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直近は2017年のソフトバンク…今年は見られるか? サヨナラ日本一は過去何度起こっている?

 

 今季のペナントレースでは全31回のサヨナラ決着が発生した。拮抗した展開や逆転でのサヨナラ勝ちは大いに盛り上がるものだが、サヨナラ決着で日本一が決まったケースは過去に何度あるのだろうか?

サヨナラ日本一は過去に4度だけ


2017年、サヨナラで日本一に輝いたソフトバンク


 1950年から2020年までの全71回の日本シリーズのうち、サヨナラで日本一が決まったのは以下の4例。

●1950年 ○毎日 対 松竹×(4勝2敗)

 初の日本シリーズ開催となった1950年は、セ・リーグが松竹、パ・リーグが毎日という組み合わせで行われた。まずは毎日が2連勝するも今度は松竹が2連勝で2勝2敗のタイに戻す。しかし、5戦目、6戦目と再び毎日が制し、NPB初の日本一となった。この6戦目は9回まで7対7の同点で進み延長戦に突入するが、11回裏、二死一、二塁で伊藤庄七の三ゴロを松竹の三塁手・真田重男が二塁へ痛恨の悪送球。二塁走者がホームインしサヨナラ決着となったが、この真田は本業は投手で内野手ではなかった。

●1965年 ○巨人 対 南海×(4勝1敗)

 7回目の顔合わせとなった1965年の巨人対南海は、3勝1敗と巨人優勢で5戦目に突入。1回に南海が2点を先制するも6回裏に巨人が同点に追いつく。そのまま拮抗した展開が続いたが、最後は9回裏に巨人の新人・土井正三が値千金のタイムリーを放ってサヨナラで日本一に輝いた。ここから巨人は9年連続で日本一の座に君臨し続けることになる。

1988年、中日との日本シリーズ第5戦、西武は11回裏二死二塁から伊東が右翼頭上を襲うサヨナラ打を放って日本一を決めた


●1988年 ○西武 対 中日×(4勝1敗)

 1988年は西武と中日の対戦となったが、1勝1敗の状況から西武が3連勝で日本一を決めた。この5戦目は6対5の中日リードで9回に突入。中日は7回から郭源治を投入して西武打線を封じ込めるが、9回裏に石毛宏典が起死回生の同点本塁打を放ち、試合を振り出しに戻す。試合は延長戦に入るが、勢いに勝る西武が11回裏の攻撃で再び郭源治を打ち崩し、伊東勤がサヨナラタイムリーで試合を決めた。

●2017年 ○ソフトバンク 対 DeNA×(4勝2敗)

 2017年はソフトバンクがDeNA相手にサヨナラ日本一を決めた。2年ぶりの日本シリーズ出場となったソフトバンクが3連勝を決めるも、1998年の横浜時代以来の出場となるDeNAも負けじと4戦目、5戦目に勝利。ソフトバンクが勝てば日本一、DeNAが勝てば逆リーチとなる運命の6戦目は、8回までDeNA2点リードで進むが9回裏、内川聖一に起死回生の同点本塁打が飛び出しソフトバンクが追い付く。そのまま延長戦に入ると、11回裏にソフトバンク・川島慶三がタイムリーを放って決着。ソフトバンクは2年ぶり8回目の日本一に輝いた。

 これまでに4度起こっているサヨナラ日本一だが、エラーでの決着が1回、適時打での決着が3回と、実は「本塁打でのサヨナラ日本一」は一度も発生していない。もし今年起これば、日本シリーズが始まって72年目で初となる。果たして過去1度も起こっていない奇跡が見られるのか、決着のその瞬間まで目が離せない。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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