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三番で輝く丸佳浩とチャンスメークの松原聖弥…巨人の中堅レギュラーに定着するのはどっち?

 

当初の構想と違う形のスタメン


巨人・丸(左)、松原


 逆転でのリーグ優勝を狙う巨人だが、当初の構想と違う形でスタメンが組まれている。坂本勇人岡本和真とともに主軸として期待された丸佳浩が打撃不振により、今月はスタメンを外れる機会が増えた。一方で成長著しい松原聖弥が中堅の定位置を奪おうとしている。中堅・丸、右翼・松原で同時出場することがあるが、右翼の守備力が高いハイネマンの打撃の状態が上がってくれば、丸と松原で中堅の一枠を争うことになる。丸が意地を見せてレギュラーを再奪取するか、松原がセンターラインの中心となるか――。2人の活躍が巨人の命運を握ることが間違いないだろう。

 丸は広島でレギュラーに定着した高卒4年目の2011年以降、ここまで苦しんだシーズンはないだろう。開幕して間もなく、新型コロナウイルスに感染したことが判明して戦線離脱。4月23日に復帰したが、打撃の調子が上向かず6月5日に故障以外で9年ぶりにファーム降格する。6月18日に一軍復帰以降は調子を取り戻し、打率.227から前半戦終了時は打率.290と2カ月で6分以上上げた。東京五輪の中断期間を経て、後半戦の爆発が期待されたが、8月は月間打率.196、5本塁打、11打点と下降線に。9月になっても本来の丸の状態には程遠い。スタメンを外れ、代打や守備固めでの出場機会が増えている。

 打撃不振の丸の穴を埋めることで首脳陣の信頼を勝ち取ったのが松原だ。アマチュア時代から名を轟かせていた選手が多い「エリート集団」の巨人で、異色の存在と言える。仙台育英高で3年夏はベンチ入りできず、甲子園ではスタンドから応援。明星大で内野から外野に守備位置を変え、2年春から5季連続ベストナインを獲得した活躍がスカウトの目に留まり、2017年に育成5巡目で巨人に入団した。

 外野の広い守備範囲と強肩に加え、打撃でも卓越したミート能力を誇る。その高い能力が認められるのに時間はかからなかった。18年7月に支配下昇格され、昨年7月に一軍デビュー。8月後半から「二番・右翼」のスタメンに定着し、86試合出場で打率.263、3本塁打、19打点とリーグ連覇に貢献する。今季も丸が戦線離脱した4月に「一番・中堅」で打線を牽引。5月下旬に梶谷が負傷で離脱すると右翼でスタメンの出場機会が巡ってくる。丸が打撃不振でファーム降格すると、再び中堅に。チームの窮地を救う活躍を見せている。

打線の中で重要なキーマン


 定位置を争う両選手だが、打撃での役割は違う。今年の丸は一、三、五、六、七番とさまざまな打順で起用されているが、最もしっくりくるのが三番だ。ほかの打順では打率が1割台に低迷しているが、三番では打率.305、12本塁打、32打点ときっちり結果を残している。広島時代から慣れ親しんだ打順であることも影響しているかもしれない。

 一方、松原は上位でチャンスメークの役割を担う。俊足を生かして一番で起用されることが多かったが、今月14日のDeNA戦(東京ドーム)から二番で7試合連続スタメン出場している。18日のヤクルト戦(神宮)では1点を追う9回一死一塁の好機でバントからバスターに切り替えたが左邪飛と走者を二塁に進められず、チームも敗戦。小技など緻密な役割を求められる打順でまだまだ課題は多いが、失敗を糧に成長するしかない。

 丸も松原も起用された時には打線の中で重要なキーマンとなる。22日の広島戦(マツダ広島)では「二番・右翼」松原、「七番・中堅」丸でラインアップが組まれ、松原は2安打3得点、丸は2安打3打点で13対0の大勝に貢献した。スタメンでの同時出場を含め、原辰徳監督の今後の起用法が注目される。

写真=BBM
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