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山田哲人、金本知憲、佐々木主浩…セ・リーグ6球団「直近のMVP」は誰?

 

シーズンで最も優秀だった選手に贈られるMVP。過去の受賞者には球史を彩った名プレーヤーの名前が並ぶ。果たして、誰がMVPの栄誉に浴しているのか。セ・リーグ6球団で「直近のMVP」を挙げていく。

東京ヤクルトスワローズ



■2015年・山田哲人

 14年ぶりの優勝を成し遂げた2015年に、山田哲人が選ばれている。当時の山田はプロ5年目、レギュラーをつかんで2年目だった。山田はこの年、自身初のトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成。さらに、史上初めて本塁打王と盗塁王を同時に獲得し、最高出塁率のタイトルもかっさらった。15年のヤクルトは、川端慎吾が首位打者と最多安打、畠山和洋が最多打点と、ヤクルト勢でほとんどの打撃タイトルを独占。そんな中で、チームで唯一全試合フルイニング出場を果たした、23歳の若者がMVPに選ばれたのだった。優勝を果たした今季は、主将としてチームを支えてきた。今年のMVPには村上宗隆が有力視されるが、山田の活躍もMVP級だった。

阪神タイガース



■2005年・金本知憲

 阪神の前回優勝時の四番打者だった金本知憲。岡田彰布監督が就任した2004年から四番を任された。05年にキャリアハイとなる打率.327、40本塁打、125打点を挙げて、2年ぶりとなるリーグ優勝に大きく貢献しMVPも獲得した。四番でありながら120得点をマーク。この数字からは阪神打線自体が切れ目のない打線であったことがうかがえる。この年の4月には通算300号本塁打を達成。阪神では1985年の掛布雅之以来、日本人で40本塁打を放つなど、阪神ファンの記憶に残るシーズンとなった。

読売ジャイアンツ



■2020年・菅野智之

 原辰徳監督が復帰し、5年ぶりにリーグを制した2019年はキャプテンの坂本勇人がMVPに輝いた。2連覇となった2020年は、日本プロ野球新記録の「開幕投手13連勝」を飾り、この13連勝目で平成生まれ初の通算100勝目に到達した菅野智之が受賞した。2年目の14年以来、2度目のMVPは、開幕からの連勝記録ももちろん、14勝で最多勝利投手、勝率.875で最高勝率に輝くなど、12の貯金で独走優勝に貢献したことが評価されたものだった。

広島東洋カープ



■2018年・丸佳浩

 広島では、3連覇を達成した2018年、前年に続いて2年連続で栄冠を手にした丸佳浩(現巨人)がもっとも最近のMVPだ。この年は、打撃三冠のタイトルこそ手にしていないが、最高出塁率に輝いている。その出塁ペースはすさまじく、オールスター休みも終わった7月22日終了時点で、なんと.500を記録。一時は歴代最高の1986年の落合博満(ロッテ)の.487を抜くことも期待されたほどだ(最終的には.468)。それを可能にしたのが歴代4位タイの130個の四球。この年、前年の23本から39本と本塁打数を激増させ、相手投手が警戒する状況をつくったことが要因になった。この年を最後にFAで巨人に移籍。以来、広島はBクラスが続く結果となっている。

中日ドラゴンズ



■2011年・浅尾拓也

 2010、11年とチーム初の連覇を達成。10年は和田一浩がMVPに輝いたが、11年は浅尾拓也が獲得した。主にセットアッパーとして、時に岩瀬仁紀に代わって守護神を務め、球団記録となる79試合に登板。7勝2敗10セーブに45ホールド、防御率は0.41と突出した成績を残した。中継ぎ投手がMVPを獲得したのは初の快挙。細身の体から繰り出す150キロのストレートに鋭く落ちるフォークが武器だった。当時の指揮官、落合博満監督からも「浅尾と岩瀬でやられたら仕方がない」と抜群の信頼感を得ていた。けん制とフィールディングがうまく、中継ぎながらゴールデン・グラブ賞も受賞している。

横浜DeNAベイスターズ



■1998年・佐々木主浩

 1998年、ベイスターズの38年ぶりの優勝は守護神・佐々木主浩の存在なくしては成し遂げられなかったと言っても過言ではない。圧倒的な球威と宝刀フォークでシーズン45セーブ(最多救援投手)、防御率は0.64という驚異的な数字を残した。相手チームにとっては背番号22を背負う「大魔神」がマウンドに上がった瞬間、ゲームセットを宣告されたも同然だった。リーグV、さらに日本一の胴上げ投手となり、その年はMVPのほかに、ベストナイン、正力松太郎賞にも選出され、愛称である「ハマの大魔神」が新語・流行語大賞を受賞するなど社会現象となった。

写真=BBM
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