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吉田輝星、井上朋也、渡部健人…パ・リーグ6球団 来季活躍しそうな「ファーム選手」は?

 

優勝争い、クライマックスシリーズ進出争いが佳境を迎えているペナントレースの一方、ファームで爪を研いでいる若手がいる。果たして来季、活躍しそうなファーム選手は誰か。パ・リーグ6球団で有望な若手をピックアップする。
記録は9月17日現在

北海道日本ハムファイターズ



 野手では、高卒3年目の万波中正、ルーキー・五十幡亮汰らが、すでに一軍でも実力の片鱗を見せているが、投手陣でいえば来季期待度No.1は吉田輝星だろう。8月はイースタンで3試合に先発、19イニングに登板してリーグトップタイの3勝をマーク、プロ3年目で初のファーム月間MVPを受賞した。今季はキャンプを一軍スタートし、先発ローテーション入りも期待されたが、4月2日のロッテ戦(札幌ドーム)に先発し2回7失点(自責点2)で降板。以降は一軍登板ゼロながら、二軍で地道な努力を積み重ね、持ち味であるストレートの精度アップに取り組んだ成果も表れてきた。甲子園を沸かせたあの直球が、一軍の舞台で再び輝きを放つ日も近い。

オリックス・バファローズ



 着実に経験を積んでいるのがドラフト2位ルーキー・元謙太だ。7月20日のウエスタン・中日戦(ナゴヤ)では、4回に松葉貴大から左翼席後ろの防球ネットを直撃する特大弾。中京学院大中京高(現中京高)2年夏の甲子園では満塁弾を放つなど、長打力も光る19歳は、外野手として入団も本人の意向もあって内野を守るなど“大型内野手”としての期待大。8月31日のウエスタン・中日戦(オセアンBS)では2対2で迎えた9回一死三塁の好機で、マルクが投じた145キロの直球をはじき返してサヨナラ打と放つなど、勝負強さも見せる。チームトップのファーム出場102試合。一軍では同期・来田涼斗が躍動中だが、背番号27の一軍デビューも楽しみだ。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・森遼大朗


 オフに2ケタ背番号を手にする可能性が高いのが、高卒4年目の育成右腕・森遼大朗だ。1年目は左ヒザ、2年目は右ヒジの故障も「自分と向き合えるいい時間だった」と、成長の糧にし、昨季から登板を多く重ね、今季は大きく飛躍。イースタントップの9勝を挙げている。投球の幅を広げたのはフォークで、「一番、頑張らなくてもいい球種」と美馬学からの助言を受けて、「落とそうという意識がなくなった」と力感が取れたことで、ボールが安定した。内角を突く直球に、カーブ、スライダーも織り交ぜ、打者を翻ろうし、7月20日のイースタン・日本ハム戦(鎌ヶ谷)では完封勝利も挙げている。次代の先発ローテ候補に割って入る存在なのは、間違いない。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 ドラフト2位ルーキーが迎えた待望のデビュー戦は、あっという間に暗転した。6月26日のソフトバンク戦、本拠地・楽天生命パークでプロ初登板初先発のマウンドに上がり、その16球目だった。初回に先制を許し、なお二死三塁の場面、真砂勇介への2球目が抜けて頭部へ直撃。球審から危険球退場を告げられた。ここまで一軍登板はこの試合を含めて3試合のみ。今はファームで実戦登板を重ねる日々を送る。全18試合のうち、ほとんどが先発で、99回2/3を投げて85奪三振、防御率3.16の成績を残している。同期入団で1位の早川隆久は一軍ですでに8勝をマーク。来季こそは一軍でこの左腕と肩を並べるような成績を目指す。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・井上朋也


 昨秋のドラフト会議からもうすぐ1年。常勝軍団に1位指名された井上朋也は、ルーキーイヤーから着実に成長を見せている。高卒ルーキーにとっての主戦場は三軍だが、その三軍では早くも四番を務めている。新人離れした堂々たるスイングは、二軍でも健在。ここまで38試合に出場して打率.282。ホームランも3本記録している。後半戦からは三塁を守ることも増え、期待された“松田宣浩の後継者”としての道を歩む。東京五輪中断期間中のエキシビションマッチでは“PayPayドームデビュー”も果たすなど、一軍首脳陣も気に掛ける存在だ。このままの勢いなら来季、一軍のベンチに名を連ねる可能性もゼロではない。そして数年後、今よりも強くなったホークスの中心に井上朋也が座る。

埼玉西武ライオンズ



 今季ドラフト1位で入団した巨漢スラッガー・渡部健人に来季、主軸として一軍で猛打を振るうことが期待される。一軍初昇格即スタメン出場を果たした4月4日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で和田毅のカーブを左翼席にたたき込み、プロ初安打を本塁打で飾った渡部。だが、一軍でのヒットはその1本のみ。4月19日に二軍落ちしたが、イースタンで強打を発揮した。ここまでリーグトップの18本塁打、62打点をマーク。山川穂高も1年目にイースタンで21本塁打、62打点を挙げて本塁打王に輝いていたが、チームの先輩を超える“2冠王”を獲得して、来季は一軍で真価を発揮したい。

写真=BBM
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