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【終盤戦四番採点】ソフトバンク60点、オリックス90点、ロッテ80点…パ・リーグ6球団「四番」の評価は?

 

シーズンも残り約30試合となっているが、打線の中心に座る四番打者は1年を通して機能したのだろうか。パ・リーグ6球団の「四番」の評価はいかに? 100点満点で採点した。
※記録は9月20日現在

福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク 60点

 離脱して以降、チームはY.グラシアルの大きさをあらためて痛感することとなる。来日4年目で通算長打率.512に加え、同出塁率.350。同得点圏打率は.282ながらも、2019年の日本シリーズなどここ一番の勝負強さは四番を任せるにふさわしい。また、柳田が自ら希望する三番で伸び伸びとプレーできるのも、グラシアルが四番にハマってこそ。だから、一時的な離脱はやむを得ないとしても、長期離脱は避けたかった。だが、9月20日現在、グラシアルの復帰メドは立たず。攻撃陣の物足りなさは否めない。それでも、代わって四番に座る柳田に然り栗原陵矢に然り同日現在、四番打者での打率はともに.288と決して悪いものではなく、苦しいチーム状況の中でも先頭に立って健闘。特に栗原は昨季の経験を経て、頼もしく成長を続けている。問題はどういった形で四番を打席に迎えるか。打線のつながりがものを言う。

オリックス・バファローズ



オリックス 90点

 実力で、その座をつかみとった。プロ6年目の30歳にして自身初の開幕スタメンを勝ち取った杉本裕太郎だが、当初の打順は七番。抜群の長打力に加え、右方向へも軽打を放つなど確実性もアップすると次第に打順が昇格し、4月下旬から四番に定着した。ただ、本人の意識は「四番ではなく、(吉田)正尚の後ろ。アイツは、いつも塁にいますから」と話していたように、吉田正尚との三・四番コンビで得点力がアップ。リーグトップの27本塁打、同3位の72打点と、ポイントゲッターに成長した。だが、9月に入り、吉田正が故障離脱。杉本に対するマークは増すばかりだが、それでも9月だけで6本塁打、打率.310とお構いなし。逆転優勝へ、四番が打線をけん引する。

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ 80点

 開幕3戦目からは二番に座っていたが、藤原恭大の台頭もあって6月末から四番へ。ただ、打力は変わらず。打席では「ボールをしっかり見て打つことだけさ」と言う助っ人は、ZOZOマリンの外野席上部の照明等に直撃する、あわや場外弾を放つなど、パワフルな打撃を披露。現在、リーグ3位の25本塁打を放っている。さらに相手の守備陣形を見て、意表を突くセーフティーバントを敢行するほか、スキあらば一塁走者でもタッチアップで次塁を狙うなど、野球センスが光る。9月14日には発熱で一時登録抹消も、18日から復帰して四番に。今季のチーム計501得点はリーグトップ。足や小技を絡めた攻撃力で、巧みに1点を奪う打線の中心に座り、悲願の優勝へ突き進む。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天 80点

 主砲・浅村栄斗と入れ替わる形で、シーズン途中から四番に座っている。9月19日のソフトバンク戦(楽天生命パーク)では決勝2ランを放ち、今季18号目と自身初の20本塁打をはっきりと視界にとらえた。そして、特筆すべきはその勝負強さだ。ここまでの打率.260はパ・リーグ18位に過ぎないが、85打点は同トップの数字。「自分の中では勝負弱いと思っている。すみません」と言うが、真に受けるファンはいないだろう。9月に入り3試合連続本塁打をマークするなど、本来の調子を取り戻してきた浅村とともに、得点力アップに貢献する。

埼玉西武ライオンズ



西武 50点

 今季は開幕から山川穂高が四番に座ったが、ケガのため4試合で離脱。その後、74試合と大半の試合でスタメン四番として出場しているのが20年目の中村剛也だ。状況によって軽打を見せる進化した打撃スタイルで得点圏打率は.330をマーク。勝負強さを発揮しているが、38歳の大ベテランが打線の中心を担う現状はチームの将来を考えるとベストとは言えないから高得点は与えられない。本来なら2018、19年の連覇時に四番を務めた山川が務めるべき役割だ。だが、オーバースイングが目立ち、得点圏打率.182とチャンスに弱い打撃では任せることができない。来季以降、誰が四番として打線を牽引していくか、大きな課題となっている。

北海道日本ハムファイターズ



日本ハム 50点

 不動の四番だった中田翔巨人へ移籍。今季、主軸は不在だがここまで近藤健介が最多の49試合で四番を務めている。四番での成績は打率.278、3本塁打、31打点。パワー不足は否めないが、70四球の選球眼で出塁率は4割を超え、2年連続最高出塁率のチャンスメーク力は健在だ。9月11日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で守備の際、フェンスに激突し脳しんとう特例措置で登録抹消されたが、18日に復帰した。23試合で四番を打つ王柏融は、15日の西武戦(メットライフ)で日台通算99号となるチームトップの8号を放ち全打点をたたき出すなど、来日3年目で一番の活躍を見せている。3年目の野村佑希も6試合で四番を務め、次世代の主砲が成長真っ只中だ。

写真=BBM
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