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根尾昂、小園海斗、高橋優貴…セ・リーグ6球団「2018年ドラフト1位指名」の現在地は?

 

今年は10月11日に行われたドラフト会議。やはり最注目はドラフト1位だったが、果たして今から3年前に最上位で指名された選手はチームの戦力となっているのだろうか。2018年秋のドラフトで1位指名されたセ・リーグ6球団の選手の現状を見ていく。
記録は10月11日現在

中日ドラゴンズ



 2018年秋のドラフトの目玉だった。大阪桐蔭高では遊撃手と投手の二刀流で活躍し、甲子園では春夏連覇を達成。超高校級のスーパースターを1位指名したのは、中日、巨人ヤクルト日本ハムの4球団。翌年から指揮を執る与田剛監督が見事に引き当て、中日への入団が決まった。1年目から活躍できるという声もあったが、プロの壁は厚く、思うような結果は残せなかった。遊撃には京田陽太という存在がいたことも大きい。3年目の今季はついに外野ながら開幕スタメン。5月4日のDeNA戦(バンテリン)ではプロ初本塁打を満塁弾で飾ったものの、打撃不振で徐々に出番が減り、後半戦からは二軍行きとなった。逆襲に向け、黙々と汗を流す日々。4年目の飛躍に期待したい。

広島東洋カープ



 高卒3年目、遊撃の定位置をつかんだと言っていい。4球団競合から引き当てた小園海斗(報徳学園高)が、この年の広島のドラフト1位だ。ルーキー年から、田中広輔の不調もあって後半戦は先発起用され、58試合で打率.213の成績を残したが、昨年はほぼファーム暮らしで、佐々岡真司監督から取り組む姿勢に注文も。しかし今季は4月下旬から一軍に上がると、途中、新型コロナ感染がありながらも、8月まで3割前後の打率をキープし、一時は三番にも座った。現在は二番に定着。一時調子を落としたが、9月24日のDeNA戦(横浜)で5安打するなど上げてきた。このままいけば規定打席到達も確実。残り試合で打率3割と打撃ベストテン入りに挑む。

読売ジャイアンツ


巨人・高橋優貴


 第1回入札で根尾昂(大阪桐蔭高、現中日)を、さらに第2回入札で辰己涼介(立命大、現楽天)を逃し、この年もクジ運に恵まれなかった。その後、指名したのが八戸学院大で北東北大学リーグ通算20勝、リーグ最多通算301奪三振の新記録を樹立した“みちのくのドクターK”高橋優貴だ。1年目は先発ローテーション入りし、18試合で5勝。2年目は左ヒジのコンディション不良で4試合の先発(1勝)にとどまったが、今季は開幕先発ローテ入りし、3&4月は無傷の5勝、防御率1.80で月間MVPを獲得。その後は序盤戦の勢いを失い、苦しい投球が続くものの、自身初の2ケタ勝利を8月29日にクリア。ここまで11勝(8敗)はハーラーダービートップタイ。初のタイトル獲得に期待が掛かる。

阪神タイガース



 3年前のドラフト1位が、すでに選手会長を務めチームをけん引する立場にある。第1回入札で藤原恭大(大阪桐蔭高、現ロッテ)、第2回入札で辰己涼介(立命大、現楽天)と立て続けにクジを外した末に第3回入札で獲得した近本光司(大阪ガス)。外れ外れ1位ながら、1年目から一番打者として大活躍。セ・リーグの新人最多安打を更新し、盗塁王に輝いた。2年目の昨季も2年連続で盗塁王に。今季も春先は不調だったが、いまや首位打者争いを繰り広げているほど上昇。もちろん安打数はリーグトップ。盗塁も2位につけて、“打撃3冠”も狙える、阪神を代表する選手になっている。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・清水昇


 第1回入札で根尾昂(大阪桐蔭高、現中日)、第2回入札でも上茶谷大河(東洋大、現DeNA)の抽選を外した末に指名したのが、清水昇(国学院大)だった。清水は1年目こそ先発と中継ぎで11試合に登板して防御率7.27と崩れたものの、2年目の20年には中継ぎに専念。持ち味の力強いストレートは短いイニングで威力を発揮し、気持ちのこもった投球もあいまって、瞬く間にセットアッパーを担うようになった。昨季は30ホールドポイントを挙げて最優秀中継ぎ投手のタイトルを手にしている。今季も「勝利の方程式」の一角を担い、46ホールドポイントはリーグトップ。2年連続のタイトル奪取はほぼ確実だ。

横浜DeNAベイスターズ


DeNA・上茶谷大河


 東洋大の右腕、上茶谷大河を第2回入札でヤクルトと抽選の末にDeNAが交渉権を引き当て、入団した。前年まで今永昇太(1年目=8勝9敗、防御率2.93)、濱口遥大(同=10勝6敗、防御率3.57)、東克樹(同=11勝5敗、防御率2.45)と1年目のドライチ大卒投手が、毎年、先発で結果を残しており、重圧は相当のものだった。しかし、上茶谷は動じなかった。伸びのある直球と多彩な変化球で7勝6敗、防御率3.96と堂々の成績を残した。2年目はケガに悩まされ2勝止まり。3年目の今季も調子が上がらずに二軍での調整が続いたが、10月8日の中日戦(横浜)で7回3失点の好投で今季初勝利。復活のきっかけをつかんでいる。

写真=BBM
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