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高橋優貴、伊藤将司、田口麗斗…セ・リーグ6球団「左腕勝ち頭」は誰?

 

チームにとって貴重な存在であるサウスポー。しっかりしたピッチングができる左腕が豊富なチームはバリエーションが増え、ペナントレースも戦いやすくなる。果たして、セ・リーグ6球団の「左腕勝ち頭」は――。彼らの今季の活躍ぶりを振り返っていく。
記録は10月22日現在

読売ジャイアンツ



 プロ入り3年目、高橋優貴がキャリ初の2ケタ勝利を挙げ、チームの勝ち頭となった。2019年入団のドライチ左腕で、新人年は18試合に先発して5勝。飛躍を期待された昨季は、左ヒジ痛の影響でシーズンの大半を棒に振り、8試合の登板で1勝にとどまっていたが、今季、期待に応える投球を見せた。ただ、前半戦だけで9勝を挙げ、後半戦開始時点で最多勝のタイトルに最も近い位置にいたのも事実。その後は8月、9月に1勝ずつにとどまるなど、課題も残った。残り試合とローテーションを考えても、セ・リーグ1位の青柳晃洋(阪神)の13勝には届かない。11勝は立派ではあるものの、後半戦の失速をバネに、さらなる成長を期待したい。

阪神タイガース


阪神・伊藤将司


 安定感抜群、制球力抜群の投球で1年間先発ローテーションを守り続けた。新人ながら開幕先発ローテ入りを決めた伊藤将司。ドラフト1位の佐藤輝明の活躍もあり、あまり目立たなかったが、4月7日の巨人戦(甲子園)に7回1失点で、今季の新人最速での勝利を挙げた。剛速球があるわけでもなく、代名詞になるような変化球があるわけでもない。平均以上の真っすぐのキレと変化球の精度で安定した投球を続け9勝(7敗)をマーク。最終盤になった10月には3試合に先発し2勝を挙げ、1度は中継ぎに回り1ホールドもマーク。首脳陣からも大きな信頼を得ている。残り1試合登板があるかどうかだか、ここで2ケタ勝利を目指していく。

東京ヤクルトスワローズ



 今季からトレード加入した、田口麗斗が5勝を挙げている。前半戦に先発で4勝。6月ごろから結果がついてこなくなると、高津臣吾監督は、後半戦から田口をリリーフに回した。すると、短いイニングで力を発揮。阪神との直接対決となった10月9日のゲーム(神宮)では、二死満塁の場面でリリーフすると、糸井嘉男を空振り三振に斬って取った。21日の広島戦(神宮)では、仲間の失策もあって勝ち越しを許してしまったが、明るいキャラクターでチームを盛り上げている。ヤクルトがここまで善戦を見せているのには、田口の存在が大きい。5勝以上の価値を、チームにもたらしている。

中日ドラゴンズ



 ここまで2人の左腕が7勝で並んでいる。大野雄大と小笠原慎之介だ。しかしすでに大野雄は規定投球回数に達して登録抹消。対する小笠原は規定投球回まで、あと5回2/3まで迫っており、残り試合で満を持しての登板となる。そこで白星となれば8勝でチーム最多勝左腕となる。プロ6年目となる今季は開幕から先発ローテーションを守ってきた。真っすぐに磨きがかかり、制球力がアップ。気迫を前面に押し出した投球も目立った。後半戦は思うように勝ち星が伸びなかったものの、シーズンを通しての完走は初めての経験。だからこそ規定投球回に到達し、来季へとつなげたい。

横浜DeNAベイスターズ



 DeNAの左腕では濱口遥大と今永昇太が5勝で並ぶ。ともに2ケタ勝利経験者であり、今季は物足りない数字だ。初の開幕投手に指名された濱口は次々と先発ローテーション投手が脱落していく中で、孤軍奮闘。4月、5月は9試合中8試合でクオリティスタート(QS)をクリアするなど先発陣を引っ張り、6月には完封勝利もマーク。ところが、夏場に調子を落として登録抹消。8月に再登録も、現在は再びファームで調整を続ける。今永は左肩手術から復帰し、5月に今季初登板。先発として試合をつくり、ケガからの完全復活を果たした。10月19日の巨人(横浜)では8戦連続QSクリア。しかし、打線の援護に恵まれずに4戦連続で白星を手にできないでいる。

広島東洋カープ


広島・床田寛樹


 広島では、床田寛樹が5勝、高橋昂也が5勝、玉村昇悟が4勝、そのほかにリリーフで塹江敦哉が4勝、森浦大輔が3勝が、主な左腕の勝利数だ。最多が5勝はいささか寂しいが、中でシーズン後半に抜群の内容を見せ、来季へ期待を抱かせるのが床田だ。9月にはプロ初完封を含む3勝(1敗)、防御率0.93で月間MVPに輝いた。前半戦は1勝だったが、ファームで腕の振りを見直し、鮮やかに復活。この手応えを来季につなげられれば、左腕エースと呼べる存在になる可能性も。今秋ドラフトでは、1位で黒原拓未(関学大)、2位で森翔平(三菱重工West)と、即戦力左腕を2人指名。高橋昂、玉村を含め、来季は左腕の先発ローテ争いが大激戦になりそうだ。

写真=BBM
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