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直近では2019年の亀井善行…日本シリーズで「初回先頭打者弾」は何度記録されている?

 

19年の日本シリーズで先頭打者弾を放っている亀井


「初回先頭打者弾」は、1回の攻撃で最初に打席に立った選手が本塁打を放つというレアな記録だ。そうそう記録されるものではないが、日本シリーズなどの短期決戦で飛び出せば、チームに勢いをもたらしてくれるだろう。では、過去の日本シリーズで「初回先頭打者弾」は何度記録されているのだろうか?

初回先頭打者弾は過去13回出るも1試合目は1度のみ


 日本シリーズがスタートした1950年から2020年までの全71回を調べたところ、「初回先頭打者弾」は以下の13回記録されている。

1957年 与那嶺要(巨人)対西鉄3回戦 1回裏
1962年 吉田義男(阪神)対東映6回戦 1回裏
1963年 柳田利夫(巨人)対西鉄7回戦 1回表
1970年 高田繁 (巨人)対ロッテ4回戦 1回表
1974年 高木守道(中日)対ロッテ4回戦 1回表
1976年 福本豊 (阪急)対巨人4回戦 1回裏
1978年 福本豊 (阪急)対ヤクルト2回戦 1回表
1985年 石毛宏典(西武)対阪神6回戦 1回裏
1988年 彦野利勝(中日)対西武3回戦 1回表
1989年 大石第二郎(近鉄)対巨人1回戦 1回裏
※のちに登録名を大石大二郎に変更
1999年 秋山幸二(ダイエー)対中日2回戦 1回裏
2012年 長野久義(巨人)対日本ハム2回戦 1回裏
2019年 亀井善行(巨人)対ソフトバンク3回戦 1回裏

 日本シリーズでの初回先頭打者弾は、与那嶺要から亀井善行まで12人が記録。このうち、シリーズ1回戦での先頭打者弾は1989年の大石ただひとり。ただし、これは1回裏の攻撃で記録されたもので、「1試合目1回表」という正真正銘の先頭打者弾は過去に一度もない。

1球目を本塁打にしたケースは過去になし


 公式戦開幕試合では、1962年に衆樹資宏(阪急)、2007年に高橋由伸(巨人)が1回表に「開幕初球」をスタンドに叩き込んでいる。また、1回裏では広瀬叔功(南海)が1963年、山崎裕之(ロッテ)が1970年に初球を本塁打にした。では、日本シリーズで同じように「初球をスタンドインさせたケース」は何度あるのだろうか。初回先頭打者弾を放った12人の「カウント」を調べてみた。

●カウント:3ボール2ストライク……5回
柳田利夫、高田繁、福本豊、石毛宏典、秋山幸二

●カウント:2ボール2ストライク……3回
与那嶺要、福本豊、亀井善行

●カウント:2ボール1ストライク……2回
大石第二郎、長野久義

●カウント:1ボール1ストライク……2回
吉田義男、彦野利勝

●カウント:1ボール2ストライク……1回
高木守道

 残念ながら初球をスタンドインというケースは過去に達成されていない。最多はカウント3−2からで通算5回。フルカウントからの一撃が出やすい傾向にあるようだ。次に多いのが3回のカウント2−2、続くのは2−1、1−1で共に2回。1−1からの一打は過去1度しかない。

 そもそも本塁打自体が難しいこともあるが、先頭打者は相手先発の「デキ」を見極めたり、少しでも多く投げさせたりするためにもカウントを稼ぎたい。そのため、多くは1回に1球目を強打するというのを避ける。これも早いカウントでの本塁打が少ない理由だろう。

 今季の日本シリーズは11月20日に第1戦が行われる。ヤクルトもオリックスも機先を制するために1戦目は是が非でも勝利したいところだが、初回先頭打者弾が出れば勝利の可能性はぐっと高まる。果たして1試合目での初回先頭打者弾は出るのか、今から注目だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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