昨季の日本シリーズは、ソフトバンクが4連勝で巨人を下し日本一に輝いた。ソフトバンクは2019年にも4連勝で日本シリーズを制したが、1試合も落とさずに日本一になったケースは過去何度あるのだろうか？

負けなしの4連勝は過去9回

　日本シリーズがスタートした1950年から2020年まで全71回のうち、「負けなしの4連勝」で日本一が決まったのは計9回。このうち7回がストレートでの4連勝、2回が引き分けを挟んでの4連勝だ。

●ストレートでの4連勝
1959年 南海(対戦相手：巨人)
1960年 大洋(対戦相手：大毎)
1990年 西武(対戦相手：巨人)
2002年 巨人(対戦相手：西武)
2005年 ロッテ(対戦相手：阪神)
2019年 ソフトバンク(対戦相手：巨人)
2020年 ソフトバンク(対戦相手：巨人)

　ストレートでの4連勝はこれまでに7回起こっている。最初が1959年の南海。対戦相手の巨人には、それまでに4度も日本シリーズで敗退していたが、シリーズ初のストレートでの4連勝で初の日本一に輝いた。1960年の大洋も日本シリーズ初優勝が4連勝。1990年の西武は、全試合で4点差以上と圧倒的な強さで巨人を退けたが、それから12年後の2002年には、巨人が西武相手に4連勝とリベンジを果たしている。

　2005年にはロッテが阪神相手に4連勝で日本シリーズを制覇。ロッテは終始完璧な試合を展開し、4試合すべてで一度もリードを許さなかった。2019年、2020年は、2年連続でソフトバンクが巨人相手に4連勝を達成。2年連続、および同一カードでの4連勝は史上初となった。また、ソフトバンクは2018年の日本シリーズからシリーズ12連勝を達成。これも日本シリーズ記録だ。

●引き分けを挟む4連勝
1957年 西鉄(対戦相手：巨人)4勝1分け
1975年 阪急(対戦相手：広島)4勝2分け

　引き分けを挟む4連勝が起こったのは2回。1957年の西鉄は3連勝の後に引き分けを挟んで日本一。1975年は引き分け⇒2連勝⇒引き分け⇒2連勝という流れでの日本一だった。

伝説の3連敗からの4連勝は過去何度？

「無敗」ではない4連勝といえば、巨人が3連敗から4連勝で日本一になった1989年の日本シリーズが有名だ。では、同じように「3連敗からの4連勝」という大逆転劇は何度起こったのだろうか。同じく1950年から2020年までの全71回を調べたところ、以下の3例が該当した。

1958年 西鉄(対戦相手：巨人)
1986年 西武(対戦相手：広島)
1989年 巨人(対戦相手：近鉄)

　4連勝での日本一もレアケースだが、3連敗からの4連勝は過去3度とさらにレア。特に1986年の西武-広島の日本シリーズは、初戦引き分けの後に西武が3連敗するも、そこから4連勝で日本シリーズを制覇。史上最多の8戦を戦った。

　1試合も落とさずに4連勝で日本一になったのは過去9回。これまでに1959年・1960年、2019年・2020年と2年連続は2度あるが、3年連続はなし。もし今年の日本シリーズで4連勝負けなし日本一となれば、記録更新となる。オリックス対ヤクルトの日本シリーズは果たしてどのような展開になるか。

文＝中田ボンベ＠dcp　写真＝BBM