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グラシアル、山川穂高、大田泰示…パ・リーグ6球団「今季の誤算」だった選手は?

 

シーズン143試合と長丁場のペナントレースを戦っていくと、必ず当初の目論見どおりに進まないことも出てくる。活躍が期待されながら、さまざまな要因で結果を残せなかった選手もいるだろう。パ・リーグ6球団の「今季の誤算」だった選手は?

福岡ソフトバンクホークス



 チームにとって最大の“敵”とも言える故障離脱。ここ数年ずっと悩まされてきているのだが、今季はもたらす影響が例年以上に大きく、V逸どころか8年ぶりのBクラス、4位という結果につながった。投手陣ではセットアッパーのL.モイネロ、抑えの森唯斗がそろって不在という時期が長く、ただでさえ負担の大きいリリーフ陣のやりくりに苦戦。僅差勝負をものにできなかったことで、なかなか流れをつかめなかった。ただ、投手陣以上に“誤算”だったのが、攻撃面での、四番を務めていたY.グラシアルの穴。柳田悠岐栗原陵矢が踏ん張ったものの、やはり勝負強さに長けたキューバ人助っ人がいない打線は、相手にとってはそれほど怖さを感じさせなかったのだろう。ここぞというところで1点が奪えないもどかしさも、今季は何度も味わった。藤本博史新監督はそんな打線の問題点を指摘し、「核となるところに外国人がポンと座ってくれたら」と語る。ケガを完治させグラシアルが残留してくれるのが一番なのだが……。

埼玉西武ライオンズ



 開幕から主力野手が相次いでケガで離脱するなど、“誤算”まみれだった今季の西武。チーム力を発揮することができず、42年ぶりの最下位に沈んでしまったが、やはり山川穂高が四番を全うできなかったことも大きな痛手だっただろう。2018、19年と2年連続本塁打王に輝き連覇に貢献した山川。昨年は右足首を捻挫して強行出場した影響もあり、規定打席到達者中で最下位の打率.205、24本塁打、73打点と不本意な成績に。今季は3月30日の日本ハム戦(札幌ドーム)で1号右ソロを打った際に左ハムストリングスの肉離れで戦線離脱。5月7日に一軍復帰したが、打率は2割1分、2分台を行き来して状態が上がらない。5年連続20本塁打をマークしたが、打順は六、七番と下位を打つことが多かった。山川の復活がなければ、西武の再浮上もないだろう。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・大田泰示


 鉄壁の外野陣で不動のレギュラーを務めてきた大田泰示の今季スタメン出場は43試合。打率.204、3本塁打、20打点と、日本ハム移籍後5年間でいずれもワーストの数字に終わった。二軍降格で調整を続けたが、シーズン終盤まで低空飛行。チャンスでの三振や併殺打も目立った。4年連続2ケタ本塁打を放ってきた長打力を期待される大田の不振は、チームの得点力低下に影響を及ぼしたといえる。淺間大基万波中正五十幡亮汰ら、中堅・若手の台頭が著しい外野陣のレギュラー争いはし烈を極める。今シーズン国内FA権を取得し、今後の動向も注目される中、新庄新体制でベテランの存在感を見せることができるか。いずれにせよ、来季は正念場だ。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 まさにアクシデント続きのシーズンだった。開幕2戦目の日本ハム戦(楽天生命パーク)で右手首を痛めて登録抹消に。6月に一軍復帰を果たしたが、今度は7月23日に新型コロナウイルスの陽性判定を受けた。なかなか体力が戻らず、体調も良くならない日々が続き、ようやくファームに合流できたのは8月中旬。一軍復帰は10月5日と、シーズンのほとんどを棒に振ることになった。35試合出場はレギュラーの座をつかんだ2012年以降で最少の数字。銀次の不在で打線や代打の厚みが目減りしたのは確かだった。

千葉ロッテマリーンズ



 カギを握る打順だった。開幕3戦目からマーティンを二番に固定。一番・荻野貴司とチャンスメークするほか、抜群の長打力で一気に得点を奪うことも。三番・中村奨吾、四番・レアードと、強打の助っ人が打順を機能させた。シーズン中盤に負けが込むとマーティンを四番に置き、ファームで振り込んで状態を上げてきた藤原恭大を二番に。打線はさらに厚みを増した。だが、ともに9月の故障を機にバットが湿る……。藤原が死球で一時離脱すると快音が消え、マーティンも自打球を受けて骨折すると三振が増。潤滑油をなくした打線は得点力が低下した。故障は避けられないものだが、攻撃の形が崩れるきっかけとなった、2人の故障は、大きな誤算だった。

オリックス・バファローズ



 山岡泰輔吉田正尚の故障離脱も“誤算”ではるが、今季は助っ人に泣いた。新型コロナ禍の影響で、5月にディクソンが退団を申し入れると、8月にはステフェン・ロメロも退団。投打の助っ人が去り、五輪中断期間中の8月に投手ではバルガススパークマン、野手ではラベロを補強した。だが、アクシデントの連続。ラベロがファームで調整を積み、一軍合流間近だったが、ウエスタンの試合で死球を受けて骨折。バルガスも一軍登板時に故障するなど、相次いで離脱した。そんな“誤算”も「全員で勝つ!!」を掲げて力に変えたナイン。最下位だった昨季からの戦力補強がない中でのリーグ優勝は見事だった。

写真=BBM
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