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川口和久WEBコラム

日本ハム・新庄新監督? そこに来たか!/川口和久WEBコラム

 

新庄二世は出てくるのか?


阪神時代、敬遠サヨナラ打


 ペナントレースが終わり、早いもので11月に入った。

 温暖化もあってか東京はまだ暖かいが、北海道あたりは、もう冬の気配がし始めているんだろうね。

 先日、そんな北海道の気温を2、3度上げたんじゃないかというニュースがあった(大げさか)。

 新庄剛志日本ハム監督就任だ。これを聞いたとき、俺は頭の中で、郷ひろみさんのCMが何度も思い浮かんだ。

「この国に、もっとエンターテイメントの力を」

 というヤツだ(少し前だけど、知ってますか?)。

 年齢は49歳、札幌移転後の日本ハムへの貢献度もずば抜けて高い。そう考えれば、監督就任は意外ではないけど、やっぱり意外に思った人は多いだろう。それはエンターテイナーの印象が強いからだ。最近のバラエティー番組への出演もあって「こんな軽い人が監督になれるの?」と思ったかもしれない。

 ただ、今の日本ハムに何が足りないか考えたとき、これが正解なのかなと思う。明るさだったり、派手さだったり、要はエンターテイメントが足りなかったからね。

 評価が分かれるかもしれないけど、俺は栗山英樹は素晴らしい監督だったと思う。自分の色を強く出すというより、現有戦力でどう戦うかに長けた監督だった。だから大谷翔平がいた時代は派手にも見えたし、若くて小粒な選手が多かった近年は地味にも見えた。でも、育成、育成と言われ、大した補強もしてもらえなかった中、10年間よくやったと思う。

 ただ、現状成績、人気とも低迷し、これから新球場もできる。やはりチームを変えなきゃ、新しい野球をしなきゃと考えたとき、新庄がいて稲葉篤紀がいた黄金時代と思ったんだろうね。

 新庄監督で間違いなく、お客さんは増えるだろうけど、野球って監督のパフォーマンスだけでは強くなれない。彼だけが目立っても仕方ない。

 日本ハムの現役時代でも集客面での新庄効果は1年目より2年目は確実に落ちていた。

 それを一番感じていたのは当時の新庄自身だったと思う。実際、2006年の優勝イヤーの前、「このままじゃいけない。チームが勝たなきゃいけない」という危機感を持っていたと聞く。

 ファンにオーダーを選んでもらうとかいろいろ考えているようだが、強化とエンターテイメントの両立をどうやっていくのか。自由自在、硬軟自在の新庄野球が楽しみだね。

 新庄は現役時代、華があった。打率は大したことがないけど勝負強く、外野守備ではファインプレーも多かった。彼がいる場所にはいつもスポットライトが当たっているように思えた。

 ただ、決していい加減なプレーはしなかった。特に外野守備。ボロボロのグラブを最後まで使いながらワンプレー、ワンプレーを大事にしていた。野球に対しては、すごくマジメだった。強引なホームスチールもあったけど、あれもオールスターだったしね。

 ああ、無茶なプレーと言えば、阪神時代、巨人戦で槙原寛己から敬遠球のサヨナラがあった。あれはすごかった。これから第2の新庄を育ててぜひ再現を、と思ったが、今の申告敬遠のルールではできないか。

 新庄監督、パだけ申告敬遠をやめてもらっては?

写真=BBM
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