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際と際の勝負を制することができなかった東芝。13年連続の都市対抗出場を逃す

 

「私自身も反省していきたい」


東芝はENEOSとの都市対抗西関東二次予選の第2代表決定戦(9月29日)で敗退(2対5)。13年連続での東京ドーム出場を逃し、平馬監督は悔しさをにじませた


 都市対抗西関東二次予選。3チームによる代表争いで、東京ドームの本戦に駒を進めるのは2チームである。代表決定リーグ戦(9月14〜16日)では、3チームが1勝1敗で並んだ。最終決着は、6年ぶりの代表決定トーナメント(9月27〜29日)へともつれ込んだ。

 東芝はENEOSとの第1戦を1対0で制して、第1代表決定戦へ進出した。三菱重工Eastとの大一番は、2対2の9回裏にサヨナラで惜敗(2対3)。第2代表決定戦で再び、ENEOSと顔を合わせた。泣いても笑ってもラストゲームは、意地と意地の激突である。東芝は2対2の9回裏、ENEOSの四番・山崎錬(慶大)にサヨナラ3ランを浴びた。第1戦で完封し、中1日で3回から好救援していた入社2年目・吉村貢司郎(国学院大)が力尽きた。

 ENEOS・大久保秀昭監督は「際と際の勝負。最後は、神様が味方してくれた」と語ったように、東芝との差はほとんどなかった。

 東芝は昨年まで12年連続出場。歴史が途絶え、平馬淳監督(法大)はこう受け止めた。

「先輩たちが築き上げてきたものを、今年はつなげられなかった。三菱重工East、ENEOSは強いチーム。素晴らしかったです。よく投げてくれた吉村を、責めることはできません。すべて私の責任です。非常に残念。私自身も反省していきたいです」

 1点をめぐる僅差の展開。勝者と敗者に分かれたポイントは、どこにあったのか。

「チャンスで一本が出なかった。冷静に打席に立つことができていたか……。塁に出ることができても、そこから三菱重工East、ENEOSの投手陣は打たせなかった。素晴らしかった」

 東芝の選手たちは敗退後、三塁ベンチに残り、ENEOSの歓喜をずっと目に焼きつけていた。何かを感じ取ったのは、言うまでもない。

「東芝野球部として、来年に向けてやらないといけない」

 やや目を充血させた平馬監督は、努めて前を向いた。2021年の戦いを終えたが、このまま引き下がるわけにはいかない。22年への雪辱を誓う東芝は、課題克服へと着手していく。

文=岡本朋祐 写真=矢野寿明
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