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ヤクルト・山田哲人 「スマートなタイプ」の新主将が20年ぶりの日本一へけん引/チームリーダーの1年

 


 自ら望んで志願した主将就任だった。前主将の青木宣親に言わせれば、新主将の山田哲人は「スマートなタイプ」。決して自ら先頭に立って声を出し、チームを鼓舞するタイプではなかった。

 だが、昨オフに7年契約を結んで事実上の「生涯スワローズ宣言」をした男なりに、2年連続最下位に沈んだチームを思う気持ちがあったのだろう。ミスタースワローズの証しである背番号1を背負う者として、チームをけん引する覚悟を、主将就任という形で表した。

 青木には「哲人のやりたいようにやればいいよ」と背中を押され、バットでは34本塁打、101打点で打線を引っ張り、投手がピンチに陥れば積極的にマウンドへ駆け寄った。ダグアウト裏でもチームメートに声を掛けるなど、不器用ながら、表に出ない部分でチーム全体に気を配り続けた。青木も、「本当に頼もしくて、引っ張ってくれた」と、山田の働きをたたえている。

 後輩の村上宗隆は「哲人さんがキャプテンになるときに、チーム全体で支えていこう、と。キャプテン・山田哲人の後ろで、必死に声を出してやってこれた結果だと思います」とチームが一つになったのは、山田の存在があると話した。信頼できる前主将と、頼もしい後輩。人を惹きつけるのも、山田の力だ。

 一番前には立たなかったかもしれないが、間違いなく、この男が20年ぶりの日本一に輝いた今季のスワローズを引っ張ってきた。

写真=BBM
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