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大谷翔平、落合博満、田中将大…パ・リーグ6球団「直近のMVP」は誰?

 

シーズンで最も優秀だった選手に贈られるMVP。過去の受賞者には球史を彩った名プレーヤーの名前が並ぶ。果たして、誰がMVPの栄誉に浴しているのか。パ・リーグ6球団で「直近のMVP」を挙げていく。

北海道日本ハムファイターズ



■2016年・大谷翔平

 日本ハム直近のMVPは二刀流で新時代の幕を開けた2016年の大谷翔平だ。投手として21試合に登板し、10勝4敗(完封1)、投球回数140、防御率1.86。打撃成績は104試合、打率.322、22本塁打、67打点。投球回、打席ともに規定には届かなかったものの、プロ4年目で初のMVPを受賞した。「受賞は思ってもいなかった。規定に達していませんでしたから」と本人も驚きの受賞だったが、10勝、100安打、20本塁打は日本球界史上初の快挙、4年ぶりリーグ制覇と10年ぶり日本一の原動力となる活躍に、圧巻の得票率での受賞となった。ベストナインでも史上初の「投手」と「DH」W受賞で、この年“三冠”。2016年のプロ野球は大谷翔平フィーバーで幕を閉じた。

千葉ロッテマリーンズ



■1985年・落合博満

 ロッテの選手がMVPを受賞したのは今から36年も前にさかのぼる。受賞したのは、1985年の落合博満だ。当時の右打者最高打率となる.367をマークし、本塁打は52。さらに146打点をたたき出し、自身2度目の三冠王を獲得。独特の“神主打法”で低めのボールも巧みにさばき、右方向へも長打を飛ばす。さらに、選球眼も抜群で101の四球を選んで出塁率は.481。約2打席1度の出塁と、相手投手にとってはこれ以上ない厄介な打者だった。そんな男が四番に君臨したが、チームは終盤に上位浮上を果たすも西武に次ぐリーグ2位。優勝には届かなかったが、存在感は抜群だった。

オリックス・バファローズ



■2014年・金子千尋

 チームは涙のV逸となった2014年。ソフトバンクとゲームなし、勝率2厘差でリーグ2位に終わった同年だが、エース・金子千尋(現・弌大、日本ハム)が快投を続けてMVPを受賞した。巨人との交流戦では9回無安打投球。打線の援護なく試合は0対0で9回裏に代打を送られて降板したため、ノーヒットノーランの達成とはならなかったが、同年シーズンの完封は3度を記録。16勝5敗、防御率1.98で、最多勝と最優秀のタイトルも獲得した。150キロの直球に多彩な変化球を操る投球に、相手打者は的を絞れず凡打の山。エースが低迷するチームを2位に押し上げる快投を見せた。

東北楽天ゴールデンイーグルス



■2013年・田中将大

 2013年はまさに神懸かりとも呼べるほどの活躍を見せた。本拠地・仙台での開幕戦となった4月2日のオリックス戦で初登板し、7回1失点で初白星。連勝街道がスタートする。11勝目を挙げた7月2日のロッテ戦では、球団新記録となる31イニング連続無失点。これは「42」で途絶えたが、前半戦を13勝無敗で終えた。19試合目の登板となった8月9日のソフトバンク戦ではプロ野球新記録となる開幕16連勝。そして9月26日の西武戦では救援として9回のマウンドに上がり、球団初となるリーグ優勝の胴上げ投手となった。シーズン最終登板、10月8日のオリックス戦では7回2失点。今後、破られそうにない24勝無敗を達成した。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・柳田悠岐


■2020年・柳田悠岐

 2020年は数々の功績を上げてきた主砲・柳田悠岐が、最も安定した活躍を見せたシーズンと言っていいだろう。前19年は大きなケガにより長期離脱を余儀なくされたが、この年は体のケアにも気を配って1度も離脱することなくシーズンを完走。欠場わずか1試合のみだった。コンスタントに打ち続け、積み重ねた安打は145本。自身初となる最多安打のタイトルを獲得しただけでなく、打撃主要部門で軒並み上位に名を連ねる打ちっぷりだ。特に7月は打率.433と爆発力を見せ、一気にチームを首位に押し上げると、3年ぶりのリーグ優勝、4年連続日本一に貢献した。やはり主砲がどっしり構えていることは、チームにとって何よりも大きいとあらためて感じさせられた。

埼玉西武ライオンズ


西武・森友哉


■2019年・森友哉

 一時は首位・ソフトバンクに8.5ゲーム差をつけられながら、夏場以降の猛追で逆転優勝。2019年、連覇を果たしたチームで森友哉が果たした役割は大きかった。強力打線の三番は8月後半に4試合連続本塁打をマークするなど、月間打率.377、10本塁打、30打点をマーク。最終的には打率.329をたたき出し、捕手としては1965年野村克也(南海)、91年古田敦也(ヤクルト)、12年阿部慎之助(巨人)以来、4人目となる首位打者に輝いた。23本塁打を放ち、得点圏打率もリーグ1位の.411で同3位の105打点。捕手としても悪戦苦闘しながら、投手陣を牽引。“強打の捕手”として確固たる地位を築いた森は文句なしのMVPに輝いた。

写真=BBM
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