週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

村上宗隆、中村奨成、鍬原拓也…セ・リーグ6球団「2017年ドラフト1位指名」の現在地は?

 

今年は10月11日にドラフト会議が行われる。やはり最注目はドラフト1位になるが、果たして今から4年前に最上位で指名された選手はチームの戦力となっているのだろうか。2017年秋のドラフトで1位指名されたセ・リーグ6球団の選手の現状を見ていく。
記録は10月8日現在

東京ヤクルトスワローズ



 第1回入札で清宮幸太郎(早実、現日本ハム)の抽選を外し、第2回入札で巨人楽天と3球団競合の末に村上宗隆(九州学院高)との交渉権を獲得した。村上は1年目に一軍初出場の初打席で初本塁打を記録する衝撃デビューを飾ると、翌19年には36本塁打を放って新人王に輝く。3年目となる20年の開幕から四番に定着し、今や不動の四番打者として、本塁打、打点の2冠も視野に入れるほどの活躍を見せている。東京五輪野球日本代表にも最年少で選出され、通算100本塁打の最年少記録も塗り替えた。弱冠21歳ながら、日本を代表するスラッガーへと成長している。

広島東洋カープ



 2017年夏の甲子園で6本塁打、17打点など、大会記録をいくつも塗り替えた地元の星・中村奨成(広陵高)が広島のこの年のドラフト1位だ。プロ入り当初は故障も多く、「夏の甲子園最多本塁打」の金看板が重い感もあったが、ファームで地道な努力を続け、昨年一軍デビューを果たした。今季は、打撃を生かすため、本職の捕手のほかに外野手でも起用され、プロ初安打、初本塁打も記録。捕手としてもチームがコロナ禍に襲われた5月19日の巨人戦(東京ドーム)で初先発マスク、好リードで九里亜蓮を完投勝利に導いた。8月下旬からは実戦機会を増やすためにファームに置かれ、捕手と外野手の両方で出場。坂倉将吾石原貴規との次代の正捕手争いが注目される。

読売ジャイアンツ


巨人・鍬原拓也


 第1回入札で清宮幸太郎(早実、現日本ハム)を、さらに第2回入札で村上宗隆(九州学院高、現ヤクルト)を逃がし、指名したのが中大の右腕・鍬原拓也だ。戦国東都では通算44試合登板、11勝、13敗、防御率3.38、165回で157三振を奪ったことから、“東都のドクターK”と称されていた。しかし、新人年は右ヒジコンディション不良でキャンプを三軍で過ごし出遅れ。5月に先発で一軍デビューも6試合で1勝にとどまる。その後はリリーフに配置転換。サイドスローに転向するなど試行錯誤の日々が続き、昨年8月には右ヒジの骨折が判明、手術を受けた。リハビリもあり、今季は育成選手としてスタートし、実戦復帰後の好投もあり、8月30日に支配下復帰も、まだ一軍登板はない。

中日ドラゴンズ



 第1回入札は超高校級捕手と騒がれた広陵高の中村奨成。しかし広島と一騎打ちとなった抽選で敗れ、外れ1位で最速157キロ右腕の鈴木博志(ヤマハ)を獲得した。その鈴木は1年目から活躍。開幕から中継ぎとして53試合に登板とフル回転。2年目は与田剛新監督から抑えを任されて開幕から14セーブを記録したが、制球力に不安を残して二軍降格となってシーズンを終えた。3年目の昨秋からは「覚悟を決めて」サイドスローに転向。剛腕のイメージは薄らいだものの、課題の制球力は増した。4年目の今季は開幕一軍切符をつかんで3年ぶりの勝利。スタートは好調も5月中旬に二軍行きとなった。シーズン最終盤になって一軍へ呼ばれたが、来季のためにも結果を残したいところだ。

阪神タイガース



 気持ちで投げるタイプのリリーバーとして貴重な役割を担っている。第1回入札で清宮幸太郎(早実、現日本ハム)、第2回入札で安田尚憲(履正社高、現ロッテ)を指名したが競合となり、逃していた。第3回入札で指名したのが馬場皐輔(仙台大)だったが、これもソフトバンクと競合となったが、阪神がクジを引き当てた。当初は先発投手として期待された馬場だったが、昨年からは中継ぎに。ビハインドでも僅差の場面で1点も与えられない状況でマウンドに上がり、しっかり抑えている。まだ勝ちパターンのリリーフ陣には入り込めていないが、ここから結果を出し、その座をつかむつもりだ。

横浜DeNAベイスターズ



 立命大から単独1位指名された東克樹はルーキーイヤーから堂々とした投球を披露。開幕先発ローテーション入りを果たすと登板2試合目で初勝利、5月の阪神では3勝目を完封で飾った。小柄ながら150キロに迫る力強い直球を軸に、精度の高いスライダー、チェンジアップでプロの打者を封じていった。結局、この年は今永昇太濱口遥大といった先発左腕が不調やケガで勝ち星を伸ばせない中、チームトップとなる11勝をマークしてセ・リーグの新人王に輝いた。2年目以降は左ヒジのケガに泣かされ、2020年2月にトミー・ジョン手術を実施。約1年半にわたるリハビリを経て今年9月末に一軍のマウンドにカムバック。復活の道を歩み始めた。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング