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佐々木朗希、宮城大弥…パ・リーグ6球団「2019年ドラフト1位指名」の現在地は?

 

今年は10月11日に行われたドラフト会議。やはり最注目はドラフト1位だったが、果たして今から2年前に最上位で指名された選手はチームの戦力となっているのだろうか。2019年秋のドラフトで1位指名されたパ・リーグ6球団の選手の現状を見ていく。
記録は10月15日現在

千葉ロッテマリーンズ



 4球団競合の末に交渉権を獲得した佐々木朗希(大船渡高)。最速163キロを誇る“令和の怪物”に大きな期待が寄せられたが、1年目の昨季は体力強化に終始。異例の開幕から一軍帯同を続け、ファームも含めて一度も実戦登板なくルーキーイヤーを終えた。迎えた2年目の今季は、オープン戦で実戦デビュー。その後、ファームで登板を重ねて5月に一軍デビューを果たして、阪神との交流戦(甲子園)でプロ初勝利をマークした。登板後は一度、登録抹消し、中10日以上を空けて先発ローテに入ってきたが、マジック点灯をかけた10月14日のオリックス戦(京セラドーム)で、中6日を解禁。6回無失点、8奪三振と好投し、チームに51年ぶりとなる優勝マジックを点灯させる好投を披露した。優勝へのカウントダウンが始まる中で“怪物”が本格稼働する。

オリックス・バファローズ


オリックス・宮城大弥


 石川昂弥(東邦高、現中日)、河野竜生(JFE西日本、現日本ハム)をクジで逃し、外れ外れで獲得した宮城大弥(興南高)だが、今やチームに欠かせぬ存在となっている。1年目の昨季はウエスタン・リーグで6勝を挙げて最多勝を獲得し、一軍デビューも果たしてプロ初勝利も手に。今季は開幕先発ローテーション入りをつかんで、開幕2戦目の先発に抜てきされると、前半戦だけで9勝を挙げてブレーク。150キロ超のストレートに、スライダ―、チェンジアップなど緩急も交えて打者を翻弄し、凡打の山を築いた。後半戦は、やや疲れが見られるも2ケタ12勝を挙げるなど、エース・山本由伸と先発2本柱を形成するなど、今季のチーム躍進の立役者なのは間違いない。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・河野竜生


 佐々木朗希(大船渡高、現ロッテ)の外れ1位で指名され社会人No.1左腕としてプロ入りした河野竜生(JFE西日本)は、1年目から先発で12試合に登板、3勝5敗、防御率5.07とプロの壁にぶつかった。2年目の今季も開幕後2試合は先発登板したが結果が出ず、以降は中継ぎへ配置転換。中継ぎでは28試合に登板し防御率0.29とチームの信頼を勝ち得た。後半戦からは先発再転向もなかなか勝ち星を挙げられず、9月28日の楽天戦(楽天生命パーク)、8度目の先発で今季初の先発勝利。完璧を求めすぎず、気持ちの余裕を持つようにしたという。しかしその後の2試合は連敗で6敗目。外れ1位で競合したオリックスが外れ外れ1位で指名した宮城大弥(興南高)が、今季大ブレークした。ライバルの活躍を刺激に殻を破りたい。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 佐々木朗希(大船渡高、現ロッテ)の外れ1位で入団した小深田大翔(大阪ガス)はプロ1年目の昨季に遊撃の定位置をつかむと、バットでもチームに貢献。一番打者として新人王を争うまでの活躍を見せた。今季は二番からスタートしたが、シーズン途中からトップバッターに返り咲き。それでもなかなか打撃の調子が上がらず、9月以降は同じポジションを争う山崎剛の台頭もあり、ベンチを温める機会が増えている。「コブちゃん(小深田の愛称)はおとなしいから」と心配するのは石井一久GM兼任監督。代走での出場が増えているが、まずは足でアピールして、貪欲に定位置再奪取を目指す。

埼玉西武ライオンズ



 第1回入札で佐々木朗希(大船渡高、現ロッテ)を指名したが抽選の末、逃すと続いて宮川哲(東芝)に入札。巨人との抽選となったが見事にクジを引き当てた。1年目はリリーフとして一軍を完走し、49試合登板で2勝1敗13ホールドをマーク。さらなる飛躍が期待された2年目だったが開幕から不安定な投球が続き、6月下旬に登録抹消となった。二軍で時間を費やしたのは投球フォームを見直すこと。試行錯誤重ねて、手応えをつかみつつある。「昨年は走者のいるピンチの場面でも三振を取れていたので、そういう場面を任せてもらえる投手になりたいです」。苦しんだ日々をムダにしないように、はい上がってみせる。

福岡ソフトバンクホークス



 石川昂弥(東邦高、現中日)の外れ1位で入団した佐藤直樹(JR西日本)。強肩を生かしたスローイングと俊足は一軍選手にも引けを取らない。打撃力向上が目下の課題だ。社会人出ということもあって即戦力として期待された昨季、プロの壁にぶち当たった。ケガも相まって一軍出場はゼロに。「メンタル的な部分でも見直しが必要」と、技術面だけでなく、精神面でも自分に足りないものを痛感した。それでも、ウエスタン・リーグの盗塁王に輝き、記録した20盗塁は成功率100パーセント。ポテンシャルの高さは最低限示した。それだけにまずは代走からでも一軍で、と挑んだ今季。初盗塁こそマークしたものの、打席でのアピールはことごとく失敗(11打席0安打)。悔しさだけが残った。選手層の厚いチームだけに、やはり打てなければ始まらない。ファームでの鍛錬の日々は続く。

写真=BBM
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