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最多はどこ? 今季最もスタメンオーダーが入れ替わったチームは?

 

全試合で村上が四番に座ったヤクルト打線は今季何通りの打順を組んだ?


 10月29日、日本ハムが「来季の新監督に新庄剛志を起用する」という、今シーズン最大のサプライズともいえる発表が行われた。3年連続リーグ5位と下位に甘んじているチームに、どのようなテコ入れを行うのか注目だが、やはりポイントは得点不足の改善だろう。最終的に最下位は免れたが、今季は打線の軸が固定できず、スタメンオーダーの数は143試合で125通りと多かった。では、今季日本ハム以上にスタメンオーダーが入れ替わったチームはあるのだろうか? 12球団のスターティングメンバ―を調べ、変更回数の多い順に並べてみた。

第1位 オリックス……130通り


【今季最多オーダー】各3度
一番:福田周平
二番:宗佑磨
三番:吉田正尚
四番:杉本裕太郎
五番:T-岡田
六番:安達了一
七番:モヤ
八番:若月健矢
九番:紅林弘太郎

一番:福田周平
二番:宗佑磨
三番:吉田正尚
四番:杉本裕太郎
五番:T-岡田
六番:安達了一
七番:来田涼斗
八番:若月健矢
九番:紅林弘太郎

一番:福田周平
二番:宗佑磨
三番:紅林弘太郎
四番:杉本裕太郎
五番:T-岡田
六番:安達了一
七番:モヤ
八番:伏見寅威
九番:山足達也

 パ・リーグ優勝のオリックスは143試合で130通りのオーダーと非常に多かった。福田、宗の一番・二番コンビをはじめとする上位打線はおなじみのオーダーだったが、下位打線が日替わり状態。また、終盤は吉田の離脱もあり、下位打線の中心だった紅林を三番で起用して得点力を維持した。

第2位 日本ハム……125通り


【今季最多オーダー】4度
一番:淺間大基
二番:西川遥輝
三番:野村佑希
四番:近藤健介
五番:高濱祐仁
六番:王柏融
七番:ロドリゲス
八番:中島卓也
九番:清水優心

 今季、深刻な得点不足に苦しんだ日本ハムは、オリックスに次ぐ125通りのオーダーを駆使。不祥事による登録抹消の後、巨人に移籍した中田翔をはじめ主力の調子が上がらず、好投を見せる投手陣の援護ができない試合も多かった。しかし、野村など今後を担う若手も成長著しく、新庄新監督の下で来期は巻き返しを図りたいところだ。

第3位 ソフトバンク……119通り


【今季最多オーダー】各6度
一番:周東佑京
二番:今宮健太
三番:柳田悠岐
四番:グラシアル
五番:中村晃
六番:デスパイネ
七番:栗原陵矢
八番:松田宣浩
九番:甲斐拓也

一番:周東佑京
二番:今宮健太
三番:柳田悠岐
四番:グラシアル
五番:栗原陵矢
六番:デスパイネ
七番:中村晃
八番:松田宣浩
九番:甲斐拓也

 ソフトバンクは119通り。工藤公康監督率いるソフトバンク打線は、一昨年、昨年も日替わりのようにオーダーを変える「猫の目打線」が特徴だが、今季も細かくオーダーを変えながら戦った。残念ながら大事な局面で敗戦を繰り返し、終盤でも連敗を喫して上位浮上の機会を逸した。

第4位 広島……118通り


【今季最多オーダー】5度
一番:野間峻祥
二番:小園海斗
三番:西川龍馬
四番:鈴木誠也
五番:坂倉将吾
六番:會澤翼
七番:菊池涼介
八番:林晃汰

 広島は12球団中4番目の118通り。セ・リーグではトップのオーダー数となる。今季は長くリーグ下位に沈んでいたが、9月後半から一気に盛り返した。今季最多オーダーには入っていないが、宇草孔基が10月に入ってから小園海斗とのコンビで活躍。来季のさらなる飛躍が期待される。

第5位 巨人……110通り


【今季最多オーダー】6度
一番:松原聖弥
二番:ウィーラー
三番:丸佳浩
四番:岡本和真
五番:坂本勇人
六番:梶谷隆幸
七番:北村拓己
八番:大城卓三

 巨人は110通りで12球団5番目の多さだった。主砲の岡本和真は今季全試合に四番で出場し、最多本塁打と最多打点の二冠を獲得。また、巨人では育成出身初の規定打席到達の松原など若手の成長もあったが、丸や坂本といった打線の要に好不調の波があり、得点不足で落とす試合も多かった。

第6位 西武……109通り


【今季最多オーダー】12度
一番:源田壮亮
二番:岸潤一郎
三番:森友哉
四番:中村剛也
五番:外崎修汰
六番:栗山巧
七番:山川穂高
八番:呉念庭
九番:川越誠司

 所沢にチーム移転した初年度以来、42年ぶりとなるリーグ最下位となった西武。主力の不調や期待の新人の離脱に対応するべく細かくオーダー変更するも、本来の打撃力を発揮することができなかった。主力の高齢化も著しく、若手のさらなる成長が求められる。

第7位 楽天……108通り


【今季最多オーダー】6度
一番:小深田大翔
二番:鈴木大地
三番:浅村栄斗
四番:島内宏明
五番:岡島豪郎
六番:茂木栄五郎
七番:オコエ瑠偉
八番:炭谷銀仁朗
九番:辰己涼介

 オリックス、ロッテと共にリーグ優勝を争った楽天は143試合で108通りのオーダー。鈴木、浅村、島内、岡島といった中軸を固定し、下位打線を入れ替える形が多かった。課題は一番打者の座。終盤は山崎剛の活躍が目立ったが、さらに上位を目指すには、頼れるリードオフマンへの成長が求められる。

第8位 中日……107通り


【今季最多オーダー】7度
一番:大島洋平
二番:阿部寿樹
三番:高橋周平
四番:ビシエド
五番:平田良介
六番:京田陽太
七番:木下拓哉
八番:根尾昂

 中日のオーダー数は107通りで12球団中8番目の数だ。中日も日本ハムと同様に深刻な得点力不足に見舞われ、チーム打率、チーム本塁打共にリーグ最下位。チーム本塁打に至っては12球団でも最下位と厳しいシーズンだった。来季は強竜打線復活に期待したいところだ。

第9位 ロッテ……100通り


【今季最多オーダー】各5度
一番:荻野貴司
二番:マーティン
三番:中村奨吾
四番:安田尚憲
五番:レアード
六番:菅野剛士
七番:鳥谷敬
八番:田村龍弘
九番:藤原恭大

一番:荻野貴司
二番:マーティン
三番:中村奨吾
四番:角中勝也
五番:レアード
六番:安田尚憲
七番:藤岡裕大
八番:柿沼友哉
九番:高部瑛斗

 オリックスと最後までリーグ優勝を争ったロッテの総オーダー数はちょうど100通りだった。同じリーグ上位チームでも、オリックスとはかなりの差がある。下位打線の入れ替えは多かったが、上位は不動の切り込み隊長・荻野貴司を筆頭に固定の選手も多かった。

第10位 DeNA……97通り


【今季最多オーダー】12度
一番:桑原将志
二番:伊藤光
三番:佐野恵太
四番:オースティン
五番:宮崎敏郎
六番:ソト
七番:牧秀悟
八番:大和

 DeNAは143試合で97通りのオーダーを使用。佐野やオースティンなど打撃ランキングで上位に位置する選手も多く、新人の牧の活躍、桑原の台頭など打撃面でポジティブな話題が多かった。しかし、いずれも個人タイトルは獲得できず、チームも最下位。歯車がいま一つかみ合わなかった。

第11位 ヤクルト……72通り


【今季最多オーダー】22度
一番:塩見泰隆
二番:青木宣親
三番:山田哲人
四番:村上宗隆
五番:オスナ
六番:中村悠平
七番:サンタナ
八番:元山飛優

「2度目の前年最下位からの優勝」という、NPB初の記録を打ち立てたヤクルト。今季のオーダー数は72通りだった。全試合四番の村上を軸に、山田、青木、塩見、中村、オスナとほぼ同じ選手を継続して起用。打線の変更のみの試合も多かった。粘り強い起用が実を結んだ形だ。

第12位 阪神……65通り


【今季最多オーダー】16度
一番:近本光司
二番:糸原健斗
三番:マルテ
四番:大山悠輔
五番:サンズ
六番:佐藤輝明
七番:梅野隆太郎
八番:中野拓夢

 阪神は全球団最少となる65通りのオーダーで今季を戦った。最も多かったのはシーズン序盤に用いられた上のオーダーで、4月、5月はおなじみの打線の並びだった。後半戦はマルテを四番に置き、島田と中野のコンビを上位に起用するなどオーダーに工夫を凝らしたが、残念ながらリーグ優勝にはあと一歩届かなかった。

 今季のスタメンオーダーの数をまとめてみたが、パ・リーグ優勝のオリックスが最多、セ・リーグ優勝のヤクルトは12球団中11位と、同じ優勝チームでもオーダーの組み方に大きな違いがあるようだ。DH制の有無もあるかもしれないが、細かくオーダーを変えながら相手に対応するチームと、固定のメンツで相手を粉砕するチーム。性格の異なる2チームが日本シリーズで戦ったらどうなるのか気になるところだが、まずはクライマックスシリーズの戦いぶりに注目だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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