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川口和久、江藤智、大竹寛…広島から巨人へのFA移籍、過去4人はどんな実績を残した?

 

 今季、リーグ連覇を目指した巨人だが、終盤に失速してリーグ3位で終了。特に投手陣が安定せず試合を落とす場面が多かったため、オフに広島大瀬良大地九里亜蓮といった注目株がFA権を行使するとなれば、獲得に乗り出す可能性は高い。では、広島から巨人にFA移籍した選手は過去に何人いるのだろうか?

お世辞にも活躍したとは言い難い広島から巨人へのFA選手


 FAで広島から巨人に移籍した選手は、FA制度が始まった1993年から現在まで4人。最初に移籍したのが1994年の川口和久で、次が1999年の江藤智だった。そこから時間が開き、3人目が2013年の大竹寛。一番新しいのが2018年の丸佳浩となる。これまでにFAで移籍した広島の選手は9人おり、このうち国内移籍した選手が8人。つまり、FA権を行使した選手の半分が巨人に移籍していることになる。

 広島からFAで巨人に移籍した選手は、いずれも高い実績を誇る選手だが、巨人移籍後にはどのような成績を残した(残している)のだろうか。以下に4選手の成績をまとめてみた。

巨人・川口和久


●川口和久(1995〜1998年)
1995年 17試合 4勝6敗 防御率4.42
1996年 29試合 1勝4敗3セーブ 防御率2.95
1997年 22試合 3勝3敗1セーブ 防御率9.92
1998年 17試合 0勝0敗 防御率4.61

巨人通算:85試合 8勝13敗4セーブ 防御率4.32

 最初に広島から巨人にFA移籍した川口は、残念ながら思うようなピッチングができずに1997年シーズン限りで引退。屈指の巨人キラーと対戦しないで済むようになったのは喜ばしいことだったが、広島時代のような輝きを見せることはできなかった。

巨人・江藤智


●江藤智(2000〜2005年)
2000年 127試合 117安打 32本塁打 91打点 打率.256
2001年 134試合 138安打 30本塁打 87打点 打率.285
2002年 125試合 100安打 18本塁打 56打点 打率.242
2003年 105試合 72安打 17本塁打 43打点 打率.268
2004年 55試合 22安打 4本塁打 15打点 打率.227
2005年 81試合 16安打 0本塁打 4打点 打率.172

巨人通算:627試合 465安打 101本塁打 296打点 打率.256

 1990年代後半からFAで次々に強力な選手を獲得していた巨人は、1999年オフに広島の主砲・江藤を獲得。1年目から三番打者に指名され、32本塁打、91打点と活躍した。翌年もクリーンアップの一角として30本塁打をマークするも、2002年から不振に陥り、2004年にはスタメン出場が激減。最終的に代打要員に回され、2005年オフにFAの人的補償で西武へと移籍した。

巨人・大竹寛


●大竹寛
2014年 22試合 9勝6敗 防御率3.98
2015年 11試合 3勝4敗 防御率3.21
2016年 17試合 6勝6敗 防御率3.55
2017年 13試合 4勝4敗 防御率5.09
2018年 2試合 1勝1敗 防御率6.00
2019年 32試合 4勝0敗8ホールド 防御率2.77
2020年 29試合 1勝2敗16ホールド 防御率2.59
2021年 4試合 0勝0敗1ホールド 防御率3.86

巨人通算:130試合 28勝23敗25ホールド 防御率3.85

 2013年オフに巨人へとFA移籍した大竹は、1年目に9勝6敗、全球団勝利を達成するなど活躍を見せた。しかし、以降は不調やケガの影響で低迷。2019年に中継ぎとして活路を見出し、2020年にはリーグ優勝に貢献するピッチングを見せた。今季はヒザの故障で離脱し、シーズン中の復帰はかなわず。残念ながら引退することになった。

巨人・丸佳浩


●丸佳浩
2019年 143試合 156安打 27本塁打 89打点 打率.292
2020年 120試合 120安打 27本塁打 77打点 打率.284
2021年 118試合 104安打 23本塁打 55打点 打率.265

通算:381試合 380安打 77本塁打 221打点 打率.281

 広島から巨人へのFA移籍では4人目となる丸。3シーズンで77本塁打、221打点とそこまで悪くはないが、2年連続でリーグMVPに選ばれた広島時代のような活躍ができているとは言い難い。今季は序盤にコロナの陽性判定を受けての離脱はあったものの、復帰してからは低迷し、二軍落ちも経験。終盤で復調したが、再びリーグの頂点を目指すにはさらなる活躍が求められる。

 過去に広島から巨人へとFA移籍した4選手は、いずれも活躍した(している)とは言えない成績だ。江藤も加入から2シーズンは好調だったが、3年目から低迷。川口と大竹はまったく期待に応えることはできなかった。もし大瀬良と九里の2人がFA権を行使し、巨人に移籍した場合、先輩2人と同じ轍を踏むことになるのか、それとも前例を覆す活躍を見せるのか、「FA移籍が実現した際」には注目したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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