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広島の懸案事項は大瀬良&九里のFA流出 「他球団に行かないで」とファンから悲痛な叫びが

 

数字以上のチームへの貢献度



 佐々岡真司監督の来季続投が正式に決まった広島。今季は4位に沈み、2019年から3年連続Bクラスとクライマックスシリーズ進出も逃している。16〜18年に球団史上初のリーグ3連覇を達成し、「黄金時代」を築いたことを考えると、低迷する現状は寂しい限りだ。

 チームの戦力を整えなければいけない中、このオフは大きな懸案事項がある。主力選手の他球団への流出だ。不動の四番・鈴木誠也は今季打率.317、38本塁打、88打点で2度目の首位打者、最高出塁率(.433)の2冠を獲得した。メジャーの数球団が獲得に向けて熱視線を送る。ポスティングシステムで移籍の可能性も十分考えられる。球界屈指の強打者に代わる選手はいない。全員でその穴をカバーしなければいけない中、失点を防ぐために投手陣も強化しなければいけない。そこで、去就が注目されるのが今季中にFA権を取得した大瀬良大地、九里亜蓮の両右腕だ。

 今季から投手キャプテンを務める大瀬良は3年連続3度目の開幕投手を務め、23試合登板で10勝5敗、防御率3.07。昨年は度重なる故障で5勝に終わり、9月に右ヒジのクリーニング手術を受けた。復活を期した今季は4月に右ふくらはぎを負傷して戦線離脱。5月中旬に一軍復帰以降も7試合連続登板で白星なしで苦しんだ時期もあったが、8月以降は7勝と力感あふれる投球を取り戻した。2年ぶりの2ケタ勝利をマークし、復活を印象付けた。

 誰もが認めるエースは残す数字以上にチームへの貢献度が高い。人格者で知られ、後輩たちに慕われる。野球に向き合うストイックな姿勢は良きお手本だ。「大瀬良の存在なくして広島は頂点に立てない」。地元のテレビ関係者がそう断言するほど、その存在感は絶大だ。

初の2ケタ勝利で最多勝獲得


広島・九里亜蓮


 大瀬良と同期入団の九里は大ブレークの年になった。スライダー、カットボール、ナックルカーブ、チェンジアップ、フォーク、ツーシームと多彩な変化球を武器に、得点圏に走者を背負っても粘り強く投げて大崩れしない。18年以降に先発ローテーションに定着して2ケタ勝利になかなか届かなかったが、今季は25試合登板で13勝9敗、防御率3.81。自身初の最多勝のタイトルを獲得したことは、大きな自信につながるだろう。

「大瀬良と九里は互いの存在を励みに切磋琢磨してきた。今後も同じチームでプレーしたい気持ちもあるでしょう。一方で、野球人として高く評価してくれる他球団の話を聞きたいのも事実。大瀬良の動向が九里の決断に影響を及ぼすように、その逆もあり得る。もちろん、この2人が流出したらチームにとっては大打撃です」(スポーツ紙記者)

広島にはFA流出の歴史


 広島は過去に川口和久江藤智金本知憲新井貴浩大竹寛丸佳浩と主力選手が他球団にFA移籍した歴史がある。広島ファンからは「球団は誠心誠意見せて大瀬良と九里の二人の残留に注力してほしい。二人とも生涯カープの気持ちを持ってくれているんだから!2人で20勝計算できるのに、手放す手はない」、「今までもチームの顔だった選手が巨人阪神に移籍して戦力ダウンしてきた。大瀬良も九里も広島愛が強い選手。他球団に行かないで欲しい」と慰留を熱望する声が多い。

 昨オフは中日大野雄大ヤクルト山田哲人と「FAの目玉」として注目された選手たちが残留して長期契約を結んでいる。大瀬良、九里に対して他球団の関心は強いが、どのような決断を下すだろうか。

写真=BBM
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