週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

オコエ瑠偉、平沢大河、吉田正尚…パ・リーグ6球団「2015年ドラフト1位指名」の現在地は?

 

今年は10月11日にドラフト会議が行われる。やはり最注目はドラフト1位になるが、果たして今から6年前に最上位で指名された選手はチームの戦力となっているのだろうか。2015年秋のドラフトで1位指名されたパ・リーグ6球団の選手の現状を見ていく。
記録は10月1日現在

東北楽天ゴールデンイーグルス



 これまで期待に応えられなかった男が、高卒6年目にしてようやく浮上のきっかけをつかもうとしている。関東一高時代の2015年、夏の甲子園で大活躍を見せて、一躍、日の当たる存在となった。しかし4年目まで毎年、一軍の試合出場数は50試合前後。高い身体能力は誰もが認めるところだったが、相次ぐ故障が成長を妨げた。今季も左手故障で出遅れたが、後半戦開始と同時にスタメンの座をつかむと、ここまで34試合に出場して20安打、打率.225だが、守備での貢献度は申し分のないところ。次は打撃面で結果を出したいところだ。

オリックス・バファローズ



 単独1位指名を受けて入団した吉田正尚は、今や球界を代表する打者となっている。新人年は一番・DHで開幕スタメンを勝ち取り、6試合連続安打。4月に腰痛で離脱し、翌2017年も腰痛に悩まされたが、同年オフに手術を受け、体のケアも怠らず18年に全試合出場を果たすと、19年はベストナイン、昨季は打率.350で首位打者に輝いた。今季も開幕からコンスタントに結果を残し、東京五輪では日本代表の三番打者として金メダル獲得に貢献。9月3日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で左太もも裏を痛めて離脱も、同26日に早期復帰を果たすと、29日のロッテ戦(ZOZOマリン)では本塁打を含む3安打2打点と打棒は健在。25年ぶりの優勝を目指すチームに欠かせぬ打線の軸なのは間違いない。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・平沢大河


 楽天との競合の末に獲得したのが平沢大河。将来の正遊撃手として期待され、高卒1年目から一軍デビューを果たし、2年目の2017年は開幕一軍を手にするも、打撃が奮わず定着ならず。3年目の18年は藤岡裕大が入団し、定位置を争ったが、代打や代走での起用となり、外野の守備にも就いた。19年に左足首を痛めてからは故障に悩まされ、昨季は右ヒジ痛でプロ入り初の一軍昇格なし。10月に痛みを覚えていた右ヒジの手術を決断し、今年1月の自主トレで「焦りはある」と思いを隠さなかったが、今季もここまで昇格はない。チームは優勝を争う中で、自身はファームで打率.236。今年は大卒新人・小川龍成が入団と、年々ライバルが増える中、結果が求められる。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・高橋純平


 3球団競合の末、工藤公康監督が当たりクジを引き当てた高橋純平だが、プロ入り後はなかなか期待に応えることはできず。故障や投球フォームを試行錯誤する日々が続く中、ようやくプロとして大きな一歩を踏み出したのが2019年。シーズン途中に一軍昇格を果たすと、45試合に登板して17ホールドをマーク。持ち味の直球の威力が戻り打者一人ひとりとしっかりと対峙する姿に、さらなる成長も楽しみなシーズンとなった。事実、高橋純自身も先発再転向に意欲を見せるなど、いつも以上に輝いていた。しかし、20年は右肩の炎症もあり状態が上がらず、一軍登板はゼロに。今季も開幕一軍をつかみながら、不注意から右手薬指を骨折し5月8日に登録を抹消されて以降、いまだ一軍復帰は果たせていない。今回の骨折には指揮官も嘆き節だっただけに、再び信頼を勝ち取ることはできるか。

埼玉西武ライオンズ



 西武がドラフト前に1位指名を公言し、一本釣りを果たして富士大から入団した多和田真三郎。1年目は7勝、2年目は5勝に終わったが、3年目にその能力が本格開花する。投球の際に深く沈み込み、低いリリースポイントから打者には浮き上がるように見える軌道のストレートを軸に16勝をマーク。最多勝を獲得して10年ぶりの優勝にも貢献した。翌年、菊池雄星がメジャー移籍し、エースとして2年続けて先発陣の軸としての投球が期待されたが、頻脈性不整脈もあり1勝に終わる。オフには不整脈の原因が自律神経失調症によるものであることが公表され、契約保留選手に。20年7月末に支配下契約をするも、オフに育成選手になった。今季はここまで二軍戦での登板はない。

北海道日本ハムファイターズ



 2015年秋のドラフト1位は明大から希少な大型左腕として入団した上原健太。1年目は1イニングのみの登板も、2年目の17年には6試合に先発し初勝利をマークした。昨季までの5年間でキャリアハイは18年の4勝。昨季は自己最速153キロを計時し、今季も先発ローテーション入りが期待されたが、首の故障もあり一軍昇格は大幅に遅れた。9月11日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で12点リードの9回に今季初登板を果たすと9月は中継ぎで計9試合に登板。9回1/3を防御率1.93と、徐々に復活の階段を上っている。「右左(の打者)関係なく投げるし四球の怖さもない」と栗山英樹監督は抑え転向のプランも示唆。今後は適性を見極めながらの起用となりそうだ。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング