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フレッシュトーナメント3試合で9打数1安打。慶大・清原正吾の課題と収穫は?

 

かけがえのない10打席


慶大の1年生・清原正吾は明大とのフレッシュトーナメント3・4位決定戦[11月4日]で四番・一塁で出場。3打数無安打で、試合は3対3で規定により7回で打ち切り


 3試合で9打数1安打。この結果を、どう受け止めるか。少なくとも、慶大・清原正吾(1年・慶應義塾高)にとっては、かけがえのない10打席になったことは言うまでもない。

 課題と収穫は何か?

 ネクストサークルでは、理想の軌道で、バットを振っているように見える。オープン戦、紅白戦でも結果を残していることからも、打席で自身の武器と語る、自分の形で「フルスイング」できれば、結果は出る。そのことは、清原が最も分かっている課題のはずだ。

 しかし、神宮の打席ではどうしても、力が入ってしまうようだ。11月3日の東大戦では初めて「四番・一塁」に入り、4日の明大との3・4位決定戦も同打順に入った。NPB通算525本塁打の父・和博さん(元オリックスほか)の現役時代の「指定席」であり、周囲の期待も大きくなる。本人は出場している以上、言い訳をしないだろうが、約6年のブランク(中学時代はバレーボール、高校時代はアメリカンフットボール部)がある中で、1年春、秋とフレッシュトーナメント(2年生以下でチーム編成)でプレーすること自体が、相当なレベルにあるのだ。

一塁守備を軽快にこなした。約6年ブランクのある清原にとって「野球の動き」を学ぶ上でも、実戦はすべてが勉強である


 打席ばかりに注目が集まるが、今後、常時出場を目指していく上で、守りも大事だ。早大との初戦こそDHだったが、東大戦、明大戦では一塁守備をこなした。慶大・堀井哲也監督は「野球の動き」に順応していくことがポイントと語っていたが、この2試合は打席以上に収穫が多かったはずだ。

 大器であることは間違いない。焦る必要はない。堀井監督は「3年春からレギュラー争いに加わってくればいい」と、構想を描く。清原に限らず、慶大では1、2年時は「強化期間」と位置付けており、3年春から他の五大学と「対等に勝負する」という育成プランがある。4年のうち、1年が終わったばかり。

「四番、ファースト、清原君」

 何度聞いても、良い響きである。一冬を越え、来春は劇的な成長が見られるはずだ。

写真=矢野寿明
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