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硬式用バットを選ぶ基準は?「重要なのは扱いやすさ。振りやすい一本を選ぶべき」/元ソフトバンク・柴原洋に聞く

 

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は打撃編。回答者は現役時代に巧打の選手として活躍した、元ソフトバンク柴原洋氏だ。

Q.今春、高校の野球部に入部しました。硬式用のバットを新しく購入しようと思いますが、どのようなことに気を付けて選べばいいでしょうか。中学時代は軟式野球部でした。(栃木県・15歳)


ソフトバンク時代の柴原氏


A.まずは振ってみて、長さ、バランスを決めることが大事

 確かにカタログを見ても、スポーツ用品店に行っても、さまざまな重さ、長さ、バランスのバットがあって、迷ってしまうと思います。プロでも、自分に合ったバットを求め続ける選手もいるわけですから、高校生が迷うのは仕方がないのではないでしょうか。

 自分に合った1本を選ぶにあたり、重要なのはやはり、扱いのしやすさです。まずは自分がきちんと扱える重さ、長さを考えます。高校野球(硬式)の場合、重さは900グラム以上と規定されていますが、多くがこの下限に合わせているのではないでしょうか。木製と金属では少々事情が異なるものの、プロでも900グラムまでいかないバットを使用している選手が多いですからね。長さは83センチ〜85センチが一般的でしょうか。86センチまでいくと多くの選手の場合、バットコントロールに苦労すると思います。もちろん、これらは体のサイズや筋力との相談で、質問の方も最初は83センチでスタートしても、身長が伸びて、長いバットに持ち替えるのは自然なことだと思います。トレーニングで筋力がついて変わることもあるでしょう。

 その上で、見てほしいのはバランスです。大きく分けると、トップバランス、ミドルバランス、カウンターバランスの3つのバランスがあり、これは重心(重さの中心)がどこに設定されているかを表しています。特徴としては、“カウンター”が手元に重心があって、操作が容易で一般的にはアベレージヒッター向きと言われ、“トップ”は重心がバットの先のほうにあり、操作が難しい半面、遠心力が働いて飛距離が出るので、ロングヒッター向けと言われます。ミドルバランスはその中間ですね。

 ただ、私の見る限り、高校野球ではトップとミドルが主流。また、「ロングヒッター向け」などのうたい文句もあくまでも目安であって、実際にこの2本をスイングしてみて、振りやすいほうを選べばいいのだと思います。とにかく、まずは振ってみることが大事。部のバット、先輩のバットを借りて、自分にしっくりくる長さ、重さ、バランスを知るところから始めてください。今だとインターネットなどで簡単に買えてしまいますが、その前に、試す環境があれば、試すべきでしょう。お店などで試打ができれば最高ですね。ちなみに私の高校時代は、ヘッドが走ってくれるイメージが良かったので、トップバランスの85センチでした。

●柴原洋(しばはら・ひろし)
1974年5月23日生まれ。福岡県出身。北九州高から九州共立大を経て97年ドラフト3位でダイエー(現ソフトバンク)入団。11年現役引退。現役生活15年の通算成績は1452試合出場、打率.282、54本塁打、463打点、85盗塁。

『週刊ベースボール』2021年10月11日号(9月29日発売)より

写真=BBM
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