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清原和博、小坂誠、山口高志…パ・リーグ6球団「衝撃の新人王」は?

 

明日、12月15日に開催される「NPB AWARDS 2021」で今季の新人王が発表される。どの選手が選ばれるか注目されるが、果たしてこれまで新人王を獲得した選手の中で最も驚くべき結果を残したのは誰だったのか。パ・リーグ6球団の「衝撃の新人王」は?

埼玉西武ライオンズ



 西鉄時代の“レジェンド”中西太豊田泰光稲尾和久池永正明や西武となってからも松沼博久石毛宏典、そして松坂大輔らが衝撃的な成績を残したが、やはり最もインパクトが大きかったのは清原和博だろう。意中の巨人に指名されなかった“涙のドラフト”を経て、1位で1986年西武に入団。4月5日の南海戦(西武)で初安打を本塁打で飾ると、5月から打撃が急上昇。9月27日の近鉄戦(西武)では28号を放って豊田の高卒新人記録を33年ぶりに更新。10月7日のロッテ戦(川崎)で初めて四番に座ると、その試合で59年桑田武(大洋)に並ぶ新人最多本塁打の31号を左翼ポール際へ運んだ。打率も.304と安定感が抜群だった。広島との日本シリーズでは1戦目に自打球を左足に当て親指を亀裂骨折しながらフル出場。打率.355を残し、3敗1分からの大逆転日本一に貢献した。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 やはり並の高卒ルーキーではなかった。駒大苫小牧高では高校2年夏に全国制覇、そして3年時には準優勝と、輝かしい成績を残して2007年に高校生ドラフト1巡目で楽天入り。開幕先発ローテーションに入ると、4試合目にプロ初勝利を完投で飾る。7月には高卒新人として松坂大輔(西武)以来、史上6人目の100奪三振をマーク。96回2/3での到達は江夏豊(阪神)と並ぶ史上最速記録となった。このシーズンの成績は28試合に登板して11勝7敗、防御率3.82、196奪三振。ここからエースへの階段を駆け上がっていった。

オリックス・バファローズ


阪急・山口高志


 衝撃度で言えば阪急時代の1975年のドラ1右腕・山口高志が一番だろう。身長169センチながら、山口が投じたボールは唸りを上げ、1年目の春季キャンプでボールを受けた捕手・河村健一郎は「球を捕るのを初めて怖いと思った」と語るほど、その威力はすさまじかった。投球の9割が直球の試合もあるなど、その自信を垣間見せたが、後半戦は調子を落として目標の15勝には届かず。それでも、後期優勝の近鉄とのプレーオフでは2勝を挙げ、日本シリーズでは5試合に登板して、1勝2セーブで胴上げ投手に。シリーズMVPにも輝き、インパクトは大きかった。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・小坂誠


 ルーキーイヤーから走りまくった。1997年に足で魅せたのが小坂誠だ。開幕から遊撃手のレギュラーを獲得。全135試合に出場し、快足を武器に56盗塁をマークした。西武・松井稼頭央 の62盗塁に及ばずタイトルこそ逃したが、新人56盗塁の記録は現在も破られていない。その足を生かした軽快な守備も魅力で、超人的な守備力から“平成の牛若丸”とも呼ばれた男がファンを魅了。今秋、育成ドラフトでロッテから2位で指名された速水将大も、あこがれの選手に挙げている。

福岡ソフトバンクホークス


南海・宅和本司


 ホークスの歴史を遡るのならば、やはり宅和本司(1954年受賞)と杉浦忠(58年受賞)、両右腕の残した成績は異次元だった。ともに1年目から先発ローテの柱として活躍し、宅和は26勝、杉浦は27勝を挙げている。宅和の武器は長身からの投げ下ろされる豪速球と縦のカーブ。何よりコントロールが抜群で当時のリーグ最多記録となる275奪三振をマークして防御率は堂々の1点台だった(1.58で最優秀防御率のタイトルも獲得)。一方の杉浦が新人王以外のタイトルこそなかったものの、この年、ルーキーながら開幕投手を務めてプロ初勝利デビュー。下手から浮き上がる速球と横に大きく曲がるカーブを武器に勝ち星を積み上げた。これらの記録を今の時代と単純に比較することはできないが、近年なら攝津正(2009年受賞)による70試合登板、39ホールドポイントも1年目にしては素晴らしい成績だ。

北海道日本ハムファイターズ



 日本ハム歴代新人王の中で最も衝撃的な成績を残した選手といえば、1980年の木田勇をおいてほかにない。史上初の新人選手にしてMVPを獲得した左腕である。1年目の80年の成績は、22勝8敗4セーブ、防御率2.28、225奪三振、勝率.733と脅威の数字で最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振と投手タイトルを総ナメ。以降、シーズン22勝以上は2013年の楽天・田中将大まで達成されなかった大記録だ。空振りの取れる速球にパームボール、カーブを武器に三振も量産。新人の最多奪三振は67年の江夏豊以来の快挙で、シーズン3度の毎回奪三振もプロ野球史上初だった。2年目以降は苦しんだが、ルーキーイヤーの偉業は今もなお、球史に燦然と輝いている。

写真=BBM
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