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巨人・岡本和真とヤクルト・村上宗隆 あなたが選ぶ「セ・リーグNo.1長距離砲」はどっち? 

 

本塁打、打点でタイトル争いを繰り広げる巨人・岡本(左)、ヤクルト・村上


 セ・リーグの打撃タイトルでハイレベルな争いを繰り広げているのが巨人・岡本和真とヤクルト・村上宗隆だ。岡本が打率.278、38本塁打、106打点に対し、村上は打率.284、37本塁打、98打点(9月25日現在)。本塁打は1本差、打点も8差で競っている。45本塁打、125打点以上でなければタイトルを獲得できない可能性も。優勝争いを繰り広げる巨人、ヤクルトの四番としても活躍が期待される。あなたが選ぶ「セ・リーグNo.1長距離砲」はどちらだろうか。

広角に本塁打を放つ岡本


2年連続で2冠王を狙っている岡本


 岡本の魅力は広角に本塁打を打てることだ。高卒4年目の2018年に打率.309、33本塁打、100打点と史上最年少で「3割・30本塁打・100打点」を達成すると、昨年も打率.275、31本塁打、97打点で本塁打王、打点王の2冠に。今季も本塁打、打点でリーグトップを快走している。本塁打と打点の打撃二冠を2年連続で達成すれば、球団では王貞治(現ソフトバンク球団会長)以来史上2人目の快挙だ。川上哲治青田昇長嶋茂雄松井秀喜など球史に名を残した強打者たちが達成できなかった事実が、記録達成の難しさを証明している。

 野球評論家のデーブ大久保氏は、昨年9月に週刊ベースボールのコラムでこう分析している。「個人的に、すごい打者が育ったなあ、と感心しています。デーブ的視点から言いますと、岡本は『タイミング』を取るのが天才的にうまいんです」と絶賛した上で、「私の知っている限りでは、キヨ(清原和博)、イチロー、さんぺい(中村剛也)もタイミングを取る天才です。岡本は彼らに匹敵するすごい打者ですよ。そして何より内角のさばき方も一流です。内角に来たボールを、体を回転させながら、バットを遅らせてものすごいインサイドアウトのバット軌道を作りながら打っていくことができる。これができるとゴルフのフェードボールのように、レフトのファウルゾーンからフェアゾーンに打球を飛ばすことができます。こんな打ち方ができる打者はなかなかいません」と打撃技術の高さにも舌を巻いている。25歳とまだまだ若い。大きな可能性を秘めた長距離砲だ。

岡本を超える成長速度の村上


リーダーシップも発揮してチームをけん引する村上


 その岡本に対峙する左のスラッガーが村上だ。今月19日の広島戦(神宮)で右翼席に35号ソロを放ち、通算100本塁打に到達。21歳7カ月での到達は、1989年に清原和博氏(当時西武)が達成した21歳9カ月を更新するプロ野球史上最年少記録となった。その成長速度は岡本を超えている。高卒2年目の19年に全143試合出場で打率.231、36本塁打、96打点をマーク。高卒2年目以内のシーズンで最多本塁打、最多打点の記録を更新した。コロナ禍の影響で120試合制の昨季は打率.307、28本塁打、86打点。リーグ最多の86四球と選球眼が良くなったことで、打率も大幅に良くなった。

 不動の四番として飛躍し、ベンチでも常に声を張り上げてチームを鼓舞する。今年は侍ジャパン最年少で東京五輪に出場し、金メダル獲得に貢献。村上は週刊ベースボールのインタビューで、「代表チームの雰囲気って、ヤクルトと似た感じがあるんです。メリハリがあるというか。代表では『やっぱりこういうチームが勝てるチームになっていくんだな』と感じたので、ヤクルトもそうなっていくと思います」と手応えを口にしている。後半戦に入り、8月は月間打率.378、5本塁打、12打点、9月も月間打率.338、6本塁打、25打点と調子を上げている。自身初の打撃タイトルを獲得する可能性は十分にあるだろう。

張本氏の「辛口エール」


 大きな可能性を秘めている2人の強打者に対し、野球評論家の張本氏は週刊ベースボールのコラムで「辛口のエール」を送っている。

「今の四番に総じて言えるのは、粗さ、脆さが目立ち、安定性に欠けていることだ。だから打率が上がってこない。パワーはあるものの、それを生かすだけのバッティング技術がまだまだ身に付いていないのだと思う。特に下半身が安定していない四番が多い。当たれば飛ぶ、でも当たらなかったらごめんなさいでは四番とは言えない。岡本にしろ、ヤクルトの村上にしろ、それなりの威圧感はあるものの、四番としては少し物足りない。まだ若いし、これからだとは思うが、しっかりと自分のバッティングの形を追求し、真の四番を目指してもらいたい。特に岡本は山川(山川穂高、西武)とともにシーズン70本を狙える打者だと私は高く評価している。今季は自己最多のホームラン数を更新しているようだが、40本、50本程度で満足しているようではダメだ。もっと貪欲になってもらいたい。同時に打率も意識しないとダメだ」

 岡本と村上。三冠王も狙える2人の逸材はこれからも切磋琢磨し、球界を代表する強打者への道を歩む。

写真=BBM
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