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奥川恭伸、森下暢仁、堀田賢慎…セ・リーグ6球団「2019年ドラフト1位指名」の現在地は?

 

今年は10月11日に行われたドラフト会議。やはり最注目はドラフト1位だったが、果たして今から2年前に最上位で指名された選手はチームの戦力となっているのだろうか。2019年秋のドラフトで1位指名されたセ・リーグ6球団の選手の現状を見ていく。
記録は10月15日現在

東京ヤクルトスワローズ



 第1回入札で巨人阪神と抽選の末、星稜高の右腕・奥川恭伸を獲得した。1年目こそ、右ヒジの炎症に苦しむなど大半を二軍で過ごしたが、シーズン最終戦に一軍デビュー。2年目の今季は開幕3戦目に先発するなど、先発ローテーションの柱として期待された。前半戦は「上半身と下半身のかみ合わせが悪かった」と結果はなかなかついてこなかったが、フォームを修正して感覚をつかむと豹変。劇的な進化を見せた。後半戦だけで5勝を挙げ、試合をつくれる“勝てる投手”となった。次回の先発はおそらく10月19日の阪神戦(甲子園)になるだろう。優勝を争う2位・阪神との大事な直接対決を、2年目右腕に託す。

広島東洋カープ



 この年の広島のドラフト1位は、言わずと知れた森下暢仁(明大)だ。他球団が高卒選手に続々と入札する中、見事な「一本釣り」となった。即戦力の期待に応えた森下は、10勝3敗、防御率はリーグ2位の1.91で見事新人王に。今季も前半戦は6勝を挙げ、防御率は2.29、東京五輪でも決勝戦の先発を任されて勝利投手と順調だった。ところが後半戦に入ると、勝ち星が手に入らなくなる。ある程度の投球はするのだが、競り負けたり、リリーフ投手が打たれたり……。8試合勝利から遠ざかった。まさかこの男にはあるまいと思ったが、これが「2年目のジンクス」なのか。それでも9試合目にようやく7勝目。この経験も糧に、次代のエースへ再び歩みを進めていく。

横浜DeNAベイスターズ



 長く二遊間が補強ポイントであったDeNAは、2018年のドラフトでは小園海斗(報徳学園高、現広島)を第1回入札で指名したが、抽選で敗れて獲得ならず。そのリベンジとばかりに、チームの将来を担う逸材として地元・桐蔭学園高の森敬斗を1位で獲得した。広角に鋭い打球を弾き返す打撃に、チームトップクラスのスピード、強肩を生かした遊撃での広い守備でレギュラーへの階段を上っている。今年は1年目の8試合から、37試合と出場機会も増えた。守備でのミスが目立つが、すべての経験を糧に、来季は大和柴田竜拓らとのレギュラー争いに名乗りを上げたい。

読売ジャイアンツ


巨人・堀田賢慎


 奥川恭伸(星稜高、現ヤクルト)、宮川哲(東芝、現西武)を立て続けに逃し、指名したのが青森山田高の151キロ右腕・堀田賢慎だった。1月の新人合同自主トレ期間中に右ヒジに違和感を訴え、別メニューの春季キャンプを経ても状態は回復せず。4月3日に右ヒジのトミー・ジョン手術を受けている。その後はリハビリに専念し、1年目のオフに育成契約に移行。今季も多くの時間をリハビリに費やしたが、8月に実戦登板を果たすと、いきなり自己最速の152キロを記録。その後、球速は155キロまで伸びている。リハビリ期間に体力づくりに専念できたことがプラスに働いたかっこうで、来季以降の活躍が期待されている。

阪神タイガース


阪神・西純矢


 高校ビッグ4の一人として注目された西純矢(創志学園高)。奥川恭伸(星稜高、現ヤクルト)の外れ1位で入団した。1年目は体力づくりをメーンにファームで11試合に登板し4勝3敗。昨秋のフェニックス・リーグで好投し、2年目の一軍春季キャンプを勝ち取った。開幕一軍は逃したものの、5月19日のヤクルト戦(甲子園)で一軍初登板初先発し、5回無安打無失点でプロ初勝利をつかんだ。6月6日のソフトバンク戦(甲子園)でも先発したが3回3失点で降板。その後は二軍で投球フォームを見直し調整中。来季の先発ローテーション入りを狙っている。

中日ドラゴンズ



 高校通算55本塁打、右のスラッガーに3球団が名乗りをあげた。オリックス、中日、ソフトバンク。抽選で石川昂弥(東邦高)の交渉権を獲得したのは地元の中日だった。球団から与えられた背番号は2。ルーキーイヤーは二軍ながら開幕四番、将来の大砲として大きな期待が込められた打順だった。三塁を守る高橋周平の故障もあり、開幕間もなくして突然の一軍昇格。初打席で二塁打を放った。2年目の今季は二軍でのスタートから一軍を目指していたが、6月末のウエスタン・阪神戦で死球を受けて左尺骨骨折、そのままシーズンを終えた。リハビリ生活を経て順調に回復、現在はフェニックス・リーグでの実戦復帰を目指している。

写真=BBM
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