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背番号物語

【背番号物語】近鉄「#27」神部年男、古久保健二の“最長バッテリー”。最後は坂口智隆の背中で

 

古久保は「57」の歴代でも最長


近鉄で9年間「27」を背負った古久保


 巨人には森昌彦西武には伊東勤ヤクルトには古田敦也、21世紀には中日谷繁元信。いずれも黄金時代の正捕手であり、背負っていたのは「27」だった。捕手ナンバーという印象がある背番号はいくつかあるが、その代表格といえるのが「27」だ。その傾向はプロ野球の草創期に始まり、現在も変わらない。

 一般的にチームで正捕手といえるのは1人だけだが、その例外といえるのが、この連載で久々に登場する近鉄。2人の捕手が正捕手の座を分け合うのは近鉄の伝統ともいえて、その最たるケースは70年代から80年代にかけて活躍した有田修三梨田昌孝の“アリナシ・コンビ”になるだろう。有田も梨田も「27」を背負ったことはなかったが、正捕手の存在が独特だった近鉄の「27」も、歴代で最長は捕手。近鉄ひと筋20年の古久保健二だ。なお、古久保は選手として着けた背番号は2つのみで、プロ1年目の83年から93年まで背負った「57」でも歴代の最長となる。

 古久保が94年に「27」へと変更すると、「57」は近鉄の「2」でも紹介した捕手の的山哲也が継承。古久保の「27」は一般的な印象に合流した形で、「57」のほうが近鉄では捕手ナンバーといえるかもしれない。古久保は「57」で88年にロッテとの最終戦ダブルヘッダー、いわゆる“10.19”を戦い、翌89年のリーグ優勝を支えて、「27」2年目の95年に自己最多の113試合に出場。最後のリーグ優勝となった2001年にも53試合に出場して、翌02年にユニフォームを脱いでいる。

神部も古久保と同じく近鉄で9年間「27」を着けた


 この古久保に並ぶ9年間で「27」を背負ったのが左腕の神部年男だ。ドラフト2位で1970年に入団、1年目から「27」で先発の一角を確保して8勝を挙げた神部は、翌71年から2年連続、74年からも2年連続で2ケタ勝利。72年と74年には防御率リーグ2位、75年にはノーヒットノーランもあった。スライダー回転の直球を武器とした神部だが、最大の武器は一塁への牽制球。ボークすれすれともいわれたが、打者への投球と同じモーションで一塁を牽制、阪急(現在のオリックス)の世界の“盗塁王”福本豊ら多くのパ・リーグの走者を悩ませた。ただ、2度のリーグ優勝を経験した古久保とは対照的に、神部は78年オフにヤクルトへ移籍。近鉄が初のリーグ優勝を飾る直前のことであり、ヤクルトが初のリーグ優勝を果たした直後のこと。神部は優勝とは無縁のまま82年オフに現役を引退している。

若き坂口は8試合の出場のみで……


 初代は外野手の加藤春雄で、50年から4年間を「27」で過ごして引退したが、57年シーズン途中から代理監督、翌58年は正式に監督として指揮を執って低迷期のチームを支えた功労者だった。2代目は、外野だけでなく捕手としてもマスクをかぶり、戦前からプレーして近鉄が5チーム目となる木村勉だ。54年から58年を近鉄の「27」で過ごし、「加藤久幸」の登録名で指揮を執っていた前任の加藤とともにユニフォームを脱いでいる。

 なお、神部の前任で、69年だけ「27」でプレーした同姓の木村重視も古久保と同じく近鉄ひと筋の捕手。ただ、背番号の変更は多く、65年から「54」、「27」を経て70年からは「12」、73年からは「43」でプレーし、神部が去った78年オフにユニフォームを脱いで、やはり優勝を知らないまま現役を終えている。2人の木村に挟まるのは5人で、最長は4年の斎田忠利。大映から来た外野手だが、のちパ・リーグ審判部長に。他はチャック、ボレスらの助っ人、他のチームで活躍した投手の大崎隆雄、外野手の長谷川繁雄がラストイヤーを過ごした。

近鉄最後の「27」は坂口だった


 神部の後継者も「池辺巌」の登録名で外野や内野を守り、近鉄の1年で引退した池辺豪則。80年からの光井正和は内野手、ヤクルトから来て86年から88年まで着けた南秀憲は右腕で、ともにブレークはならなかったが、翌89年に継承した外野手の中根仁は1年目から活躍、94年に「7」へと変更して、「27」を古久保に託した。その後継者がドラフト1位で2003年に入団した外野手の坂口智隆だ。現在もヤクルトでプレーを続ける大ベテランだが、近鉄では若武者。近鉄は04年オフに“消滅”、坂口も8試合に出場したのみだった。

【近鉄】主な背番号27の選手
加藤春雄(1950〜53)
神部年男(1970〜78)
中根仁(1989〜93)
古久保健二(1994〜2002)
坂口智隆(2003〜04)

文=犬企画マンホール 写真=BBM
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