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ロッテ51年ぶりの優勝マジック点灯間近。巧みな采配でVに死角なし

 

栄光のゴールが見えてきた。マーティンの離脱もあって3連敗を喫するも巧みな選手起用でチームの状態を整え、大崩れはしないのがロッテの強みだ。試合巧者ぶりは1勝の重みが増すシーズン最佳境で大きな武器。51年ぶりとなるマジック点灯は間近、2005年以来16年ぶりの頂点はすぐそこだ。

絶妙なテコ入れ


打撃好調の佐藤都を二番に据えて打線が機能。再びつながりが増している


 暗雲を振り払ったのはベンチの判断だった。ZOZOマリンにソフトバンクを迎えた9月22日からの連戦を前に、21日にマーティンが骨折で離脱。主砲を欠いた打線はつながりを欠いて連敗を喫すると、24日のメットライフでの西武戦は2回までに3点を奪いながら追加点を奪えず逆転負け。3カ月ぶりの3連敗の原因は“得点力不足”なのは明らかだった。マーティン不在は、レアードでカバーも、深刻だったのは前を打つ面々。中でも死球を受けて一時離脱していた二番・藤原恭大が、18日に復帰後5試合連続無安打。主将・中村奨吾も20日から4試合連続無安打と快音が消えていた。

「マーティンがいなくなって、ほかも調子を落としている。調子の良い人をどんどん使っていかないと」

 井口資仁監督の言葉はオーダーに表れた。25日から強打が武器の捕手・佐藤都志也を指名打者で二番に。打撃好調の23歳が好機を演出すれば、触発されるように三番・中村奨も「自分はかえすだけ。無心で打ちました」と快心の当たりでなくても、しぶとく適時打を放ち、勝負強さが光るレアードがダメを押す。さらに下位に座る藤岡裕大らも奮起。打線の潤滑油が機能すれば得点力も再上昇し、25、26日は2試合合計11得点で連勝を飾った。

 そもそも今年2月の春季キャンプ時に、指揮官は、こう言っていた。

「チームとして攻撃力を上げていくには、誰かが調子が悪いときに、誰かが調子を上げていかないといけない。好不調の選手が交互に来るのが理想なんです」

 誰かに頼ることなく“束”となって挑む。優勝争いを展開するシーズン最終盤では、その“チーム力”がモノを言う。打線のテコ入れは、その思いの表れであり、そして選手が結果で応えている。

 9月26日終了時点で残り24試合。2位・オリックスと3ゲーム差の首位に立ち、最短で28日に51年ぶりとなる優勝マジック「18」が点灯する。前回優勝の2005年はプレーオフを勝ち抜いての栄冠で、勝率1位でのペナント奪取は前後期制だった1974年以来47年ぶり。悲願成就へ――。28日からは大一番となるオリックスと3連戦も“束”になって挑むチームに死角はない。

写真=BBM
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