週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

【一番採点】巨人55点、阪神95点、ヤクルト70点…セ・リーグ6球団「一番打者」の評価は?

 

先頭打者として打線を牽引する一番打者。チームに勢いを与える切り込み隊長は、その役割を今季果たすことができたか。セ・リーグ6球団の一番打者を100点満点で採点した。

読売ジャイアンツ



巨人 55点

 今季は10人が起用された一番だが、松原聖弥が最多77試合の先発で後半戦はほぼ不動のものとした。一番打者として打率.278(出塁率.344)、8本塁打、25打点、11盗塁はまずまずの成績で、チームの中で野手ではもっとも飛躍を遂げた1人と言える。今季限りで引退する亀井善行に「あんた天才だよ」と言われる打撃は、あとは得点圏での勝負強さと、追い込まれてから簡単に三振しない粘り強さが伴えば、相手が嫌がるタイプのトップバッターに。ポストシーズンを戦っている最中だが、さらなる成長が期待される。

阪神タイガース



阪神 95点

“たられば”の話はご法度だが、もし阪神が優勝していたなら、間違いなく打でのMVPは一番打者の近本光司だろう。打率.313、178安打(リーグ最多安打)、得点91(リーグ1位)、24盗塁に10本塁打を記録。近本自身の目標でもあった100得点に9足らず、チームが優勝を逃したことを考慮し、来季への100点を期待して今季は95点とする。終盤の優勝争いでは、ヒットを打ち続け頻繁にチャンスメーク。開幕当初の打撃不振が今後の課題で、そこをうまく乗り切れたら、首位打者も200安打も達成できるはずだ。

東京ヤクルトスワローズ



ヤクルト 70点

 塩見泰隆自身がそう口にしていたこともあって、70点とした。とはいえ、故障がちだったこれまでと変わって、今季はシーズンを一軍で完走。キャリアハイとなる140試合に出場して98試合で一番を担い、打線をけん引してきた。9月18日の巨人戦(東京ドーム)ではサイクル安打を達成し「4三振もするけど、サイクルもできるのが塩見の魅力」と高津臣吾監督はリードオフマンの能力と意外性を称えている。「僕は調子の浮き沈みが激しいんです」と本人も自覚するように打撃に波があるのも事実で、シーズン後半には安打の出ないゲームが続いて思い悩んだ。それでも、ノーヒットノーランを阻止すること3度、Vを目前に足踏みし5試合ぶりに勝利した10月24日の巨人戦(神宮)で攻撃の口火を切ったのは、塩見の内野安打だった。今季のリーグ優勝は、塩見の活躍なくして成し得なかっただろう。

広島東洋カープ



広島 30点

 開幕は田中広輔でスタートしたが、調子が上がらず、11試合目から早々に菊池涼介が務める形に変わり、前半戦はほとんど菊池涼が務めた。ただ、やはりベテランには体の負担もある上、菊池涼は元来、走者を置いて打席に立ったほうが持ち味が出るタイプ。後半戦は、コンディションによって入れ替えはあったが、俊足外野手の野間峻祥、宇草孔基が主に務める形となり、まずまずの結果を残した。ただ、やはり年間通して固定できなかったという点で、高い点数をつけることはできないだろう。来季は野間、宇草が候補となるが、宇草はシーズン終了後、昨年手術した右足首のプレートを外す手術を受けたため、野間が半歩リードしてのスタートとなるか。

中日ドラゴンズ



中日 60点

 開幕一番に名を連ねたのはベテランの大島洋平。中日不動のリードオフマンだ。3年連続で最多安打のタイトルを狙っていた大島は、一番の役目を十分に果たしていたが、打線が深刻な得点力不足に陥ったことで、7月からは三番への打順変更を強いられた。大島に代わって一番を務めることになったのが京田陽太だ。前半戦は打撃不振で5年目にして初の二軍降格を経験。その悔しさをバネに一番に座った後半戦は復調した。全143試合中、大島は74試合、京田は61試合でスタメン一番を務めたが、2人を足した平均となると60点あたりが妥当か。一番タイプの大島をクリーンアップに置かざるをえなかったことが、今年の貧打線を象徴していたとも言えるだろう。

横浜DeNAベイスターズ



DeNA 90点

 見事なV字回復だった。開幕前は神里和毅が一番・中堅の有力候補だったが、桑原将志がオープン戦から猛アピール。ここ数年は二軍で過ごす時間も長かった背番号1は3年ぶりの開幕スタメンに指名されると、昨年までの不振が嘘のようにヒットを量産。実力でレギュラーの座を奪い返した。復調の要因は意識の変化にあった。「今までは併殺打があったら次は何とかしようとしていた。でも今は割り切って、振り返りは後からするようにしている」と1打席への集中力が増した。打率.310(リーグ5位)、本塁打14はともにキャリアハイ。外野守備で何度もチームの窮地を救ってくれた。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング