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新庄剛志監督以降もさらに増える? 「メジャー帰りの監督」はどんな実績を残している?

 

日本ハムの監督に就任した新庄ビッグボス


 10月29日に、日本ハムの新監督(ビッグボス)に新庄剛志氏が就任というビッグサプライズが発表された。これでメジャーでのプレー経験者が一軍監督になるのは通算4人目ということになる。では、これまでの「メジャー帰りの監督」はどのような成績を残しているのだろうか。

メジャー経験監督はいずれも結果を残す


 これまでにNPBの一軍監督に就任した「メジャー経験者」は、先述のとおり4人いる。最初が現在ロッテを率いる井口資仁監督だ。2017年に現役を引退し、翌2018年からロッテの監督に就任。過去にはメジャー経験者がコーチを務めたことはあったが、一軍監督での起用は初であったため大きな注目を集めた。

 次に一軍監督になったメジャー経験者は、ヤクルト高津臣吾監督。2014年からヤクルトの一軍投手コーチを務め、2017年には二軍監督に就任。2019年10月1日に一軍監督就任が発表された。3人目が取締役GM兼監督と、球団の重要な役職を兼任する楽天石井一久監督だ。2018年から楽天の取締役ゼネラルマネージャーを務めていたが、2020年11月に「2021年シーズンから取締役とGM、一軍監督を務めること」が発表された。

 来季、日本ハムを率いる新庄ビッグボスよりも先に監督を務めている先輩3人。それぞれの「監督通算成績」を以下にまとめてみた。

ロッテ・井口監督


●井口資仁監督(ロッテ:2018年〜)

2018年 リーグ5位 143試合 59勝81敗3分 勝率.421
2019年 リーグ4位 143試合 69勝70敗4分 勝率.496
2020年 リーグ2位 120試合 60勝57敗3分 勝率.513
2021年 リーグ2位 143試合 67勝57敗19分 勝率.540

通算:549試合 255勝265敗29分 勝率.490

 前年最下位だったチームを引き継いだこともあり、最初の2年間はチーム改革に着手。そのため1年目は成績の大きな向上は見られなかったが、2019年から徐々に結果が出始め、勝率5割まであと一歩に迫った。2020年は若手の台頭や投手陣の踏ん張りもありリーグ2位に躍進。今季も頂点にはわずかに届かなかったが、2年連続リーグ2位と結果を残した。通算成績は黒星先行だが、来季終了時には大きく勝ち越している可能性もあるだろう。

ヤクルト・高津監督


●高津臣吾監督(ヤクルト:2020年〜)

2020年 リーグ6位 120試合 41勝69敗10分 勝率.373
2021年 リーグ1位 143試合 73勝52敗18分 勝率.584

通算:263試合 114勝121敗28分 勝率.485

 ロッテの井口監督と同じく、リーグ最下位に沈むチームの改革を任されたのが高津監督だった。しかし、就任1年目は序盤は上位争いを繰り広げるものの、投手力不足から徐々に低迷し、最終的に2年連続最下位に沈んだ。しかし、今季は序盤から上位に食らいつく展開を続け、9月に阪神巨人が失速したスキに首位を奪取。そのまま逃げ切り優勝と、前年最下位からの大逆転劇を見せた。メジャー帰りの監督がリーグを制するのはこれが初。また、高津監督は独立リーグでも優勝しており、NPBと独立リーグ両方でチームを優勝に導いたのも史上初の出来事だった。

楽天・石井監督


●石井一久監督(楽天:2021年〜)

2021年 リーグ3位 143試合 66勝62敗15分 勝率.516

通算:143試合 66勝62敗15分 勝率.516

 1年目の今季は4月首位、5月〜7月もリーグ2位と常に上位をキープし優勝争いをするも、終盤に失速した。就任1年目でリーグ優勝という快挙は逃したが、若手の台頭もあり、来季に期待が持てる結果だったのではないだろうか。また、井口監督、高津監督の1年目はチームの立て直しに奔走し、苦しい結果に終わったが、メジャー経験監督の1年目としては初の勝ち越し。来季はさらに上位を狙いたい。

 メジャー帰りの監督3人は、高津監督がリーグ優勝、井口監督はリーグ2位、石井監督は3位といずれも好結果を残している。こうした実績のあるメジャー経験監督に対し、新庄ビッグボスがリーグ5位と苦しい結果に終わったチームをどのように変え、戦っていくのだろうか。いきなり好結果を求めるのは酷ではあるが、これまでに数々の偉業を達成してきた新庄剛志だけに、何か起こしてくれるのではと期待しているファンも多いだろう。

松井稼頭央など将来一軍監督になりそうな存在も


 一軍監督に就任したメジャー経験者は全部で4人。いずれも現役監督だが、今後はさらに増えるかもしれない。例えば、西武松井稼頭央二軍監督が来季から一軍ヘッドコーチに就任。ヘッドコーチから監督に昇格するケースも少なくないため、この先、松井が西武の監督になる可能性も低くはない。

 また、オリックスではカージナルスでワールド・シリーズ制覇を経験した田口壮がコーチを務めている。今季までは一軍野手総合兼打撃コーチだったが、来季は一軍外野守備・走塁コーチに配置転換。こちらも将来監督になる可能性がないとは言い切れない存在だ。

 メジャー帰りの監督の成績をまとめてみた。現在は解説者など、チーム指導とは別の舞台で活躍しているメジャー経験者も多くおり、今後、そうしたレジェンドがコーチとして入閣するということもあるだろう。今回の新庄ビッグボスのように、コーチや二軍監督を経ずに一軍監督に抜擢されるというサプライズも期待できる。もしかすると、12球団の監督すべてが元メジャー・リーガーというシーズンが訪れる日もそう遠くないかもしれない。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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