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村上宗隆、青柳晃洋、岡本和真…セ・リーグ6球団「今季のMVP」は誰?

 

2021年シーズンも全日程が終了した。今季は昨年最下位だったヤクルトが優勝を果たしたが、各球団で最も勝利に貢献した選手は誰になるのだろうか。セ・リーグ6球団の「今季のMVP」を挙げていく。

1位・東京ヤクルトスワローズ


左からヤクルト・村上宗隆、つば九郎、山田哲人


 リーグ優勝を果たした夜、高津臣吾監督は「誰かがいなかったら、たぶん優勝できてないと思います」と、全員でつかみ取った頂点であることを強調した。つまり、チーム全員がMVPなのだ。ただ、やはり山田哲人と村上宗隆の貢献は大きい。ともに30本塁打以上、100打点以上。今季、シーズン600得点以上はヤクルトのみで、2人のバットだけで約3分の1をたたき出したことになる。投手陣の活躍も大きかった。先発では奥川恭伸がエース級の活躍を見せ、中継ぎも清水昇が日本新記録となるシーズン50ホールド。投打でヒーローが生まれ、全員の力でペナントをつかみ取った。

2位・阪神タイガース



 9回の安定感ぶりは12球団No.1ということでスアレスがMVPという考えもあるが、やはり試合をつくり、勝ちゲームにしないことにはクローザーにバトンは渡せない。そう考えるとセ・リーグ最多勝の13勝(6敗)の成績を残した青柳晃洋がMVPと言っていいだろう。今季はコントロールが安定して、6回以上を投げ切ることがほとんどでチームに勝つチャンスを与え続けた。「最多勝よりも優勝がしたかった」と本人が悔しがるが、サイド右腕が作り出した7つの貯金がなかったら、阪神の優勝争いはなかった。

3位・読売ジャイアンツ



 39本塁打、113打点で2年連続の2冠に輝いた岡本和真をおいて他にはいない。優勝争いが佳境を迎えた9、10月はやや当たりが止まりはしたものの、シーズンを通しての貢献度は計り知れない。今季は新型コロナウイルスの影響や故障、不調でたびたび主力選手たちが一時離脱したが、頼れる主砲は「四番・三塁」に座り続け、143試合全試合出場。苦しい時期に、ポイントゲッターとしてチームを支え続けた。間もなく開幕を迎えるクライマックスシリーズでも、岡本の働きなくして下克上はあり得ない。

4位・広島東洋カープ



 防御率0点台の新人クローザー・栗林良吏や、捕手と一塁手を掛け持ちしながら首位打者を争った坂倉将吾も捨てがたいが、やはりMVPとなるとこの男だろう。打率.317、出塁率.433で2冠に輝き、本塁打もトップまであと1本の38本を放った鈴木誠也だ。今季は、前半戦は新フォームがしっくりきていない感じもあったのに加えて新型コロナ感染による戦列離脱もあり、本調子ではなかったが、後半戦に入って、ときにはノーステップ打法でスタンドに放り込むなど打棒が爆発。9月上旬にはプロ野球記録にあと1と迫る6試合連続本塁打も記録し、主砲の責任を果たした。このオフにポスティングシステムでMLB挑戦のウワサも流れるが、さてどうなるか。

5位・中日ドラゴンズ



 今季のチームMVPを選ぶなら一人しかいない。誰もが柳裕也の名を挙げるだろう。異論はないはずだ。シーズンを通して先発ローテーションを守り、26試合に投げて11勝6敗。防御率2.20で最優秀防御率、168奪三振で最多奪三振のタイトルも獲得した。もう少し打線の援護があれば、最多勝も獲得して投手3冠の可能性もあったはずだ。今季は開幕直前にプレートの踏み位置を一塁側から三塁側へと変え、これが成功した。マウンド上で自分のやるべきことを明確にし、プラス思考で投げられるようになったことも大きい。ドラゴンズのエースは沢村賞左腕の大野雄大。だが、来年も柳が今年のような成績を挙げることができれば、その域に近づくことができるのではないか。

6位・横浜DeNAベイスターズ



 堂々としたルーキーイヤーを過ごした。ドラフト2位・牧秀悟は134試合に出場し、153安打で打率.314、22本塁打、71打点をマークし、新人ながらベイスターズ打線の顔となった。疲労を感じるであろう10月に、牧のバットは加速した。月間打率は.452と打ちまくり、さらにケガのオースティンに代わって四番に座ると、15試合で58打数30安打、驚異の打率.517をたたき出した。記録ラッシュもすごかった。史上初の新人サイクル安打をはじめ、35二塁打は新人最多、14度の猛打賞は新人最多タイ記録となった。戦況を見つめ、仲間を鼓舞する姿はベテランの風格。2021年のチームMVPにふさわしい存在だった。

写真=BBM
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