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岩崎優、小川一平、藤浪晋太郎…スアレス退団で阪神の次期守護神は?

 

阪神を退団し、パドレス入りを決めたスアレス


 阪神の守護神として活躍し、2年連続最多セーブ投手に輝いたロベルト・スアレスが今季限りで退団することが決まった。今季62試合登板で1勝1敗42セーブ、防御率1.16。5月16日の巨人戦(東京ドーム)で自己最速の162キロを計測するなど直球は球威十分で、変化球の精度も高い。制球力も良くまさに「絶対的守護神」だった。

 阪神は2010年代に呉昇桓ラファエル・ドリス、スアレスと3人のセーブ王が誕生するなど、「助っ人守護神」の活躍が目立つ。今オフに守護神候補の新外国人投手もリストアップしていると見られるが、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が世界各地で拡散し続けているのを受け、日本政府は外国人の新規入国について原則禁止措置を取っている。新外国人選手の来日時期について現時点で見通しが立っていない中、日本人投手が守護神に抜擢される可能性も十分にある。試合の最後を締めるマウンドを託されるのはどの投手だろうか。

救援陣を支えるセットアッパー


今季はリーグ2位の41ホールドを挙げた岩崎


岩崎優
今季成績62試合登板、3勝4敗1セーブ41ホールド、防御率2.65
通算成績326試合登板、27勝29敗3セーブ109ホールド、防御率3.06

 今季はスアレスと並ぶチーム最多タイの62試合登板。セットアッパーとして救援陣の屋台骨を長年支えている。下半身の粘りを生かし、腕が遅れて出くるように見える独特のフォームから手元で浮き上がるような軌道の直球、チェンジアップ、スライダーで打者を翻弄する。マウンド上で喜怒哀楽を出さず、ピンチの場面も淡々と投げるメンタルの強さも大きな武器だ。東京五輪では侍ジャパンのメンバーで金メダル獲得に貢献。後半戦は五輪期間中に一時帰国して再合流に遅れたスアレスの代役に抜擢され、9回を締めたこともあった。守護神の最有力候補だ。

藤川球児にあこがれる右腕


今季は後半戦で中継ぎとして好投した小川


小川一平
今季成績19試合登板、1勝0敗2ホールド、防御率2.95
通算成績40試合登板、1勝0敗2ホールド、防御率3.83

 183センチの長身から投げ下ろす153キロの直球が武器の本格派右腕。プロ2年目の今季は高く上げていた左腕を肩より上に上げない新フォームにしたことでリリースポイントが安定し、課題だった制球力が改善された。9月8日のヤクルト戦(甲子園)でプロ初勝利をマークするなど、後半戦から一軍の救援陣に定着。あこがれの投手は阪神の守護神として活躍した藤川球児氏。「リリーフとしては、どうしても真っすぐで押さないといけない場面があると思うんです。その中で球児さんは真ん中高めで空振りを取っていました。僕もそこで空振りが取れる投手になりたい」と週刊ベースボールのインタビューで語っている。藤川氏と重なるような直球で打者を空振りに取れれば、安心して守護神を任せられるだろう。

課題の制球力を克服して


今季も完全復活とならなかった藤浪


藤浪晋太郎
今季成績21試合登板、3勝3敗4ホールド、防御率5.21
通算成績173試合登板、54勝49敗11ホールド、防御率3.42

 高卒1年目から3年連続2ケタ勝利をマーク。近年は制球難に悩まされて一軍に定着できなかったが、今年はオープン戦で快投を続け、プロ9年目で自身初の開幕投手に抜擢された。だが、4月下旬に登録抹消されると、その後は救援に配置転換されたが結果を残せなかった。起用法について意見が分かれるところだが、昨季は9月下旬に救援に回ると、13試合登板で7ホールド、防御率2.35の好成績をマーク。160キロ近い直球を投げ込み、三振奪取能力が高かった。課題は何といっても制球力だろう。藤浪が復調して最も輝くのは先発、セットアッパー、守護神の中でどのポジションになるだろうか。

写真=BBM
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