野球にかける思いはストイック
日本ハムを自由契約になった
西川遥輝に対し、
巨人が獲得に向けて調査していることがスポーツ紙で一斉に報じられた。能力の高さは折り紙付きだ。今季は130試合出場で打率.233、3本塁打、35打点、24盗塁と2014年からレギュラー定着後の打撃成績ではワーストの数字だったが、自身4度目の盗塁王を獲得した。俊足巧打のプレースタイルで通算出塁率.380と球界を代表する一番打者として長年活躍してきただけに、巨人に加入すれば大きなプラスアルファになるだろう。
端正な顔立ちで女性人気も高い。日本ハムのスターとして知られていたが、野球にかける思いは誰よりもストイックだ。主将に就任した昨年の開幕前、週刊ベースボールのインタビューで心境の変化を語っている。
「キャプテンになったからって何が変わるのかなと正直思っていたんですけど、いざやってみるとすごく自分自身も成長できている部分があったり、いろいろなものが見えてきたんですよね。例えば、これまでそんなに関係性がなければ話さない選手とかも中にはいるじゃないですか。でも、こういう立場になっていろんな角度からチームやみんなのことを見ることになり、自分からも積極的に話し掛けたりもしていくうちに『この選手はこんなことを考えているんだ』とか、知らなかった一面や発見がたくさんあって。そういう面でも指名してくれた栗山(英樹)監督にはすごく感謝しています」
「自分に大きなプレッシャーをあえてかけたいというのはありますよ。これまで目標を聞かれたら打撃タイトルを獲りたいとか、キャリアハイを目指すと言ってきたと思うんですけど、そんなレベルではないぐらいのところまでいきたい。それこそ獲れる可能性のあるタイトルを全部奪いにいきますし、もう人が変わったぐらい自分の想像を超えるはるか上にいきたいと思っています」
その決意は本物だった。昨季は打率.306、5本塁打、39打点、42盗塁をマーク。打率は4年ぶりに3割を超え、リーグ最多の92四球と選球眼も良いため簡単に凡打しない。出塁率.430は自己最高の数字でリードオフマンの役割を全う。外野の守備でも4年連続ゴールデン・グラブ賞を受賞した。
昨オフにポスティング・システムでメジャー挑戦を目指したが、好条件のオファーが届かず断念。今季は不本意な成績に終わり、来年は新天地でユニフォームを着る可能性が高い。
タレントがひしめく巨人外野陣
西川が巨人に入れば、外野手のレギュラー争いはさらに激化する。
丸佳浩、
ウィーラー、
松原聖弥、
梶谷隆幸ら豪華なタレントがひしめく。日本ハムの先輩で今季途中にトレード移籍してきた
中田翔も一軍の座を確約されているわけではない。レギュラーが保証されているのは
坂本勇人、
岡本和真の2人ぐらいだろう。
「西川が巨人に加入すればオールスター級の陣容です。さらに外国人も補強するでしょうし、相手バッテリーからすれば息の抜けない打線になる。昨年はシーズン終盤の大失速でリーグ3連覇を逃しましたが、地力があるチームであることは間違いない。来季も優勝候補の一角になるでしょう」(スポーツ紙デスク)
慣れ親しんだ日本ハムのユニフォームを脱ぎ、西川が移籍を決断する球団はどこになるだろうか。
写真=BBM