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背番号物語

【背番号物語】日本ハム「#34」最多勝に最優秀防御率、そして最優秀中継ぎ。堀瑞輝が継承した栄光の系譜

 

昭和の時代は右のスターター


今季、最優秀中継ぎ投手に輝いた堀


 国鉄(現在のヤクルト)、巨人でプロ野球記録の通算400勝を残した金田正一が一貫して背負い、巨人の永久欠番となっている「34」。昭和から平成にかけては32年もの長きにわたって中日山本昌が背負い続けて、左腕ナンバーの代表格という存在になった。50歳まで投げ続けて数々の最年長記録を打ち立てた山本昌だが、勝ち星も通算219勝と、球史に残る左のスターターだ。

 かつての投手は先発すれば完投するのが大前提であり、リリーフはスターターとして失格となった投手の仕事、という認識があったが、時代は流れ、投手も分業制が進んで、近年はリリーバーも確固たる地位を獲得。「34」の左腕にもリリーフで存在感を放つ投手が登場するようになっている。この2021年、39ホールド、42ホールドポイントでパ・リーグの最優秀中継ぎ投手に輝いた堀瑞輝も、そんな左腕の1人だ。ただ、日本ハムの「34」が左腕ナンバーとなった歴史は、それほど長くはない。

 戦後の1946年にセネタースとしてプロ野球へ参加した日本ハムだが、1リーグ時代に「34」の選手はいない。現在の2リーグ制となった50年に右腕の木村富雄が初代となるも、1年で「16」となり、そこから3年間の欠番に。54年に同じく右腕の三住晨文が2代目となるも、56年には“リリーフ捕手”捕手の小野寺克男が3代目に。59年に大映(毎日と合併して大毎、現在のロッテ)から来た丸山公巳が内野手から捕手に転向して「34」の4代目となり、セ・リーグで金田正一が破竹の勢いで勝ちまくっていた時期ながら、捕手の印象が強くなった。やはり控えがメーンだった丸山だが、67年オフに現役を引退するまで「34」を背負い続けて、期間では歴代3位につけている。

72年には20勝を挙げて最多勝に輝いた金田留広


 翌68年に5代目となったのも捕手の山本恒敬だが、1年で「38」に。新たに「34」を背負ったのは、金田正一の末弟で右腕の金田留広だった。長兄からは「ダメなら1年でやめさせるぞ」と言われてのプロ入りだったというが、1年目から兄と同じ背番号で「兄は神様のようなもの。金田正一の名を汚すことだけは絶対にできん」とリーグ最多の59試合に投げまくって18勝。球宴にも出場し、代打で登場した兄との“兄弟対決”も実現させている。

 4年目の72年には20勝で最多勝。74年には兄が「34」の監督として指揮を執るロッテへ移籍して、「兄の半分」と「17」でリーグ優勝、日本一に大きく貢献、MVPにも輝いている。この74年はチームが日本ハムとなったシーズンでもあるが、「34」は堀と同じくドラフト1位で入団した鵜飼克維が継承。この鵜飼が左腕の第1号だ。わずか3年で鵜飼は広島へ移籍。「34」は右腕の背中に戻る。

2000年から左腕の系譜が定着


球団最長の11年間、背番号「34」を背負った岡部


 77年から歴代トップの11年間「34」を背負い続けたのは、日本ハムとなって初のリーグ優勝を飾った81年に防御率2.70で最優秀防御率に輝いた岡部憲章だ。13勝2敗、勝率.867も圧倒的な数字だが、チームメートで同じ左腕の間柴茂有が無傷の15連勝で勝率1.000を叩き出したことでリーグ最高には届いていない。岡部が88年に阪神へ移籍してからは左腕の藤原仁、右腕の鍋屋道桜、外野手の小松崎善久が1年ずつと安定感を欠き、91年から97年は南竜次、98年から中日から来た与田剛(剛士)と右腕がリレー。左腕の系譜として定着したのは、2000年に新人の吉崎勝が後継者となってからだ。

00年から吉崎が背負って以降、「34」は左腕ナンバーとなっている


 吉崎は03年に先発の一角を確保して自己最多の8勝も、06年オフに楽天へ。翌07年に後継者となったのが高校生ドラフト1巡目で入団した吉川光夫だ。1年目から1完封を含む4勝と即戦力になった吉川だが、本格ブレークは12年。14勝、防御率1.71で最終週防御率、リーグ優勝の原動力となってMVPに輝いている。15年にも2度目の2ケタ11勝を挙げた吉川は、翌16年オフに巨人へ移籍。その後継者が、やはりドラフト1位で入団した堀だ。1年目から「34」を背負った堀は、3年目の19年に登板が急増。徐々に安定感も増して、21年に念願の初タイトルとなった。左右を問わずタイトルホルダーを輩出してきた「34」にあって、リリーフ投手のタイトルは第1号だ。

【日本ハム】主な背番号34の選手
金田留広(1969〜73)
岡部憲章(1977〜87)
吉崎勝(2000〜06)
吉川光夫(2007〜16)
堀瑞輝(2017〜)

文=犬企画マンホール 写真=BBM

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