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中野拓夢、栗林良吏…ルーキーで個人タイトル獲得が目指せそうなのは誰?

 

 今季は例年以上にプロ1年目ルーキーが注目されている。投打に魅力ある選手が多くおり、実際に個人成績上位に食い込んでいるルーキーも少なくない。では、終盤戦に差し掛かった今、「1年目ながら個人タイトル獲得が目指せそうなルーキー」は誰がいるのだろうか?
※成績は9月18日現在

阪神の中野は新人での盗塁王獲得なるか



●最多盗塁…中野拓夢(阪神)

「1年目ルーキーによる個人タイトル獲得」に最も近いのが、現在セ・リーグ盗塁ランキングのトップを走っている阪神のルーキー・中野拓夢だ。三菱自動車岡崎からドラフト6位で入団した中野は、春季キャンプから存在感を示し、開幕一軍入り。4月10日のDeNA戦で初スタメンを勝ち取ると巧打と高い走力でレギュラーの座を不動のものにした。

 以降、中野はスタメンで起用され続け、現在までに105試合に出場して打率.276、1本塁打、29打点をマーク。盗塁はリーグトップの22で、2年連続盗塁王の同僚・近本光司とはわずか1盗塁差と、激しいタイトル争いを繰り広げている。9月に入ってからまだ盗塁0なのが気がかりだが、タイトル獲得の期待は大きい。


●最多セーブ……栗林良吏(広島)

 セ・リーグでは、広島の抑え・栗林良吏に最多セーブタイトル獲得の期待がかかる。開幕2戦目に抑えに初起用された栗林は、三者凡退で見事に起用に応えると、そのまま守護神に定着。栗林の魅力はなんといっても「安定感の高さ」で、開幕から22試合連続無失点という、新人投手としての日本記録を樹立。残念ながら6月13日のオリックス戦で初失点を喫し、記録はストップするも、そこで崩れないのが栗林の強さ。再び安定感のある投球を続け、ここまで40試合に登板してわずか2失点。防御率0.45と、驚異的な数字を残している。

 現在、セ・リーグのセーブランキングは阪神のロベルト・スアレスが32セーブでトップを走っており、栗林は24セーブで2位。スアレスとの差は8セーブと大きく、チームが不調なこともあり登板機会が少ないのも痛い。しかし、まだまだ逆転の可能性を残しており、今後次第ではまだ分からない。現行の選定方法となってから初となる「ルーキーのセーブ王」も夢ではないだろう。


●最多勝……伊藤大海(日本ハム)

 開幕からここまで不振が続く今季の日本ハムだが、投手陣はチーム防御率リーグ2位と踏ん張っている。その投手陣を支えるひとりが、ルーキーの伊藤大海だ。昨年のドラフトで1位指名を受け、日本ハムに入団した伊藤。開幕から先発陣の一角を任され、「プロ初登板から23イニング連続奪三振」というNPB記録を樹立するも、勝ち星のつかない試合が続いた。4月28日のソフトバンク戦でプロ初勝利を挙げると、交流戦では3勝をマークする活躍を見せた。

 前半の活躍を受け、東京オリンピックの日本代表にも選出され、準決勝・決勝で好投して金メダルに貢献。後半戦は失点する場面が増えたが、粘りの投球で8月、9月と4試合に先発して2勝1敗をマークしている。ここまでの成績は17試合で9勝5敗、防御率2.59。リーグトップのオリックス・山本由伸とは5勝差あり、最多勝を狙うにはかなり厳しい状況だ。しかし、1年目とは思えない落ち着きが伊藤の魅力。打撃陣の援護も必要ではあるが、勝ち星を少しでも伸ばしていってもらいたい。

惜しかった西武・若林楽人


 ほかにも目立った活躍を見せている選手はいるが、いずれもタイトル獲得は厳しそうだ。例えば、阪神の佐藤輝明が、残り試合で20本塁打をマークするといった驚異的な活躍を見せれば分からないが、可能性は低いだろう。惜しいのが西武のルーキー・若林楽人。5月までの序盤で20盗塁とダントツの数字を残していたが、5月20日に負傷して離脱。今季中の復帰は絶望で、セパの両方が同時にルーキーの盗塁王誕生はかなわないだろう。

 今季も残り約30試合。果たして今回挙げた3人は1年目ながら個人タイトル獲得となるのだろうか。ぜひ彼らのプレーに注目してもらいたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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