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牧秀悟、佐藤輝明が20本塁打超え! 過去20年ではわずか1人…シーズン20発以上を記録した新人は?

 

新人ながら20本塁打以上をマークしたDeNA・牧(左)、阪神・佐藤輝


 1年目ルーキーが投打で躍動する今季、特に打撃面で活躍が目立つのがDeNAの牧秀悟と阪神の佐藤輝明だ。牧は打率3割、本塁打20本以上という史上4人目の記録を達成。佐藤輝も24本塁打で球団新人の最多本塁打記録を更新した。共に新人ながら20本塁打に到達したが、同じように1年目で20発以上を放った選手は2000年以降で何人いるのだろうか?

1年目新人によるシーズン20本以上は相当に難しい記録


03年、横浜の村田は1年目で25本塁打を放っていた


 2000年以降でシーズン20本以上を達成した新人は以下のとおり。

村田修一(横浜)25本塁打/2003年

 2000年以降での達成は村田ただひとりだ。そのため、佐藤輝と牧は村田以来18年ぶりの新人20発となる。そもそも、新人でいきなりシーズン20本塁打以上を記録するのが珍しい。それだけに、1シーズンで2人も20本以上というのは非常にレアケースなのだ。ちなみに、2010年には巨人長野久義(現・広島)が1年目から打棒を発揮したが、19本塁打で惜しくも20本に届かず。当然ながら新人で本塁打を量産することは容易ではない。

 では、2リーグ制となった1950年以降に範囲を広げた場合、1年目で20本以上を記録した選手は何人いるのだろうか? 以下に1年目20本以上の選手をまとめてみた。

桑田武(大洋)31本塁打/1959年
清原和博(西武)31本塁打/1986年
長嶋茂雄(巨人)29本塁打/1958年
豊田泰光(西鉄)27本塁打/1953年
村田修一(横浜)25本塁打/2003年
佐藤輝明(阪神)24本塁打/2021年
森徹(中日)23本塁打/1958年
深見安博(西鉄)22本塁打/1950年
田淵幸一(阪神)22本塁打/1969年
原辰徳(巨人)22本塁打/1981年
石井浩郎(近鉄)22本塁打/1990年
牧秀悟(DeNA)22本塁打/2021年
樋笠一夫(広島)21本塁打/1950年
戸倉勝城(毎日)21本塁打/1950年
有藤道世(ロッテ)21本塁打/1969年
石毛宏典(西武)21本塁打/1981年
※本数順

 1950年以降で1年目から20本以上を記録した選手は、今季の佐藤輝と牧を含めた16人。トップは桑田と清原の31本。桑田は1年目新人で最多本塁打のタイトルを獲得した選手だが、清原は高卒1年目で桑田に並ぶ数字をマーク(桑田は大卒入団)。あらためて恐るべき新人記録だといえる。また、1958年の長嶋は29本塁打で最多本塁打のタイトルを獲得しており、1年目での本塁打王は桑田と長嶋の2人のみだ。

20本塁打以上が複数登場したケースは?


 今季は佐藤輝と牧が1年目でシーズン20本に到達しており、佐藤はNPB史上15人目、牧は16人目となる。佐藤は24本塁打で1年目新人では歴代6位に入る記録。一時期は30本到達はおろか、1年目新人記録を更新するかという勢いだったが、後半戦で失速したのが残念なところだ。牧は22本塁打をマークした上に打率も3割に到達。「新人の3割20本」は過去3人しか記録していない達成困難な記録だけに、快挙といえる。

 また、今季のように20本以上放った新人が複数登場したケースは、1950年(3人)、1958年(2人)、1969年(2人)、1981年(2人)と過去4例。今回で5例目となるが、前回からは40年ぶりとかなり時間が空いている。繰り返しになるが、新人20本以上はそれだけ難しい記録なのだ。

 1年目新人の20本以上は、佐藤輝と牧を含めて通算16人。しかし、元号が「令和」に変わってからは佐藤が1人目、牧は2人目となる。平成の時代にはわずか2人しか出なかったが、令和では何人が1年目で20本以上を放つだろうか。2年連続での輩出も過去1例(1958年〜1959年)しかないため、果たして佐藤輝と牧に続く新人が出てくるのか、来季を楽しみに待ちたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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