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川口和久WEBコラム

中田翔の袖、長過ぎない?/川口和久WEBコラム

 

投手不利のルール改正が多くないかな



 今回は元投手として気になったことを書いてみたい。

 マウンドでは偉そうにしているように見えるかもしれないが、ピッチャーは非常に繊細だ。ちょっとした気持ちの揺れで簡単に調子を崩す。

 にもかかわらず、野球のルール変更はたいてい投手が不利になるように変わる。

 投げ方にも規制がいろいろあり、牽制時のボークの基準が年々厳しくなったし、投球間隔が長くなってもいけない……。バッターにはフォームの規制もないし、簡単に打席を外し、自分のタイミングで打とうとするのにね。

 いまは戻ったが、2006年、二段モーションのルール変更はひどかった。

 投手はルール内で工夫して技術を磨く。当時、横浜の三浦大輔がそうだったが、二段モーションの中で素晴らしい球を投げていたのに、突然規制が厳しくなった。

 三浦は器用なタイプだから何年かして適応したが、やはり時間がかかった。しかも、当時は「それが世界基準だ」みたいな話だったけど、実際にはメジャーでも二段モーションが普通に行われており、いまは戻しているという流れだ。

 ストライクゾーンもそう。時々、左右高低に広くなる時期があるが、しばらくすると元に戻る繰り返し。飛ばない低反発球も、いつの間にか消えていた。

 根底にはプロ野球は打撃戦、特にホームランが野球の華という考え方が強いのだろう。8対7をルーズヴェルトゲームと言い、最高のゲームと言ったりする。

 否定はしないけど、俺は1対0の緊迫感も野球の魅力だと思う。

 前置きが長くなった。

 今、俺のピッチャー脳が「嫌だな」となっているのは打者のユニフォームの袖だ。

 巨人に入った中田翔がそうだが、ヒジより先まで来て、しかも腕が2本入りそうなくらいゆったりしている。がっしりしたバッターに多いみたいだけど、少しでも腕を太く見せたいということなのかな。

 ルールはどうなっているんだろう。

 俺は若手時代、袖がひらひらしていたら審判に「打者から見てまぎらわしい。着替えてこい」と言われたことがある。

 ピッチャーとバッターは違うというかもしれないが、あのぶかぶかの袖に当たったらデッドボールでしょ。打者の体を守ると言うことではヒジや手の甲のプロテクターがあれだけあるんだから、袖くらい規制してほしい。

 だいたい、ぶかぶかの着こなしがカッコいいとはまったく思わんしね。

写真=BBM
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