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日本ハム・新庄剛志監督は果たして…指導者経験のない監督は1年目にどんな成績を残している?

 

新庄剛志監督は今季5位の日本ハムの順位を引き上げることができるか


 就任から1カ月半と短い期間で早くも球界の話題を独り占めしている新庄剛志ビッグボス。これまでにプロでコーチや監督といった指導経験はないものの、独自の野球観や指導法が注目を集めている。では、過去の「指導者経験のない監督」は、1年目にどのような成績を残しているのだろうか?

指導経験のない監督でも好結果を残している


 今回は、1990年以降の過去30年で、就任までに臨時を除くプロでの指導経験(監督やコーチ、いずれも兼任を含む)がない状態で一軍監督に起用された例を調べてみた。1年目の成績は以下のとおり。

東尾修(西武/1995年)130試合 67勝57敗6分 リーグ3位
大島康徳(日本ハム/2000年)135試合 69勝65敗1分 リーグ3位
落合博満(中日/2004年)138試合 79勝56敗3分 リーグ1位
牛島和彦(横浜/2005年)146試合 69勝70敗7分 リーグ3位
田尾安志(楽天/2005年)136試合 38勝97敗1分 リーグ6位
古田敦也(ヤクルト/2006年)146試合 70勝73敗3分 リーグ3位
野村謙二郎(広島/2010年)144試合 58勝84敗2分 リーグ5位
栗山英樹(日本ハム/2012年)144試合 74勝59敗11分 リーグ1位
谷繁元信(中日/2014年) 144試合 67勝73敗4分 リーグ4位
工藤公康(ソフトバンク/2015年) 143試合90勝49敗4分 リーグ1位
金本知憲(阪神/2016年)143試合 64勝76敗3分 リーグ4位
高橋由伸(巨人/2016年)143試合 71勝69敗3分 リーグ2位
井口資仁(ロッテ/2018年)143試合 59勝81敗3分 リーグ5位
石井一久(楽天/2020年)143試合 66勝62敗15分 リーグ3位
※2016年DeNA監督就任のアレックス・ラミレスは巡回アドバイザー経験があるため除外

リーグ1位……3回
リーグ2位……1回
リーグ3位……5回
リーグ4位……2回
リーグ5位……2回
リーグ6位……1回

平均順位……3.14位

 1990年から2020年まで、プロチームで監督、また正式にコーチとして入閣しないまま一軍監督に抜擢されたのは14例。セ・リーグが7例、パ・リーグ7例とちょうど半々となっている。1年目順位で最も多いのが「リーグ3位」で5回。ギリギリAクラスだが、現行のルールではCSに進出できる順位のため、指導経験のない監督でこの結果が出せれば上々といえるだろう。

ソフトバンク・工藤監督は指導者経験なしで監督に就任しながら1年目から日本一に


 中には就任1年目でいきなりリーグ1位になった監督もいる。2004年の落合博満、2012年の栗山英樹、2015年の工藤公康の3人。特に工藤は日本シリーズも制覇している。その後、工藤は7年間でリーグ優勝3回、日本シリーズは出場6回全てで優勝と圧倒的な成績を残した。

 また、Bクラスに沈んだケースは5回と意外と少ない。リーグ最下位は2005年の田尾のみだが、これは楽天がチーム創設1年目で戦力が整っていなかったためだ。また、リーグ5位になった2010年広島、2018年ロッテは、どちらも前年に5位、6位と不振のチームを引き継いでおり、指導者経験のある監督でも上位進出は難しかったかもしれない。

 過去30年を振り返ると、指導者経験のない監督は意外と好結果を残している。2022年シーズンは、日本ハムの新庄剛志ビッグボスが指導歴なしでプロの舞台に挑むが、果たしてどのような結果を残すのか要注目だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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