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紅林弘太郎、小島和哉、三森大貴…パ・リーグ6球団「今季最も成長した選手」は誰?

 

若き力の成長はチームにとって大きな活力となる。シーズンも最終盤を迎えているが、パ・リーグ6球団で今季、最も成長を果たした選手は一体誰なのだろうか。チームに勢いを与えた男たちを取り上げる。
記録は9月24日現在

オリックス・バファローズ



 遊撃の開幕スタメンを託された高卒2年目、19歳の紅林弘太郎が、ここまで宗佑磨に次ぐチーム2番目の114試合出場。開幕当初は攻守ともにもろさは否めず、終盤の大事な場面での失策や、ここぞの決定打を欠いた。だが、試合後に中嶋聡監督と言葉を交わすことも多く、反省を生かして経験を力に変えていった。強肩が武器の遊撃守備は安定感が増し、打って7本塁打と思い切りの良さも。吉田正尚が故障離脱し、三番を託され、9月22日の日本ハム戦(京セラドーム)では二死満塁から外角球を逆らわず、右中間に運んで逆転の走者一掃三塁打を放って見せた。次代を担う大型遊撃手。同期の左腕・宮城大弥とともに、チームの顔となる存在だ。

千葉ロッテマリーンズ



 安定感が光る。9月19日に自己最多を更新する8勝目を挙げた小島和哉。投球内容が成長ぶりを示している。11日の楽天戦(ZOZOマリン)では、8回に被弾するも1失点完投。19日の日本ハム戦(札幌ドーム)では、内野ゴロを多く打たせてプロ初完封。「中継ぎの方を1人でも休ませられるように」と話した左腕が、直近2試合で18回1失点と抜群の安定感を見せている。初回の立ち上がりや、6回など中盤に痛打を浴びることが多かったが、走者を出しても慌てることなく低めに集めて凡打の山。丁寧かつストライク先行のテンポの良い投球で、イニングを稼いだ。ただ、目指すべきはまだ先。悲願の優勝へは2ケタ10勝を期す。

福岡ソフトバンクホークス



 首脳陣が「一番・二塁」定着を目論んだ周東佑京が不調&故障という“誤算”。それでもその穴を埋める形で三森大貴が出てきてくれたことは、チームにとって明るいニュースだった。6月4日に今季初昇格を果たすと、同月は出場20試合で打率.312。同月のチーム打率が.216だったのだから、三森が与えた影響の大きさは計り知れない。「自分のやるべきことをやるだけ」というスタイルを崩さない背番号68だが、選手層の厚いチームの中で試合に出続けることで、しっかりと経験を力に変えて攻守走で存在感を発揮。多少調子を落としても首脳陣はスタメンで使い続けていることが信頼の証しだ。そんな内野に後半戦から新たに加わった新戦力がリチャード。パワーが持ち味の背番号52もまた、起用に応える形でここまで4本塁打。勢いある若鷹に押されるように、チームは少しずつ本来の調子を取り戻している。


東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天・西口直人


 2016年秋のドラフト会議、支配下で一番遅い87番目、10位で指名を受けた右腕が西口直人だ。5年目の今季、目を見張るほどの「成り上がり」を見せている。今季の先発登板は7月5日のロッテ(ZOZOマリン)のみで、敗戦投手となっている。だが、現在の「主戦場」はそこではない。先発投手が早めに崩れた試合に二番手として登場し、ときにはロングリリーフもこなすなど、チームにとってありがたい存在だ。救援のみでプロ初勝利から4勝を挙げ、最近では勝ちパターンの7回を任されるなど、驚くべき早さで出世街道を走っている。将来的には先発の一角を狙える逸材と呼べそうだ。

埼玉西武ライオンズ



 恐ろしいまでの成長曲線を描いている。3年目の昨季、54試合に投げ、1勝0敗1セーブ、33ホールド、防御率1.87で新人王を獲得した平良海馬。今季はさらに投球が進化し、開幕から39試合連続無失点の日本記録を樹立した。今季はコントロールが安定。ストレート、スライダー、カットボール、チェンジアップを操るが、不利なカウントでどの球種でもストライクが取れるようになった。当初はセットアッパーだったが、現在はクローザーを務める。ここまで55 試合に投げ、防御率0.51。先発希望も口にしている平良だが、進化の歩みを止めることはない。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・高濱祐仁


 今季、最も成長した選手には高濱祐仁を挙げたい。2015年にドラフト7位で入団し7年目。5年間の一軍出場はわずか4試合で19年オフには育成契約となった。20年7月に支配下登録に復帰し、球団初の育成選手からの昇格。4月11日のオリックス戦(京セラドーム)でプロ初アーチを放つと、現在チームトップタイの8号をマークしている。6月5日の巨人戦(東京ドーム)では代打満塁本塁打、7月6日の西武戦(旭川)では平良海馬の連続無失点日本記録を止める値千金のサヨナラ打と印象的な一打も光る。持ち前の長打力と勝負強さで中軸を担うまでに成長。一度は戦力外となり崖っぷちから這い上がってきた男が、一塁の定位置をがっちりつかみ大きく飛躍した。

写真=BBM
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