしっかりと二冠を獲得し、次世代主砲への道を突き進む。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 現在の主砲である浅村栄斗の後継者育成が急務となっている。決め手を欠くのがチームの現状を物語っているわけだが、その中で近い位置にいるのが高卒8年目の内野手、内田靖人だ。2018年に自身初の2ケタ本塁打となる12本塁打をマークし、ブレークの兆しを見せたものの、その後は再び低迷。今季は一軍で25試合に出場し、本塁打はわずか1本と寂しい結果となっている。イースタン・リーグではここまで7本塁打を放っているが、チームでは4位タイの数字。一軍昇格をアピールするには明確な数字が必要だ。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・野村佑希


 高卒3年目の21歳ながら、野村佑希はもはやチームの将来を背負う主砲“候補”から、主砲になってもらわなければ困る存在になっている。長年四番を務めてきた中田翔が電撃移籍でチームを去り、新・四番確立が急務となった。その中田が移籍した翌日の8月20日楽天戦(札幌ドーム)では、田中将大安樂智大からプロ初の1試合2本塁打をバックスクリーンへとたたき込んだ。初の四番に抜擢された25日のロッテ戦(札幌ドーム)では、一時勝ち越しの2点適時打を放つなど勝負強さも披露。コンスタントに安打を量産し打率3割近辺をキープする一方で、下半身を意識した打撃によって持ち味の長打力もスケール感を増した。若き大砲の進化は止まりそうもない。

写真=BBM
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